朝のこどもの玩具箱 の商品レビュー
短編集はとっつきやすいと思い、手に取る。 各話、全く違う時代背景、ファンタジーものだったり、現実的だったり。同じ作者で、これだけ幅が効くのだなあと、素人ながら物凄く関心した。 「ぼくの神さま」から「がんじっこ」の流れ、素晴らしく好きな2話だった。勇気づけられた。 そしてラスト「こ...
短編集はとっつきやすいと思い、手に取る。 各話、全く違う時代背景、ファンタジーものだったり、現実的だったり。同じ作者で、これだけ幅が効くのだなあと、素人ながら物凄く関心した。 「ぼくの神さま」から「がんじっこ」の流れ、素晴らしく好きな2話だった。勇気づけられた。 そしてラスト「この大樹の傍らで」、最高。植物の名前を名字にもつ親友に重ねて、グッときてしまった。何より最後が、ベタでいいんです。最高なんです。 そしてそして、あとがきでの「この大樹の傍らで」のコメント、担当の一言。ありがとうと伝えたくなりました。
Posted by
「謹賀新年」 安奈が麻衣子さんの「はあい」の音調や笑顔や天然な言動が好きっていうところがなんかいいなぁ。麻衣子さんの人の好さが伝わってくる。いい母子になる、きっと。 「がんじっこ」 最後の最後まで生き抜くのって難しい。老いや哀れでできないことも増えて心も萎れてくるだろうけど、シゲ...
「謹賀新年」 安奈が麻衣子さんの「はあい」の音調や笑顔や天然な言動が好きっていうところがなんかいいなぁ。麻衣子さんの人の好さが伝わってくる。いい母子になる、きっと。 「がんじっこ」 最後の最後まで生き抜くのって難しい。老いや哀れでできないことも増えて心も萎れてくるだろうけど、シゲは簡単に負けないし諦めないだろう。オイラも生きることに関しては往生際が悪くいたい。 「この大樹の傍らで」 担当者Hさんの助言にオイラも大賛成。この結末だからこの物語は希望あるものになったと思う。ちょっと思うのはこのタイトルって担当者Hさんの助言をもらう前に付けたものなんじゃないかな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
謹賀新年 いつまでも子どもでいられるだろうか?いつまでも世の中のことに大きく反応できる人でいられるだろうか?良いことには思い切り反応し、悪いことには反応しない。そういう器用な生き方ができるようになれればいい。よく笑い、沈まない人になりたい。 単純でわかりやすいものだけが全てではない。非効率的で分かりにくいものが、無視できない大切なことの場合もある。人の心もそう。人の心はそう単純じゃない。 単純も複雑も理解できる人でありたい。シンプルに考え結論を出すべきことと、じっくり考え続けるべきことを見極められるようになりたい。何事もバランスが大事。偏りすぎてはいけない。 頭と心がリンクしていないのが、一番しんどいということに最近気づいてきた。頭ではそうすべきだと考えているのに、心はその考えに納得していない。システム1とシステム2みたい。これがリンクしたとき、初めて人はすっと力を抜いて生きられるようになる。 ぼくの神さま 胸の中にいる神さまの声を聞く、というのは、頭と心のどちらかと聞かれれば、どちらかと言うと心の声なのだろう。自分が本当に心から納得できる選択をしなければならない。どうするのが正しい?人のためになる?自分に恥じないように生きよう。でも、力は入れすぎない。 限界があっても、必要な人がいる。全ては無理でも、必要な仕事がある。誰か一人でも幸せにできたならば、それだけでその人には価値があったということ。 がんじっこ 相手によってコロコロと態度を変えるのが一番ダサい。筋は通せ。 居心地よくなりすぎたらダメ。ある程度、居心地が悪い空間に身を置くことに意味がある。 何も言わないのは考えてないのと同じ。思ってるくせに何も言わず、後から陰でこそこそ言う。せこい真似するな。 豪勢な生活などいらない。慎ましく幸せになればいい。人に親切にすること、決しておごらないこと。 何か間違ったことをしたのなら、まずは謝らなくては。一言目はごめんなさいでなければならない。それ以外の言葉は、そのあとに言えばいい。でも、一言目は申し訳ないだ。 自分は人のことを非難できる人間か?それほど大層な人間か?謙虚さを失ってはいけない。自分で言った言葉がブーメランのように自分に帰ってくるぞ。 素直に感情を表現することは難しい。だからこそ、それができる人を羨ましく、妬ましく思うのかもしれない。でも、本当は自分がそうする勇気がないだけ。嫉妬してる暇があったら、自分が本当に相手のことを想ってできることを自分の心に聞け。相手の心に寄り添って、大切なことを見落とすな。でないと後悔するぞ。 優しさだけが正義ではない。臆病者や卑怯者にはなるな。正々堂々と、その相手に必要なことを伝えよう。伝え方は考えなくてはならない。でも、伝えることをやめてはいけない。 孫の恋愛 悩んだり憂いたり悩んだりするよりも、笑い飛ばせる方が強靭だ。そりゃあうまくいかないこともあるけれど、前へ進むためには、笑顔で乗り越えるしかない。 自分以外のものを自分よりも大切に想える。素敵なこと。それで1人前になるのだ。 自分の想いは貫き通さねばならない。例えひとりで戦うことになっても、曲がらず真っ直ぐに生きていかなければ。 この大樹の傍らで 親を失うと人間は大人になる。自分で決断しなければいけなくなる。大人になるのは、時間をかけてなるものではない。覚悟を決めて一瞬でなる。 何かのために熱中できるものが見つかると、子供ではなくなる。自分以外のなにかである必要がある。
Posted by
各、六篇の話しによって内容や設定も違っていてとても良かったと思う。個人的には第5篇の「しっぽ」が一番おもしろかった。人に流されることなくしっかりと自分の意志で行動することの大切さを知ることが出来た。
Posted by
「こどもの」とあるけど、子供向けってわけじゃない。 でも、見せ掛けにごまかされず、感覚的に本質を探り、そこへ一直線に飛んでいくというのが「こども」なら、こどもの本ですね。 「孫の恋愛」いいですよね。このおばあちゃんの気高さ、奥行きの深さは、この設定だからすんなり入ってくるのでし...
「こどもの」とあるけど、子供向けってわけじゃない。 でも、見せ掛けにごまかされず、感覚的に本質を探り、そこへ一直線に飛んでいくというのが「こども」なら、こどもの本ですね。 「孫の恋愛」いいですよね。このおばあちゃんの気高さ、奥行きの深さは、この設定だからすんなり入ってくるのでしょうか。孫の彼女のお父さんの初恋の人は、最初は、このおばあちゃんなのかも、と思っていました。でも、こっちの方が素敵ですね。 巻末には、あさのさんご本人による解説文。それぞれの作品の舞台裏がのぞけるのも楽しいです。
Posted by
【謹賀新年】 「麻衣子さん」「はあい」 短い小説なのに、こんなにも登場人物が魅力的且つリアルに感じられて、涙まで出ちゃう話があることに衝撃を受けました。 私は麻衣子さんがすごく好き。 少女のようでいて、強くて優しい。 相手を攻撃したりはしないんだけど、強い。 キラキラと散りばめら...
【謹賀新年】 「麻衣子さん」「はあい」 短い小説なのに、こんなにも登場人物が魅力的且つリアルに感じられて、涙まで出ちゃう話があることに衝撃を受けました。 私は麻衣子さんがすごく好き。 少女のようでいて、強くて優しい。 相手を攻撃したりはしないんだけど、強い。 キラキラと散りばめられた景色の描写や、思春期ならではの感覚の描写もとても素敵なお話。
Posted by
恋愛小説、児童文学、SFと、様々なジャンルの作品が詰め込まれたまさに「玩具箱」のような短編集でした。 改めて、あさのさんの少年少女の心理描写は上手いなあと感じました。 一緒に購入した「夜のだれかの玩具箱」も楽しみです。
Posted by
人間の醜さを考えさせる作品でした。 特に「しっぽ」と「この大樹の傍らで」がそうだと思います! クラスに必ずある「いじめ」 そして、今私たちが直面しいている「環境破壊」 どちらも今の私達の問題であり、考えるべき事なのだと感じました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なるほど、夜の玩具箱よりは希望が感じられるかも。 ☆ぼくの神さま やっぱり正義感の強い人って、いなくなってしまう… ただ、人々の心には残る。 ☆がんじっこ 自分の生き方を貫くのですね。 ☆しっぽ スギくん、いい子だ。 ☆この大樹の傍らで これ好き。巻末の解説までしっかり読んで よかった! 結末を勘違いしたまま切なくなってたので。 生きててくれてありがとう!
Posted by
「本当に大切なこと」を教えてくれるお話がたくさん。 「謹賀新年」 父の突然の死により、若い継母と2人で年越しする女子高生。血縁はなくても、お母さんと呼べなくても、あったかい関係と、そこに不在の父がせつない。エピソードの一つ一つがほっこりして、その分悲しい。 「ぼくの神様」 水...
「本当に大切なこと」を教えてくれるお話がたくさん。 「謹賀新年」 父の突然の死により、若い継母と2人で年越しする女子高生。血縁はなくても、お母さんと呼べなくても、あったかい関係と、そこに不在の父がせつない。エピソードの一つ一つがほっこりして、その分悲しい。 「ぼくの神様」 水俣病だったりイタイイタイ病だったり。人災とも言える病気は存在する。最近では印刷会社の社員が続々と胆管がんに罹患し、問題になっている。 経済発展が落ち着いた日本ですらこうなのだ。神さまは自分の内にいる。トートが遺した言葉を抱いて踏み出したフユン。先が気になる。 「がんじっこ」 がんじっこで嫌われ者のシゲばあさん。彼女の説得を任されたのは、自己主張が下手で本音を言えない金池さん。ところがシゲばあさんががんじっこ(頑固者)になったのには理由があった…一つの後悔から、もう気持ちを偽らないと決めた女性の想いに胸を打たれる。 「孫の恋愛」 狐は人に化けて、人間社会に入り込んでいる。人間に滅ぼされないように…それなのに孫は人間に本気で惚れてしまった。心配した祖母狐はその相手に会いに行くのだが… 「しっぽ」 ある朝目覚めたらしっぽが生えていた。グレゴール・ザムザのように毒虫なるよりは何倍もましだが、晴日くんは当然戸惑う。でもこのしっぽ、ちくりと刺せば相手が従順な家来になるヌドゥの魔法のしっぽだった…。相手を思うままに支配出来る力を手に入れることの、そしてその力の虜になってしまうことの怖さ…。 「この大樹の傍らで」 近未来、汚染された地球から脱出し、ドームで育った子供たち。色素はだんだん薄くなり、命も短命になっていく…そんな世代の彼らが夢見たのは、祖父から聞いた地球のモリの美しさだった…
Posted by
- 1
- 2