宇宙太陽発電 の商品レビュー

篠原真毅【監修】,電子情報通信学会【編】

2013/05/14

SPS(Solar Power Satelite)
SPSのキーテクノロジーは無線電力送電技術。SPSが配置される36,000Kmの静止衛星軌道とは衛星の軌道周期が遠心力と重力の関係でほぼ24時間となるため、地上から見ると衛星が静止しているように見えるため、そう呼ばれている。

2012/11/12

　メガソーラの弱点である天候や日照の問題を解決する太陽光発電である宇宙太陽発電についてわかりやすくコンパクトにまとめられている。宇宙太陽発電の分野において日本がトップを走っているだけでなく、実証実験の一歩手前まで来ていることに驚いた。メガソーラと比較すれば優位な点が多いが、もちろん宇宙太陽発電にも課題がある。例えばロケット打ち上げ、宇宙での組み立て、宇宙デブリなどの人工衛星だからこそ持ち得る課題。また衛星から地上設備へのマイクロ波無線伝送では大気ガスや降雨によるマイクロ波の減衰、既存の通信電波への影響など無線伝送上の課題などが指摘されている。こういった課題についてどういった対策を取ることができるのかも取り上げている。興味深かったのは地上受電システムについての項目。他の項目と違い、設備が故障した場合の影響についてまとめられていた。生体への影響については研究が余り進んでいないこともあり現状での調査結果がまとめらているだけであったが、こういった課題も無視することなく取り上げている点に好感が持てた。