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女ことばと日本語 の商品レビュー

3.5

20件のお客様レビュー

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2014/01/04

kinoppyで読了。 新書ということもあって、もうちょっと論拠が欲しいところもあったけれど、全体的に目からウロコだった。 明治以来の国語学者の言論なんかをみていると、学問的中立というか、思い込みを払拭することの難しさを感じる。

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2013/11/24

要するに、いつの世も女性の振る舞いは批判されてきたのよって話。 昔の日本人女性に関する興味深い話が多い。 だが一番印象に残ったのは、おまけ的に出てきた「書生言葉」だったり……

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2013/08/14

単なるジェンダー論と思って読んでいたが、「言葉と近代的権力」との関係を「言説」というキーワードを中心に、しかし平易に説く本だった。おすすめ。

Posted byブクログ

2014/07/14

 なぜ「女ことば」は存在するのか。この本の問題意識はいたって単純です。  暑い「わね」のように、単語レベルでそれを使うだけで女性を連想するような言葉があるのは、日本語の特徴の一つだと思います。  この本の内容をかなり乱暴に要約すれば、女ことばが存在するのは、言説による規範化、そ...

 なぜ「女ことば」は存在するのか。この本の問題意識はいたって単純です。  暑い「わね」のように、単語レベルでそれを使うだけで女性を連想するような言葉があるのは、日本語の特徴の一つだと思います。  この本の内容をかなり乱暴に要約すれば、女ことばが存在するのは、言説による規範化、そしてそれが定着することによって「創られた伝統」が定着するところにあるということですね。  言説による規範化とは、女ことばそれ自体が定着するのではなく、「女ことばはこういうものだ」もしくは、「こうあるべきだ」というような言説のなかで定義されるということです。現代でいえば、マナー本や教科書などが一番身近でしょう(ちなみに、女性語のマナー本は鎌倉時代からあったそうです)。規範化のなかで特徴的なのは、日本国民の優越性を示すための国策のなかで女ことばが日本語の伝統として位置づけられ、戦後にもそれが続いたということでしょう。  それまで正式な日本語として認識されず、標準語の策定にあっても「方言」と同じように無視されてきた女性語が、知識人によって日本語の伝統として天皇と結びつけられ、「日本人」という一体感が作られてゆく。そして、その伝統は戦後においても女性のもつ本来の特徴として、再び規範化される。  各章を比較してゆくと、その時代の言説によって「女ことば」の位置づけが全く違うということが示されています。それによって、「創られた伝統」であることを浮き彫りにしようというのが狙いではないでしょうか。それがこの本の面白いところですね。  若干、女ことばの不遇の扱いを嘆いているような・・・その意味で肩入れしているような語り口だと思いましたが、常識を疑うという意味ではこれぐらいでよいのでしょう。例示が多いので、軽く読むにしても面白いです。「~てよ、~だわ」は堕落した女学生を象徴する言葉として使われていたとか、「あたい」は男子にも使われていたとか。  ただ、すべてそのまま納得できるかというと微妙なところもあると思いますが……それは、他の方の意見を伺ってみたいところです。  ……関係ないことですが、良く考えてみると、最近はすっかり女ことばを聞きませんね。

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2013/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1.中村桃子『女ことばと日本語』岩波新書、読了。日本語の特徴という「女ことば」は標準語に顕著にみられる区別という。では女性が使う(べき)それはどのように誕生したのか。本書は、鎌倉時代から第2次大戦後までの女ことばの言説を辿り、言語学やジェンダー研究の知見からその形成過程を追う。 2.中村桃子『女ことばと日本語』岩波新書。「女は喋るな」から「喋るならこうあるべき」へ--。女言葉の「言説」は、その言葉遣いが女性らしさの規範となり日本語の伝統へと創造され、天皇制国家の伝統として価値あるものへ定位される。同時に女言葉不使用者は「女らしくない」ともされることになる。 3.中村桃子『女ことばと日本語』岩波新書。フーコーは「ことば」に注目し、私たちが何らかの知識や概念を持っているのは、それについて「ことばで」か語ってきたからだと考察。本書は日本語論の一入門書ながら、フーコー『知の考古学』の一つの実践事例といってよい。自明の襞に分け入る魅力的一冊。

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2013/02/11

「女ことば」の歴史なんて、今まで知らなかったから、すごく面白かった。 特に、「てよ」「だわ」という言い回しが昔は下品な言葉使いとされてたなんて、ビックリ!

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2012/12/06

女性特有の話し方を女ことばと呼ぶが、それは昔からあったわけではなく、作られたものだ。 女ことばは日本の伝統とか世界にない日本の優位性とかいろいろ言われることもあったが、そんなのは後付設定なのだ。 とまぁそんな感じの内容?

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2012/10/14

時代・政治情勢などに揉まれながら、今まで使われてきた「女ことば」。 尊重されたりけなされたり、それでも結局守られてきてますよね。 専門的な部分は飛び石のごとく読んでしまいましたが、なるほどと思える「女ことば」の魅力に納得。 「ーだわ。」「ーよ。」「ーかしら。」などといった言葉は、...

時代・政治情勢などに揉まれながら、今まで使われてきた「女ことば」。 尊重されたりけなされたり、それでも結局守られてきてますよね。 専門的な部分は飛び石のごとく読んでしまいましたが、なるほどと思える「女ことば」の魅力に納得。 「ーだわ。」「ーよ。」「ーかしら。」などといった言葉は、それだけで女が発しているものだとわかるもの。オカマももちろん。 そう言われてみれば、便利ですよね。小学校教科書や絵本にだって、その使い分けによって性の区別がされてるんですから。 これは決して性差別とかではなく、日本語の特徴であり、美しいとされている理由の一つでもあるでしょう。 そんな「女ことば」…私は好きだし、使っていたいと思うし、現に日常、特にメールやWeb上での書き込みで多用している…ことに、改めて気づきました。そう言えば、私ってそうだなって。 一昔前まで強調されていた身分の差による使い分けの要素は薄れてきているし、柔らかくかわいらしく、時には色っぽく、そして女性として「らしさ」を楽しむためにも、「女ことば」は消えずに使われ続けてほしいものだと思えました。

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2012/09/26

目からうろこ的。 逆転発想。 強引であっても、解答がちゃんと用意されているのがいい。 あるいはそうかもしれない。 あるいは、まだまだ未熟な理論かもしれない。 でも、すとん・・・とおちる理屈に完敗の気分。 読んでいて、楽しいと感じた。 ジェンダー視点はいつも楽しめる。

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2012/09/23

例示がうまく行っていないように思う。例が必ずしも筆者の説を説明していない。一事で万事を言っているところもある。 また、支配という語の主語が不明で意味が取れない。というか、全体的に主語が欠けているところが多い。集団が個人のように考え、行動したように言っているところがあるが、よいのか...

例示がうまく行っていないように思う。例が必ずしも筆者の説を説明していない。一事で万事を言っているところもある。 また、支配という語の主語が不明で意味が取れない。というか、全体的に主語が欠けているところが多い。集団が個人のように考え、行動したように言っているところがあるが、よいのか。 読みにくい。

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