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傍迷惑な人々 の商品レビュー

3.5

12件のお客様レビュー

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2023/08/16

 河出書房『はじめて読む!海外文学ブックガイド』(十四歳の世渡り術シリーズ)で、芹澤恵さんが紹介なさっていたので知り、読んだ。  九十八セントの買い物に一ドル紙幣を出したウィルマ伯母さんに対し、細かい釣り銭がないのでもう三セント出せないかと雑貨屋の主人が頼んだことを端緒とする世紀...

 河出書房『はじめて読む!海外文学ブックガイド』(十四歳の世渡り術シリーズ)で、芹澤恵さんが紹介なさっていたので知り、読んだ。  九十八セントの買い物に一ドル紙幣を出したウィルマ伯母さんに対し、細かい釣り銭がないのでもう三セント出せないかと雑貨屋の主人が頼んだことを端緒とする世紀の一騎打ちを描いた「ウィルマ伯母さんの損得勘定」、ある市の名前が思い出せないことがどうしても気になって眠れないぼくが、夜中の三時に、寝ている父親にニュージャージー州の市の名前をとにかく挙げてくれと頼みに行く「今夜もまたまた大騒ぎ」など、少年時代の家族や地元の人々との思い出がベースになっている掌編たちがとても面白かった。思わず吹き出してしまう。  「ツグミの巣ごもり」は他とはちょっと毛色が違うように思われたが、これはこれで見事に、気に入らない女を“消す”話。「虹をつかむ男」は「Life!」というタイトルで映画化もされているらしく、これは日常の隙間時間についつい一人妄想に耽ってしまうあるある(?)で共感を覚える人も多いのでは。時々挿しはさまれるゆるいイラストも楽しい(サーバーは雑誌『ニューヨーカー』で漫画も描いていた)。  冒頭に書いた『〜ガイドブック』を再び読んでみたら、芹澤さんはコロナ禍での暮らしの変化を受け「今のわたしたちのおたおたぶりをサーバーならどんなふうに見て、どんなふうに描いただろう」と述べられていた。おたおた、どたばたして参ってしまいそうなとき、サーバーのことを思い出すのも良いかもしれない。

Posted byブクログ

2022/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家族の絆:傍迷惑なのは疑いようもないが、退屈はしなさそうな家族。しかし夜は静かに寝て欲しい。傍迷惑な人々:家庭だけでなく職場にも面倒な人々が。ツグミの巣ごもりは、勤勉実直な社員の密かなる復讐劇で、バローズ夫人には悪いがスッとする。妄想暴走族:マクベスをミステリー脳で妄想すると、考えすぎて突飛なことになる。そういうぼくが実はいちばん……:なんでも壊す男は、もはや機械に嫌われる宿命を背負っている。

Posted byブクログ

2018/12/07

気になったので読んでみた次第なのだが、笑いに満ちた一冊だった。 「家族の絆」パートはエッセー集。どの物語も「なんでそうなるの!www」ってツッコミまくりだった。でも、ダム決壊の話は冗談抜き、いつだってありそうだから自戒自戒。 「傍迷惑な人々」パートはありそうな変な人シリー...

気になったので読んでみた次第なのだが、笑いに満ちた一冊だった。 「家族の絆」パートはエッセー集。どの物語も「なんでそうなるの!www」ってツッコミまくりだった。でも、ダム決壊の話は冗談抜き、いつだってありそうだから自戒自戒。 「傍迷惑な人々」パートはありそうな変な人シリーズ。少しホラーなところもあったり、周りがかわいそうだと思ったり。今でもいませんか、こういう人。 「暴走妄想族」パートはどこまでが事実か分からなくなるものばかり。マクベスは推理小説じゃないので! 「そういうぼくが実はいちばん……」パートもエッセーパート。実は鉄面皮なのかもとか穿った見方をしてみる。

Posted byブクログ

2018/11/11

20世紀アメリカの作家・イラストレーターにして雑誌『ニューヨーカー』の執筆者でもあったジェイムズ・サーバー(1894-1961)のエッセイ風ユーモア短篇集。 「ウィルマ伯母さんの損得勘定」の頭のよじれるような面白さは傑作。「ダム決壊の日」のなぜかほのぼのとしてしまっているユーモ...

20世紀アメリカの作家・イラストレーターにして雑誌『ニューヨーカー』の執筆者でもあったジェイムズ・サーバー(1894-1961)のエッセイ風ユーモア短篇集。 「ウィルマ伯母さんの損得勘定」の頭のよじれるような面白さは傑作。「ダム決壊の日」のなぜかほのぼのとしてしまっているユーモラスなドタバタぶりも愉快。機械音痴でクルマに疎く取扱説明書恐怖症である「なんでも壊す男」(作者自身のこと)のぼやきは、仕組みのよく分らない情報機器にやたらと取り囲まれてしまっている現代、そうした機械類への絶対的な苦手意識に捕われている私と同類の人々に、共感の笑いとともに読まれるに違いない。個人的にはこの3篇が出色。 「そう言えば、ぼくは暖房機の自動温度調節装置というやつをいじるのも好きではない。毎晩ベッドに入るまえに、室温を十三度に落とすたびに、真夜中に爆発が起こって、屋根を突き破って吹っ飛ばされるのではないかと、びくびくしながら眠りに就いている」 「おかげで今ではぼくも、車というものはギアがニュートラル・ポジションのままでは、エンジンがかからないということを知っている。でも、どうしてそうなるのか、その仕組みはいまだにわからない。始動機がついている場合は、ギアがニュートラル・ポジションでもエンジンはかかるそうだが、そんなことはぼくの知ったことか、である」 「このソーダ・サイフォン、見たところ、使う人の十人ちゅう九人までの言うことはちゃんと聞きそうだが、ぼくが使うとなると、おいそれとは言うことを聞いてくれそうになく、さんざんねばられて、結局は引き分けということになるのではないか、という嫌な予感がするからだ」 その他、シェイクスピアの戯曲を探偵小説として読んでしまう「マクベス殺人事件」の、ちぐはぐさを面白がらせるところもいい。なお、「なんでも壊す男」「放送本番中、緊張しないためには」の2篇はここに収められているものが本邦初訳。紹介してくれた訳者に感謝。

Posted byブクログ

2014/10/02

まさに「傍迷惑な人々」ばかりがでてくる。迷惑と言い切るのも違う、読んでいる限りでは笑えるけれど、傍迷惑な人々。今回は<暴走妄想族>の章が一番楽しかったかも。個人的には、さらっとしすぎてて休憩本にするにもちょっと物足りない感じ。

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2014/04/21

サーバーのイラストも入っている短編集。 「傍迷惑な人々」というタイトルの通り、身近にいるちょっとおかしな家族や友人をユーモアたっぷりに描いている短編集。読むと何故だか元気が出る。笑える。 最後の「本棚の上の女」は自作のイラスト解題なんだけど、あの人喰ったカバの絵とかすごい、あと線...

サーバーのイラストも入っている短編集。 「傍迷惑な人々」というタイトルの通り、身近にいるちょっとおかしな家族や友人をユーモアたっぷりに描いている短編集。読むと何故だか元気が出る。笑える。 最後の「本棚の上の女」は自作のイラスト解題なんだけど、あの人喰ったカバの絵とかすごい、あと線のふわっと加減がたまりません。長新太とかジョン・レノンとかサーバーに影響を受けたらしい(絵)。確かに、と思う。

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2013/10/20

He wrote the original of  The Secret Life of Walter Mitty (虹を掴む男)and some fictions in U.S.

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2013/04/25

軽妙洒脱なサーバーの短編集。 20編収録も、どれもこれも楽しく飽きがこない。 まるでハンナ・バーベラの作品を文字で読んだような気分。 個人的には家族の絆が好み。

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2012/11/25

著者のイラスト付き,短編集.イラストレーター(一コマ漫画家?)としても知られているらしいが,この著者が自分のイラストを解説する最後の短編が良かった.マクベスを推理小説として無理矢理読み解く二人の話と放送局の話も良いね.

Posted byブクログ

2012/10/26

他の本で読んだ話もあるが、家族、自分、絵くくりでノンフィルクションとして読むとまた違う。 軽い話。

Posted byブクログ