微笑む人 の商品レビュー
読了!★★★★☆ 貫井徳郎 8月発売の新刊 いつも楽しみに待っている作家の作品。 ところが、プロローグを読んでガッカリと感じたのは否めない。 ノンフィクションだというのである。 貫井徳郎の考えた物語を期待していたのに、自身初のノンフィクションに挑んだとあった。 すっかり騙され...
読了!★★★★☆ 貫井徳郎 8月発売の新刊 いつも楽しみに待っている作家の作品。 ところが、プロローグを読んでガッカリと感じたのは否めない。 ノンフィクションだというのである。 貫井徳郎の考えた物語を期待していたのに、自身初のノンフィクションに挑んだとあった。 すっかり騙された!!! ノンフィクションが、貫井徳郎の考えた物語よりも面白い話になるのか? という訳でいつもとは違う、少し構えた感じで読み始めた。 事件は、高学歴・高身長・高収入のイケメンで周囲からの評価も抜群に高いエリートバンカーが、 自身の妻と、幼い子供を事故に見せかけて殺害した・・・というものだった。 著者が事件について調べる過程、次々とその男の関係者たちにインタビューをしていく という形で物語は進んで行く。 あの人がそんなことをする訳がない。 そういった話が多い中、わずかな人だけが感じた負のイメージが見えてくる。 その細い糸の様な違和感を手繰る様に、男の過去を探っていく中で著者が出した結論とは・・・ 確かに奇妙な印象を受ける事件だ。 ただ、ニュースなどで見ただけなら、そんなこともあるだろうと流してしまいそうでもある。 過去にあった愉快犯や快楽的、猟奇的殺人などに比べるとインパクトは薄い方だろう。 しかし、この著者が興味を持ち調べようとしているということは、何かあるという期待感を感じさせる。一体なぜこの事件を調べようと思ったのか?? 正直な所、初めの興味はそれだった。 だが、読み進めるうちにこの男の謎と動機についてどんどん知りたくなっていく。 インターネットで事件を調べてしまったりもした・・・ このあたりがすごいと読み終わった後に思った。 別段に過剰に奇妙な訳ではないのに、気になって仕方ないのである。 物語への引き込まれ方がスゴい。 後読感については皆それぞれ思う所はあるだろう。 が、そこまでの過程の物語はとても素晴らしかった。 欲を言えば、もう少し書いて欲しかった。 ストーリーとプロットの妙を存分に楽しめる一冊だ。
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この著者も別冊文藝春秋『新月譚』で出会う。帯にもあるがノンフィクションのようなフィクション。そんな事件あったかな。と思いながらも著者によるノンフィクションのつもりで読み進めてしまった。そういう意味では構造が秀逸。だたし、ミステリーと謳うわりには謎解きも無ければ、本当の動機もよくわ...
この著者も別冊文藝春秋『新月譚』で出会う。帯にもあるがノンフィクションのようなフィクション。そんな事件あったかな。と思いながらも著者によるノンフィクションのつもりで読み進めてしまった。そういう意味では構造が秀逸。だたし、ミステリーと謳うわりには謎解きも無ければ、本当の動機もよくわからず読後感はあまりすっきりしない。 帯や書店員の声も大事な要素だということがよくわかった。
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貫井さんの文書は読みやすく好きである。エリート銀行員はなぜ妻子を殺したか⁉動機を探るうちに、相手の心の奥底まで見通すことができない限り、人は自分のみたいようにしか他人を見ないと。そうですよね、人の心の裡はわからない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「本を置く場所がなくなったから」妻子を殺したと自供した仁藤。 その仁藤に興味を持ち人物像をあぶりだそうとどんどん 年代を遡って調べていくと、その先々で見つかる不審死。 怪しいといえば怪しいのだが、それらすべてが殺人なのかどうか…。 この展開、最近読んだ小野不由美「残穢」に似ている。 対象が殺人犯に対する妄想か 怪異に対する虚妄かの違いで 真実も分からずじまいっていうのもそっくり。
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評価が難しい。物語に引き込まれたかどうかでいえば間違いなく★は5つ。面白かったかどうかで聞かれても同じ答えをしたいが、この読後感で言うと★は3つくらい。真ん中を取ってこの評価にしたが、ページを捲る手が残りのページの厚さを何度も確認した。それくらい引き込まれた。ただ作品内でも指摘さ...
評価が難しい。物語に引き込まれたかどうかでいえば間違いなく★は5つ。面白かったかどうかで聞かれても同じ答えをしたいが、この読後感で言うと★は3つくらい。真ん中を取ってこの評価にしたが、ページを捲る手が残りのページの厚さを何度も確認した。それくらい引き込まれた。ただ作品内でも指摘されているように気持ちいい解決はない。最終章でそれまで積み上げられてきたものが、一気に崩されて行く様子はある意味気持ちよかったが、最後に完全に闇に包囲された迷宮に閉じ込められる。一体何を伝えにこの人達は現れたのだろうと言う最大の謎がそれまでの話を前座にしてしまう。単なるサイコミステリーの動機探しと思って読んでいると痛い目に合う、そんな作品。
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妻子を殺害したエリート銀行員の素顔は・・・ うーん、やりたいコトは解らないでもないけれど、微妙。 こういう得体の知れない人が、珍しくも無い現実の方がよっぽど怖い。
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読み始めると、それは殺人事件を追う小説家のルポ形式。貫井作品で以前もルポタージュ形式の小説を読んだ気がする。何だったかな。 それはさておき、貫井作品は毎回圧倒的なスピードで読めてしまう。ストーリーに引き込まれる。今回は通勤の1往復で読めてしまった。今作は登場人物が頻繁に入れ替わり...
読み始めると、それは殺人事件を追う小説家のルポ形式。貫井作品で以前もルポタージュ形式の小説を読んだ気がする。何だったかな。 それはさておき、貫井作品は毎回圧倒的なスピードで読めてしまう。ストーリーに引き込まれる。今回は通勤の1往復で読めてしまった。今作は登場人物が頻繁に入れ替わり、話が断片的になっているものの、主人公の小説家の足跡そのままにストーリーが展開されるので、わかりやすかったのかな。 で、今作は昨今のマスコミによる事件の報道手法に疑問を投げかけているかのようなお話になっている。犯罪者の動機・心理を安易に解釈し、伝えてしまって果たして良いのか。他人の心情を完全に理解できると考えるのはおこがましいのではないのか、マスコミに対するそうした批判的メッセージが込められているように思う。ミステリ小説として謎が最後に氷解するような結末を期待した人にとっては期待はずれかもしれない。しかしながら、貫井作品は謎を残しつつ結末を迎えることもままあるので、個人的には貫井さんならではの作品だと思うし、とても楽しめた。
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+++ エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。 犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。 この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。 周辺の人物は一様に「仁藤はいい人...
+++ エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。 犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。 この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。 周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。 さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。 仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!? 貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。 読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。 +++ 最初から最後までリアルである。ノンフィクションだと言われれば、何の疑いも抱かずに納得してしまいそうだ。ある殺人事件の被疑者(仁藤)のことを、彼の物語を書こうとする小説家が、彼を知る人々に取材し、真実の仁藤を浮かび上がらせようとするのである。少しずつ仁藤の真の姿が明らかになり、事件の隠された真実が暴かれる、というストーリーを、つい期待してしまうが、現実はなかなかそう思い通りにはいかないものである。そして本作も、そんな期待には全くと言っていいほど応えてくれない。それがもどかしくもあり、どうしようもない現実を見せつけられるようでもあって、見事である。著者自身も執筆しながら、スッキリ真相を解明したい欲求に駆られなかっただろうか、と思わず想像してしまうような一冊である。
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貫井の作品はほとんど読んできたが、今回の「微笑む人」は貫井作品の中では中の上くらいの出来。といっても、安直なミステリーに脳みそを犯されている人には是非一読をお勧めする。 犯罪行為の心理の深淵は、そう簡単な解釈を許さない。
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すごく期待して読んだ。はじめはノンフィクションと思っていたけど結局はフィクション? 表紙がなんとも不気味なので、読みながら寝るのはやめよう、だから昼間一気読みができる時に読み始めようと思ってたのに、結局布団でも読む羽目になってしまった。途中で力が抜けてパタンと本が閉じて、ビックリ...
すごく期待して読んだ。はじめはノンフィクションと思っていたけど結局はフィクション? 表紙がなんとも不気味なので、読みながら寝るのはやめよう、だから昼間一気読みができる時に読み始めようと思ってたのに、結局布団でも読む羽目になってしまった。途中で力が抜けてパタンと本が閉じて、ビックリして目が覚めた。あの不気味な顔が微笑んでる。恐れていた事態が発生!心臓が停まると思った。ストーリー以上に表紙が怖い!
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