ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(上) の商品レビュー
上巻は主に朝鮮戦争勃発から人民義勇軍参戦直前までを描いている。 マッカーサー、トルーマンをはじめとしたワシントン、金日成、毛沢東らのそれぞれの個性や思惑、さらには誤算が、北の南進と、その後の国連軍の38度線越えの北進や人民義勇軍の参戦を招く様を克明に描いている。 南朝鮮人民は北...
上巻は主に朝鮮戦争勃発から人民義勇軍参戦直前までを描いている。 マッカーサー、トルーマンをはじめとしたワシントン、金日成、毛沢東らのそれぞれの個性や思惑、さらには誤算が、北の南進と、その後の国連軍の38度線越えの北進や人民義勇軍の参戦を招く様を克明に描いている。 南朝鮮人民は北の南進に呼応して蜂起すると信じている金日成とか、今日の誰かさんとダブって見えますね。
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朝鮮戦争を知りたい時の最良の選択肢だと思う。マッカーサー周辺の状況やその無能さもサラリーマン的に良く判る。例え話で引用したい。
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著者が長年のジャーナリスト経験で築き上げた思い込みを基礎にして構築した朝鮮戦争にまつわる物語。読み物としては面白い。 著者の主観、登場人物の主観、客観的評価が渾然一体となった文章なので、ノンフィクション風味の物語として読むべきだろうと考える。 例えば、日本の朝鮮支配に関する一面的...
著者が長年のジャーナリスト経験で築き上げた思い込みを基礎にして構築した朝鮮戦争にまつわる物語。読み物としては面白い。 著者の主観、登場人物の主観、客観的評価が渾然一体となった文章なので、ノンフィクション風味の物語として読むべきだろうと考える。 例えば、日本の朝鮮支配に関する一面的記述は、著者の思い込みと朝鮮の悲劇性クローズアップのためだろうと思う。そういう筆致があちこちに散りばめられており、それらによってわかりやすく腑に落ちる物語が構築されている。
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重量級の朝鮮戦争ドキュメント。アメリカの政府・軍上層部内(中朝露側も少々)の駆け引きと誤算、前線で戦った将校・兵士らの証言からなる。中央と前線の対比が読みどころ。また、マッカーサーという特異な個性もひとつの主役になっている。 アメリカにとって朝鮮戦争は忘れられた戦争である。引き...
重量級の朝鮮戦争ドキュメント。アメリカの政府・軍上層部内(中朝露側も少々)の駆け引きと誤算、前線で戦った将校・兵士らの証言からなる。中央と前線の対比が読みどころ。また、マッカーサーという特異な個性もひとつの主役になっている。 アメリカにとって朝鮮戦争は忘れられた戦争である。引き分けるために多くの血が流された。ただし、アジアでの覇権的な共産主義の勢いをとめた功績はあると帰還兵は振り返る。 アメリカ国内政治との絡みで言えば、蒋介石の中華民国(台湾)がこの戦争に影を投げかけていた。武器を与えても中共軍に奪われるだけの頼りない連中。しかし米国内では共和党に巧みなロビイングで食い込んで、アメリカが中共との戦争に入るよう後押ししていた。トルーマンや国務長官のアチソンらはこうした動きに苦々しいものを覚えていた。しかし、結局のところマッカーシズムがおおいに吹き荒れてアメリカの外交・軍事を束縛した。→「タイム」誌などのメディアも大立者がマッカーシズムを応援しており、エルロイの小説を思い出した。著者としては21世紀初頭のアメリカ政治に擬する思いもあったろう。 中・朝・ロの微妙な駆け引き。中国はこの戦争で自らの力を証明しようとして成功した。ただ皮肉なことに毛沢東の独裁強化となり、後の文革の伏線となったとも言える。北朝鮮は、金日成のいい加減さばかりが目立つ。スターリンは漁夫の利というか、けしかけるだけで少なくとも損をしなかった。 マッカーサーはフィリピンで日本をなめ、朝鮮戦争開戦時には北朝鮮をなめ、鴨緑江では中国をなめて痛い目にあった。そもそも人種差別的、敵をリスペクトすることを知らぬままだった。とにかく外聞にこだわり、気分の浮き沈みが激しく、バターン・ギャングのような取り巻きを侍らせて意にそぐわね情報には耳を傾けなかった。朝鮮戦争の期間中もほとんど半島に行くことはなかった。 対照的に描かれるのは後任のリッジウェイ。タカ派であることは同じだが、敵をリスペクトし、現場重視であった。 米軍は第二次大戦後は動員がどんどん解除され訓練も行き届かず骨抜き状態になっていた。緒戦は、数に勝り規律がとれてT-34を擁した北朝鮮軍にたいしてかなわなかった。釜山橋頭堡まで後退して援軍が到着し戦線を整えるとともに、部隊の錬度もあがっていった模様。最初は偵察というとトラックに乗って道路を走っていったのが、道々の高地を占領するようになった。 朝鮮の山がちな地形が国連軍の車両による機動力をそぎ、中国軍には待ち伏せのチャンスを提供した。 中国軍も緒戦は国連軍の油断により、待ち伏せで大々的な勝利を収めた。数量的にも圧倒的に優勢だったし、国連軍の偵察機に気づかれず軍勢を動かすことも出来た。しかし、国連軍に大ダメージを与えつつも一方で多くの部隊を取り逃がしたあたり、部隊間の通信未整備や制空権を持っていないことに由来する弱点があった。 中国軍は国連軍を分断包囲する戦術を取ったが、国連軍側は陣地をしっかり固めて火力を集中し、空から補給を続ければ戦えることをチピョンニで立証する。中国軍は大損害を出した。中国軍はさらに南に進むに連れて補給も大問題になった。そして戦争はこう着状態に。 マッカーサーが原爆を使って中国との戦争になれば、より無防備な日本も巻き込まれるって懸念があったのだね。トルーマンはまともな判断をしてくれた。
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東西冷戦のアジア地区での戦い。北朝鮮が攻め込んできて、アメリカを中心とした国連軍が押し返す戦争のドキュメンタリー。 単純・退屈な話なんだろうなという予想をいい意味で大きく裏切る名著。
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