ハンナの記憶 I may forgive you の商品レビュー
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授業中に東日本大震災に遭った主人公。被災後に、祖母が太平洋戦争中にイギリス人のハンナとの交換日記を発見し、当時の様子などを知るために祖母の同級生にインタビューをしたりハンナに直接手紙を書いて祖母と再会させようとしたりする物語だった。 太平洋戦争中、日本にいた外国人は母国から帰国するよう言われるが、それを断った外国人に対して日本の収容所にいれるなどの扱いを受けていたことを知った。 ハンナが日本にくることになったが、結局、祖母と再会したのか、その後の様子が書かれておらず、少しモヤッとした。
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題名と表紙が気になって手に取った本 最初から最後まで止まらず読みきれました。 この本に書いているようなことが実際に起こっていたかもしれないと思うとゾッとします。 さらさら読めて面白かったです。 記憶に残ったシーンは、戦争が終わりハンナの家族がしずこの家族の元へ荷物を取りに行った時のシーンです。同じ日本にいたけどやっぱり勝者と敗者なのかなと感じました。「早く国に帰れば良かったのに」と言われてハンナはきっとすごくショックを受けたと思いますが、しずこがそう言ってしまう気持ちも分かる気がします。 個人的にはしずことハンナが再開するところも読みたかったです。
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記憶から未来へ 戻りたくても戻れない。 深い考えなく行ってしまった言葉が、行動が、誰かの心をえぐっているかもしれない。 そう考えると自分の口から発せられる言葉が恐ろしくなってくる。 特に私は、口でよく失敗をしている。 三歩あるけば忘れてしまうなんて! でも、だから人の痛みに敏...
記憶から未来へ 戻りたくても戻れない。 深い考えなく行ってしまった言葉が、行動が、誰かの心をえぐっているかもしれない。 そう考えると自分の口から発せられる言葉が恐ろしくなってくる。 特に私は、口でよく失敗をしている。 三歩あるけば忘れてしまうなんて! でも、だから人の痛みに敏感になろうと思える。 まだまだ、それは遠いけれど。 おばあちゃんにはハンナという親友がいた。 茶色い目の「外国人」。 二人は親友だった。 しかし戦争はそんな二人を引き裂いてしまう。 ハンナにとって日本は故郷。 生まれ育った街だ。 それを奪われてしまった悲しみが伝わってくる。 現在を生きるハンナの言葉は出てこない。 登場するのはI may forgive youという言葉だけ。 それが何を意味するのか。 そこには長きにわたる悲しみと、希望があった。 物語の背景に「3・11」がある。 人が起こしてしまった最大の悲劇。 政治が、原発が、二元論に陥りがちな背景を善悪のみで直接語らないところは評価できる。 ただ、個人的な希望としては、ハンナとシズが会えるところまでを描ききってほしかった。 そして、「とりあつかい説明書」はあえて強い言葉を使っており、著者自身の厳しい指摘だと感じた。 中学生らしい表現を描いているが、若い読者にはどれだけ伝わるだろう? 記憶は生き続ける。 嫌な記憶ほど、ある時突然フラッシュバックする。 それを残すべきなのだろうか? 本作品内での指摘もあったが、「記憶」を持つヒトとして、考えさせられる。
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戦中と震災原発。祖母と孫。 内容を大雑把にいうと、祖母の戦中時代の秘めた交友や誤解を孫が解き明かし、今につなげていく。 いつまでも表面を上滑りするような感じがして私には合わなかった。
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2011年3月11日と、戦争の時の話があって、しかも舞台が横浜の方だったので、知ってる土地ばかりでした。主人公のハナコはハンナというおばあちゃんの元親友から届いた手紙に書かれた言葉が気になり、おばあちゃんの過去を掘り下げる物語。 前半は少し読みにくかったですが、後半から急に話が進...
2011年3月11日と、戦争の時の話があって、しかも舞台が横浜の方だったので、知ってる土地ばかりでした。主人公のハナコはハンナというおばあちゃんの元親友から届いた手紙に書かれた言葉が気になり、おばあちゃんの過去を掘り下げる物語。 前半は少し読みにくかったですが、後半から急に話が進んで面白かったです。
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現代と過去、戦争や人災(この場合は原発)によって住まいや祖国といった居場所を失われた人々がリンクしていく構成は良いと思う。そこに67年前の祖母の交換日記のミステリーがからめている。大人目線で見るとかなりデリカシーのない主人公(波菜子)であるが、子どもだから許されるんだろうか? 「...
現代と過去、戦争や人災(この場合は原発)によって住まいや祖国といった居場所を失われた人々がリンクしていく構成は良いと思う。そこに67年前の祖母の交換日記のミステリーがからめている。大人目線で見るとかなりデリカシーのない主人公(波菜子)であるが、子どもだから許されるんだろうか? 「ぽぽぽぽ~ん」のくだりなどは、震災で大きな被害をうけた人たちにとっては笑えないエピソードではないかと胸が痛んだ。ちょっと残念な作品。
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被災地以外の3.11のあとのことが書かれているので、 子どもたちに手渡すにはケアが必要かもしれない。 と思うが、意外と受け入れるのかなぁ。
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うーん…。 あの3月のことをフィクションの中に落とし込んで書いたものを、楽しむには、まだお互い早いんじゃないかと思った。 書きたいことがあるのは分かるけど、生々しいのにフィクションなのに生々しいのに、って重心がぶれて苛々する。自分にはまだ平静に読めない。ノンフィクションか、いっそ...
うーん…。 あの3月のことをフィクションの中に落とし込んで書いたものを、楽しむには、まだお互い早いんじゃないかと思った。 書きたいことがあるのは分かるけど、生々しいのにフィクションなのに生々しいのに、って重心がぶれて苛々する。自分にはまだ平静に読めない。ノンフィクションか、いっそ振り切ってくれた作品なら読めるんだけど。半端に、東北以外の人々の現実がちらついて集中できなかった。 この要素が気にならない人なら楽しめるのでは。祖母の女学生時代の交換日記と謎を解く云々はよかったので。
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直接の戦争体験談を聞く機会もほとんどないいま、本から知る情報は大きいなと思う。 家出をしてきたおばあちゃんに届いた外国からの手紙。 地震で崩れた荷物の中から見つけた、古い交換日記。 おばあちゃんが忘れようとしている戦争での記憶に、中二の波菜子が向き合う…。 戦時中、日本に暮らし...
直接の戦争体験談を聞く機会もほとんどないいま、本から知る情報は大きいなと思う。 家出をしてきたおばあちゃんに届いた外国からの手紙。 地震で崩れた荷物の中から見つけた、古い交換日記。 おばあちゃんが忘れようとしている戦争での記憶に、中二の波菜子が向き合う…。 戦時中、日本に暮らしていた外国人やその家族にどのようなことが起こったのか、物語を読み進めるとわかります。
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著者と波菜子の思いは伝わってくるけれど、ストーリーのための強引な会話が気になって途中でしらけた。特に波菜子と工藤さんの会話とか。 それから面白い題材をあれこれと入れ込んでいるのに尻すぼみな感じで消化不良。
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