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ブラックアウト(下) の商品レビュー

3.8

39件のお客様レビュー

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2012/10/08

書評などで、「ヨーロッパでの広域停電を扱った海外小説がある」と知ったので、書店で探し、文庫版で出版されていたこの上下巻を、読んでみることにしました。 ヨーロッパにおいて、国境をまたがる広範囲での停電が、発生します。 トイレや暖房が使えず、混乱する人々。 そして事態が長期化するに伴...

書評などで、「ヨーロッパでの広域停電を扱った海外小説がある」と知ったので、書店で探し、文庫版で出版されていたこの上下巻を、読んでみることにしました。 ヨーロッパにおいて、国境をまたがる広範囲での停電が、発生します。 トイレや暖房が使えず、混乱する人々。 そして事態が長期化するに伴い、治安やさらに深刻な問題が、ヨーロッパの人々に襲い掛かります。 混乱する状況の中で、この停電の背後にある「何か」を感じ取ったプログラマー、政府関係者、ジャーナリストたちが、その原因の探求と事態打開に奔走する・・・というストーリー。 数多くの登場人物、日本人の僕には馴染みのないヨーロッパの地名、頻繁な場面の切り替え。 最初はストーリーを追っていくのに苦労しましたが、読み進めていくと基幹となるストーリーがだんだんと分かるようになっています。 途中からは、「次はどうなるのかな」と想像しながら読んでいる自分がいました。 著者が作品を通じて特に、伝えたかったことは、ヨーロッパの電力網の危険性と、現実化した場合に想定される事態の予測と備えの重要性、といったところではないかと思います。 停電から時間が経つにつれて深刻化するパニックの描写に、「もし日本全域で起こったら」と、想像しながら読んでしまいました。 僕はあまり、ヨーロッパを題材にした小説というものを読んだことがなかったので、国境をまたがって人が行き来する部分や、アメリカ、ロシア、中国といった周辺大国をヨーロッパ人がどのように見ているかといったあたりを、興味深く読みました。 「いつもと違う分野の小説を読んで見たいな」と思っている僕のような?読者には、読み応えのある作品だと思います。

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2012/10/07

 スマートグリッドのメリットを逆手にとった着想でヨーロッパが大混乱していく話です。これが本当だとすると電力の効率的な供給とは非常に難しいということがよくわかります。  電気が止まると搾乳機が動かないので牛が大量に死んでしまう。また、スーパーでは物流が止まる前にPOSが動かないから...

 スマートグリッドのメリットを逆手にとった着想でヨーロッパが大混乱していく話です。これが本当だとすると電力の効率的な供給とは非常に難しいということがよくわかります。  電気が止まると搾乳機が動かないので牛が大量に死んでしまう。また、スーパーでは物流が止まる前にPOSが動かないから買い物の計算ができなくなる。我々の社会がいかに電力に依存しているかを改めてよく知ることができました。  多くの登場人物と聞きなれないヨーロッパの地域が目まぐるしく入れ替わるので巻頭の地図と主な登場人物を何度も見ることになりますが、途中から主人公と主要人物がはっきりしてきます。それと同時にスケールが大きく悲惨な災害の描写はだんだんとサスペンスに変わっていきます。  地域と登場人物を早く把握すると楽に読めると思いました。

Posted byブクログ

2012/09/25

一気に読ませる力がある。 専門知識豊富な人からしたら、穴があったりツッコミの足りないところがあるのかもしれないが、コンピュータや電力問題、原子力発電所問題をちょっとかじった程度の私には、読み応え充分。

Posted byブクログ

2012/09/16

上では登場人物が多く何が何だかわからなかったが、私の脳内で下巻にきてやっと人物が整理された。最近の展開の早い小説に慣れてしまったのでテンポが遅いなあと思った。

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2012/09/08

テロリストによる全欧停電の小説。展開は面白いけど、長くて間延びして疲れた。停電の被災例をばっさり抜かして映画化すれば面白いとおもう。

Posted byブクログ

2012/09/01

福島の地震の影響を強く受けているのが明確で、言い方を変えればうまいことネタにされたことになる。なので日本人としてはどうかと思うところもあるが、地震から間もないからか小説としては大した事がない。 プロットは非常によく練られていて、練られすぎていて、細切れになり過ぎて読みにくいったら...

福島の地震の影響を強く受けているのが明確で、言い方を変えればうまいことネタにされたことになる。なので日本人としてはどうかと思うところもあるが、地震から間もないからか小説としては大した事がない。 プロットは非常によく練られていて、練られすぎていて、細切れになり過ぎて読みにくいったらない。全然盛り上がらない。 このコマ割りは映画化を意識しているのかな?

Posted byブクログ

2012/08/29

傑作。分量は多いが一気に読める。登場人物が多いのと、ヨーロッパの地名が頻繁に出てくるのが少し読みにくいか。

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2012/08/28

世界を巻き込んだテロを、解決に向けて圧倒的なスピード感で描ききっている。 非常に、面白かった。 同時に日本が体験した3.11を忘れてはならないことも実感。 しかし、物語としてインターネットやそれを利用したインフラシステムを詳細に描写することの難しさも実感した。その点で物足りなさを...

世界を巻き込んだテロを、解決に向けて圧倒的なスピード感で描ききっている。 非常に、面白かった。 同時に日本が体験した3.11を忘れてはならないことも実感。 しかし、物語としてインターネットやそれを利用したインフラシステムを詳細に描写することの難しさも実感した。その点で物足りなさを感じたのも事実。

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2012/08/28

事件解決の糸口が見え始めてから、事件の解決まで。 ヨーロッパの小説ですねぇ。 これが、アメリカの作家だったら、もっと物語は発展しがて、 軍事的解決の色彩が強くなるのではないかと思うんですが、 この作品は、平和的に解決を図ろうとする色彩が強いです。 3.11にヒントを得ているの...

事件解決の糸口が見え始めてから、事件の解決まで。 ヨーロッパの小説ですねぇ。 これが、アメリカの作家だったら、もっと物語は発展しがて、 軍事的解決の色彩が強くなるのではないかと思うんですが、 この作品は、平和的に解決を図ろうとする色彩が強いです。 3.11にヒントを得ているのは間違いなく、そこかしこに “フクシマ”の言葉が出てきますし、原発事故の進行状況も、 フクシマの事故をなぞるようなプロットになっています。 そして、電気が無くなった時の市民生活も、計画停電という 無計画な停電にさらされた日本の状況が、さらに酷くなった 状況です。 日本の場合は、国内全域で電気がなくなったわけではないので、 何とか持ちこたえましたが、国内全体・周辺国全体で 電気がなくなると、やっぱりこの小説のような状況に、 陥るんでしょうね。 ヨーロッパの小説らしく、比較的抑えたトーンですが、 中身は、非常に怖い物語だと思います。

Posted byブクログ