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夜毎に石の橋の下で の商品レビュー

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2012/09/20

15編の章(短編集?)からなる本書。 15歳の私が家庭教師の医学生ヤーコブ・マイスル(モルデカイ・マイスルの子孫)からこの14の話を聞いたという体裁をとっている。(15編目はエピローグ。これがまた上手いなと思わせる。) この15の短編を読むと皇帝ルドルフ2世とユダヤ人の豪商モルデ...

15編の章(短編集?)からなる本書。 15歳の私が家庭教師の医学生ヤーコブ・マイスル(モルデカイ・マイスルの子孫)からこの14の話を聞いたという体裁をとっている。(15編目はエピローグ。これがまた上手いなと思わせる。) この15の短編を読むと皇帝ルドルフ2世とユダヤ人の豪商モルデカイ・マイスルと高徳のラビの物語が16世紀から17世紀のプラハの街の様子とともに浮かび上がってくる。市井の人々の様子もいいし、なにしろ高徳のラビが出てくる章は怪しく妖艶で息をのむ。 神聖ローマ帝国とボヘミアの関係。スラブ系貴族が起こした白山の戦いやユダヤ人の歴史。馴染みのない舞台で戸惑うけれど、読み進めていくうちにのめり込んでしまった。最後の垂野創一郎氏の「そのうえなぜ愛などに---解説に代えて」を読むことでどうにか把握できた。

Posted byブクログ