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かめくん の商品レビュー

3.9

38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかった。 途中まではどこかsfっぽいスケールの大きさを感じさせつつもかめくんの何気ない日常を描いていたが、終盤でのは少し背筋が寒くなるような展開になっていて思わず鳥肌がたった。 また、さいごにこの小説がかめくんが書いたものであると分かった時、一気にこの作品が切なさを帯びるのが印象に残った。 周りの人物はかめくんと一定の距離をとっていて、それゆえなのかお互いの関係が身軽なのが私にとっては心地よかった。そのなかで、時折彼らが見せるかめくんを気遣う描写が愛おしく見えた。 バットエンドのように捉えられるが多いと思うこの小説。 私も同意見だが、くらげ荘に移ってからは、少なくともかめくんは幸福に見えた。 SFをあまり読んだことない人でも手の取りやすいと思う良い作品でした。

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2024/02/08

カメはなぜか好まれている。 助けたカメは竜宮城へ連れて行ってくれるし。 ガメラは子どもの味方だし。 ウサギにだってかけっこで勝つし。 「亀は意外と速く泳ぐ」って題名の映画まであるし(意外って言われるのも心外)。 「この宇宙のすべては、たったふたつの要素に分けることができる。す...

カメはなぜか好まれている。 助けたカメは竜宮城へ連れて行ってくれるし。 ガメラは子どもの味方だし。 ウサギにだってかけっこで勝つし。 「亀は意外と速く泳ぐ」って題名の映画まであるし(意外って言われるのも心外)。 「この宇宙のすべては、たったふたつの要素に分けることができる。すなわち、甲羅の内と外」 分かるような分からないような……ま、いいか。 かめくんはかめくんであって、カメではないのだから……,

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2022/08/19

のほほんとしたストーリーながら、変な生物との戦い、メカであるかめくんの特殊さなど想像の余地の大きい、SFのようなファンタジーのような物語でした。

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2021/11/18

時代設定はかなり先の未来のはずなんですが、現代のほんわかした日常的なお話でした。こういう作品好きです。?

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2020/08/01

かめくんはなんとなく大きいと思っていましたが、今回改めて(?)「ミワコさんより少し背が低い」ということに気付きました。かわいい。 これはかめくんの周りでわいわいしてしまうのもわかるな。。 かめくんの世界はいつもちょっと寂しくて良いです。河川敷や夕暮れや図書館の描写も好きです。 か...

かめくんはなんとなく大きいと思っていましたが、今回改めて(?)「ミワコさんより少し背が低い」ということに気付きました。かわいい。 これはかめくんの周りでわいわいしてしまうのもわかるな。。 かめくんの世界はいつもちょっと寂しくて良いです。河川敷や夕暮れや図書館の描写も好きです。 かめくんの好きな映画「肉弾」観てみたいです。 冬眠するかめくんからは、このかめくんの記憶が削除されてしまうのかな。儚い。

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2019/09/13

2019.8.11市立図書館(→2019.9.13購入) 北野勇作かめ(レプリカメ)三部作(?)、最初の作品。火星とか木星、それに戦争という焦臭い話題が出てくる、まだ人間がいる世界なのが、続く『どろんころんど』『カメリ』とはちょっと違う雰囲気だが、現実と虚構の境界があるようなない...

2019.8.11市立図書館(→2019.9.13購入) 北野勇作かめ(レプリカメ)三部作(?)、最初の作品。火星とか木星、それに戦争という焦臭い話題が出てくる、まだ人間がいる世界なのが、続く『どろんころんど』『カメリ』とはちょっと違う雰囲気だが、現実と虚構の境界があるようなないような、地に足がついているはずがふと気がつくと空に浮かんでいるようなふしぎさはかわらない。 本能のようにフォークリフトを操ることができるかめくんが、それまで雇われていた会社を解雇され社員寮を出て、アパートを借りてあらたな職を得て暮らした数ヶ月。基本的にあらかじめプログラムされたことやあたえられたシナリオ通りにしか動けないながらも、大家さんや会社のひと、図書館のひと(とくにバイトのミワコさん)やノラネコ(?)と交流しながら機械なりにあれこれ推論するかめくんはカメリ同樣どこかけなげで応援したくなる。それだけに最終章がせつなくて、描かれないその先が気がかりでたまらない。かめくんはかめくんとしてひょうひょうとあり続けるのかも知れないけれど… わたしはSFはほとんど読まないのだが、どうやら北野勇作はSF作家らしく、この作品も日本SF大賞を受賞しているらしく、自分の中の「SF」観がちょっと変わった気がする。こういう哲学的というか思考実験のような作品もSFというなら、案外すきな世界かもしれない。 そしてこの世界にはすでにかめくんのような存在が生まれつつあるような気がしてならない。

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2019/05/25

かめくんです。それ以上でもそれ以下でもない。宮沢賢治を彷彿とさせるオノマトペが多く、全体的な雰囲気としてはかなり柔らかく読みやすい。ただ、その印象は読み手の心境の投影でしかなかったことが最後まで読めば伝わるだろう。終始一貫して安易なセンチメンタリズムや叙情性に流されることなく、か...

かめくんです。それ以上でもそれ以下でもない。宮沢賢治を彷彿とさせるオノマトペが多く、全体的な雰囲気としてはかなり柔らかく読みやすい。ただ、その印象は読み手の心境の投影でしかなかったことが最後まで読めば伝わるだろう。終始一貫して安易なセンチメンタリズムや叙情性に流されることなく、かめくんはかめくんとして有り続けたのには好感が持てる。非日常的な存在の日常は昨今のアニメでも見かける話ではあるが、これはその流行の一端なのかもしれない。

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2019/02/01

図書館で。 半分ぐらいまでは読んだんだけどその後、結局どうなるの?とナナメ読みした結局どうなるって話でもなく終わったような。地味な話だなぁと思って読みましたが感性が合わないのだろうなぁ。何が面白いんだろう?と首を傾げるだけで終わってしまった。 これがSF大賞取ったのかぁ…と思う...

図書館で。 半分ぐらいまでは読んだんだけどその後、結局どうなるの?とナナメ読みした結局どうなるって話でもなく終わったような。地味な話だなぁと思って読みましたが感性が合わないのだろうなぁ。何が面白いんだろう?と首を傾げるだけで終わってしまった。 これがSF大賞取ったのかぁ…と思うとSFも色々あるんだなぁというか読み手も色々居るんだなぁと思う感じです。

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2018/10/18

かめくんは、本物の亀ではない。レプリカメという、いわゆるヒューマノイド。 そんな彼が仕事をし、りんごやパンの耳を食べ、図書館で本を借り、いろんなことを推論する…。そんな日常を描いています。 しかし物語が進むにつれ、木星でどうやら戦争をしていた事、そしてその為に、レプリカメが作ら...

かめくんは、本物の亀ではない。レプリカメという、いわゆるヒューマノイド。 そんな彼が仕事をし、りんごやパンの耳を食べ、図書館で本を借り、いろんなことを推論する…。そんな日常を描いています。 しかし物語が進むにつれ、木星でどうやら戦争をしていた事、そしてその為に、レプリカメが作られたこと…ほんわかとした日常の裏側に、ブラックな謎があり、どんどん引き込まれていきました。 かめくんは作中、色んなことに対し、「推論」をしていますが、 その中でいくつか印象に残った部分があります。 まず1つは、 『自分というのが一体何なのか。果たして、自分などというものがあるのかないのか、かめくんにはわからない。どこかにシナリオがあって、そこに書かれていることを、自分はなぞっているだけなのだろうか。ヒトは、そうではないのだろうか』 という部分。 この作品を読んでいる自分は間違いなくヒトだけれども、このかめくんの推論に、どきっとさせられました。自由に生きているつもりでも、実は誰かの敷いたレールの上を歩いているだけの人生を、誰もが気づく事なく送ってしまっているのではないか…そんな事を暗喩し私たちに示しているような気がしたからです。別にそれが悪いとか良いとかじゃなく、自分がそうなのかが、自分でもわからない事にどきっとしました。 他には、かめくんが一度だけ、「推論ではなくそう思う」と述べているところなのですが、 『自分自身を内包したもうひと回り大きな甲羅がある事を知って、かめくんは納得する。自分も甲羅の中にいて、そして自分の甲羅の中にも世界があり、だからきっとその中にも甲羅を背負った自分がいて、そしてその甲羅の中にもーーーそんな風にして、それがずっと続いているのだ。どこまでも。きっと。推論ではなく。そう思う』という部分。 それとあとがきの『かめくんは、かめくんである。かめくんはかめくんでしかない』 河出文庫版あとがきの『かめくんのこうらはきょねんよりおおきくなった。いろんなものをすいこんですこしおおきくなった。いろんなものがぎっしりぱんぱんにつまっている。かめくんのせなかのおおきなこうら。(えはじぶんでかいてください)』という部分。 これらを人間に置き換えると、なんか教訓めいたものになると思いました。 人間は、それぞれ自分の価値観・世界観を持ち、それは誰かに何かしらの影響を与え、ずっとつながっていくけれど、他人になることはできず、自分は自分にしかなれない。その自分すら確かなものではないのかもしれない。それでも色んなことを経験し、成長して、自分そのものを大きくしていく。だから自分は自分でしかなく、それに抗うこともできず、受け入れるしかないことは、儚くもあり、かけがえなく素晴らしくもある。そんな事を(私が勝手に)感じ取りました。 この感想書いてて、大分凝り固まった感じ取り方をしている気がして、なんとなく投稿するのが恥ずかしくなってきたのですが、読んで自分に良い影響をもたらしたんだからまぁいいか、ということで投稿しました。 そういえば、前に辻村さんの「凍りのくじら」を読んだのですが、北野さんの作品はまさに「SF(少し・不思議)」ですね。 前読んだ「きつねのつき」もまた読みたくなりました。

Posted byブクログ

2018/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白い。世界を甲羅の内側から眺める話だったとは、最後の最後に気がついた。主人亀の「かめくん」は、リンゴと図書館(のスタッフ)を愛する、とても人の良いレプリカメ(人造カメ)だけど、甲羅の中にはどうやら重い過去とプログラムが詰まっているらしいという、少々せつない話。

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