文明と戦争(下) の商品レビュー
より歴史的に身近なテーマを扱っている下巻は、上巻に比べると膨大な類書の存在によって退屈を感じる人もいるかもしれません しかし、圧倒的な量の資料の読み込みと選別を行った著者の労作は誉められてしかるべきでしょう また、上巻でも感じたが訳がところどころおかしい部分がある 推敲が必要
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多くのことが考察されており、例えば、国家の全人口の1%以上を職業軍人として常時維持することは不可能なこと、ヨーロッパでアジアのモンゴル帝国やオスマン帝国のような大帝国が誕生しなかった理由はその地形にあったことなどがある。中でも、封建制の確立には馬が不可欠であったというのには非常に...
多くのことが考察されており、例えば、国家の全人口の1%以上を職業軍人として常時維持することは不可能なこと、ヨーロッパでアジアのモンゴル帝国やオスマン帝国のような大帝国が誕生しなかった理由はその地形にあったことなどがある。中でも、封建制の確立には馬が不可欠であったというのには非常に興味深かった。 交易体制と資本主義の相互作用で成長したヨーロッパを中心として人類は過去にないほどの富を手にすることになる。人類とっての戦争は極端に言えば資源を奪い合うゼロサムゲームであったのだが、奪い合うよりも新たな価値を生み出す活動に力を注いだほうが得するケースが多くなる時代に突入したのである。近代化は人類を戦争から解き放ちつつある。 しかし、世界中の戦争が消えるかどうかは、今もって誰もわからないのである。
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