かめくん の商品レビュー
SFだと言われても最初ピンとこなかった。 ただ、物語全体にわたって、諦念と不安感がつきまとい続けていて、それが、少しほのぼのして見える「かめくん」の語り口とミックスされて、読み進めずにはいられない原動力になって、夢中で読んでしまった。 カメの哲学と世界観は難しくて直感的で面白い。...
SFだと言われても最初ピンとこなかった。 ただ、物語全体にわたって、諦念と不安感がつきまとい続けていて、それが、少しほのぼのして見える「かめくん」の語り口とミックスされて、読み進めずにはいられない原動力になって、夢中で読んでしまった。 カメの哲学と世界観は難しくて直感的で面白い。 不思議な物語だった。 SFなんだろう。 せつなくて、面白かった。
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かめくんは、自分がほんもののカメではないことを知っている。カメに似せて作られたレプリカメ。リンゴが好き。図書館が好き。仕事も見つけた。木星では戦争があるらしい……。第22回日本SF大賞受賞作
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2001年度日本SF大賞。つまり、こんなかわいいタイトルでSFなのだ。目次で和む。めかめ。かめもりー。かめーる。レプリかめのかめくん。淡々として透明感のある、しかしうっすら哀しい話。謎は謎のまま。 個人的にはやや物足りなかった。これはこれで大変味わい深いが、個人の好みとして、異形の物語にはもう少し濃い味付けを希望。
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りんご(紅玉)とするめとおかきが食べたくなる。川原泉先生が好きな人は好きなんじゃないかと勝手に推測。つまり私は好きです。
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登場人物は皆どこかしらとぼけた 発言をしているけれども、 実際にかめくんの周りで起きていることは 「となり町戦争」のような 恐ろしいことなのかも。 そもそもかめくんの思考上の世界かもしれないが。 メカメがザリガニイを捕食するシーンは エヴァンゲリオンを思い出した。 かめくんと...
登場人物は皆どこかしらとぼけた 発言をしているけれども、 実際にかめくんの周りで起きていることは 「となり町戦争」のような 恐ろしいことなのかも。 そもそもかめくんの思考上の世界かもしれないが。 メカメがザリガニイを捕食するシーンは エヴァンゲリオンを思い出した。 かめくんとチンチラの同居生活は 視覚的に想像すると和んだ。 このお話をアニメーション化したら 独特な雰囲気出るだろうな。 かめくんの推論を逐次 視覚化していくと面白そう。
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2012.9.25 【経緯】 ぺりこさん推薦 【内容メモ】 かめくん レプリカメ SF 木星戦争 世界は甲羅の内と外で構成されている かめに似てるね 【感想】 戦争のために作られたレプリカメ。 戦争が終わり、目的を無くしたアンドロイドはこころを持ち、じぶんの考えを持ち、生き...
2012.9.25 【経緯】 ぺりこさん推薦 【内容メモ】 かめくん レプリカメ SF 木星戦争 世界は甲羅の内と外で構成されている かめに似てるね 【感想】 戦争のために作られたレプリカメ。 戦争が終わり、目的を無くしたアンドロイドはこころを持ち、じぶんの考えを持ち、生きていけるのか。 その思考も生き方も作られたものなのか。 哲学的なテーマなのに、それを押し出さないという珍しいSF。 でもただの無意味なゆるふわ日常というわけでは決してない。 音がいい。 にくきゅうううう
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ああ、10年前に読めていたら良かったな。こんな面白い小説があったなんて。復刊で出会えてほんとうに良かった。 微笑ましいんだけどなんだかかなしくて、いつのまにかかめくんの目線で世界を見ている。少しだけ泣く。この小説世界に浸っていたい。
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ちょっと泣きました。 ひとりぼっちのセカイ系。哀愁と恐怖と優しさが漂う涼しげな甲羅の内側と外側の空。 かめくんのように生きられたらなあ。
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実践ではなく実戦 戦闘のあとの銭湯 言葉のしりとりみたいにつながっていくお話。 木星の戦争とか、ザリガニイとか、遺伝子の交換とか、そもそもかめくんって、なんだろう。 時代背景も細かな設定もよくわからなかった。 これがSF大賞ならば、私にSFは合わないのかもしれない。
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カメ型アンドロイド的な“レプリカメ”のかめくんの日常。 日常と言っても理由がよくわからないけど木星で戦争が起きていて、かめくんは仕事の合間に機械亀を操縦してザリガニと戦ったり、阪堺電車(らしき路面電車)が木星につながってたりする世界。 ノスタルジックでゆるーい雰囲気なのに、どこと...
カメ型アンドロイド的な“レプリカメ”のかめくんの日常。 日常と言っても理由がよくわからないけど木星で戦争が起きていて、かめくんは仕事の合間に機械亀を操縦してザリガニと戦ったり、阪堺電車(らしき路面電車)が木星につながってたりする世界。 ノスタルジックでゆるーい雰囲気なのに、どことなしに不気味さを覚えたりした。かめくんたちの意思や記憶は、人が勝手に書き換えたりして良いものなのだろうか、とか。そういう意味で三章が一番興味深かった。 難しいことを考えずに、ゆるっと読むのが正しい気もした。
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