探検家、36歳の憂鬱 の商品レビュー
正月休みに読んだ1冊。(今さら記録、笑) やっぱり、角幡さんの文章、おもしろいなぁ。 ### 以下、印象に残ったところメモ(P70-1から引用) 本当のノンフィクションの物語とは、現場での体験や取材の見通しを上回ったときに初めて立ち上がってくるものである。 逆説的な言い方に...
正月休みに読んだ1冊。(今さら記録、笑) やっぱり、角幡さんの文章、おもしろいなぁ。 ### 以下、印象に残ったところメモ(P70-1から引用) 本当のノンフィクションの物語とは、現場での体験や取材の見通しを上回ったときに初めて立ち上がってくるものである。 逆説的な言い方になるが、筋書きないドラマとは、まず筋書きがあって、かつそれを越えたところにしか存在しないのだ。これは当然関係者に話を聞いて書く取材系のノンフィクションでも同じことだ。実際に取材を始めると、取材先は常にこちらの想定を上回る証言や予想もしなかった話を披露してくれ、こちら側の事前の想定や筋書きを越えていく。そのため取材を積み重ねれば積み重ねるほど物語は生き生きと立ち上がり、作品の厚みは増すのである。
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この人の本、全部読んでいるがやっぱり面白い。やってる事も十分おもしろいが、それを表現する筆の力が素晴らしいと思う。さすが元新聞記者。次の冒険の記録をちゃんと生きて帰ってきて早く読ませてほしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやーおもしろかった。 角幡さんの文章って淡々としてるんだけど、なんかユーモラスで楽しい。 わはは~っと笑いながら読める。 でも結構深いとこついてたりもして。 震災のブータン的日本人、がちょっと笑えた。 キラキラした感じ、かあ。 いわゆる災害ユートピアってやつだっけ?? なるほど、っと。 それに乗り切れなかった自分に引け目を感じる、とゆーようなことを書いておられたけど、ちょっとそこは共感。 心を痛めはしたけれど、なにかできることがあるならしたい、とは思うのだけれどどこか他人事であるような意識があるのは否定しがたく、 でも角幡さんはそれでも自分の身体でなにかを感じようと、出かけていったとこがすごい。 角幡さんにとっての唯一の震災体験。 でも、それを実感としてもってるってことは大事なんじゃないか。 山登りとしては富士山はそう魅力的な山ではない、とゆー意見に へーそうなんだーっと思った。 まあ、あれだよね、富士山って、登山が理由なんじゃなくて、 その存在ってゆーか、富士山ってゆー物語をみんな味わいたくて 登ってるんだろーなー。 私は見るだけで十分だけど。 だって綺麗じゃん。 冒険、とゆーものに対する、定義づけ、とゆーか考察、が興味深かった。 でも、どうあっても言葉にしきれないもの、ってのはあるんだろーなーっと思う。 冒険って、言葉だけできくと、なんかわくわくするような、 まるでハリウッド映画の世界、みたいなイメージだけど、 イメージと実際の間にはかなり深い溝があるよな。 しっかし、神田さんの話は衝撃だった。 2008年って結構最近じゃん。うーん、そんな人がいたなんて 知らなかったなー。 死、とゆーものを現実的に手触りとして知ってるってゆーのはやはり なんか、違う、もんなのだろーか。 冒険って、なんか修行みたいだな。 おぼうさんは悟るために、命をぎりぎりのところにさらすんだろうけど、 では冒険家は? 悟るため、じゃないよなー。 ただ、知りたい、のかな? あ、そーいや、著者写真で、初めてまともな角幡さんの顔みた。 なぜか雪男っぽい人をイメージしてたので、 ふつーにかっこよい人だったのでびっくりした。 コンパの戦績が~っと嘆いていらしたが、いやいや、実はモテてるんじゃないだろーか。
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ふと、図書館で目にして手にとった本だが、純粋に楽しめたエッセイ集。書き下ろしの第一章「スパイでもなく革命家でもなく…」の文体は、元祖冒険系作家?シーナさんを意識されたのか?
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非探検家も36歳の憂鬱ですわ。全く同年代かつ同性なのでよくわかる(気がする)。自分の感覚の普遍な部分って他人の視点や視線を借りないとわかりにくいのかも。そもそも、普遍とかけ離れた所で納得したりするのもあり得ないとは言えないわけですが。
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探検家36歳、独身、合コンに行ってもその肩書だと「なんで?」と言われて全くモテない、という赤裸々な話から始まってシビアな話が満載。探検家で金持ちの人っていないそうです。★3つ
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ノンフィクション作品はあんなに面白いのに ”自分は今、世の中の誰からも必要とされていない” 恐ろしい言葉だ。 冒険の社会的価値(北西航路発見、エベレスト初登頂、南極点到達など)はなくなり個人の行為となった 冒険を続ける個人的事情を”今日でも社会性のある物語”として説明する必...
ノンフィクション作品はあんなに面白いのに ”自分は今、世の中の誰からも必要とされていない” 恐ろしい言葉だ。 冒険の社会的価値(北西航路発見、エベレスト初登頂、南極点到達など)はなくなり個人の行為となった 冒険を続ける個人的事情を”今日でも社会性のある物語”として説明する必要がある ノンフィクション=予想を裏切る体験や想定を覆す出来事が作品に厚みを増す 冒険=現場で起こるあらゆるリスクを想定して計画を作る、予想を裏切る体験は起こりにくい、起こった時は”死” 身体は生感覚を生み出す器官、現代は生感覚を刺激する自然から・自然の横暴さから切り離されている 本当の生は死を意識することによってのみもたらされる、本当の生は自然の中にしか存在しない、自然は生と死に満ちている、制御できない自然の横暴な振る舞いに命や生活を左右された
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角幡さん初のエッセイ集! もうこの人の本は鉄板になってしまい、どれを読んでもおもしろいと思っている。 特に自分と同年代の冒険家がどんな生活をしているのか興味があったので、そこが知れて良かった。 冒険とは何なのか?この疑問は永遠に謎だけど、この本に書いてある事に共感できる。
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ごく一般的なものだが、山登りをするので著者が思う所に共感した。かなり極限までの体験をしてしまった著者と、趣味は山登りですな平凡な自分と、もしかすると求める事に何も違いはないのかもしれない、とすら思った。軽さと重さが同居する文体、多分著者もまたそうなのだろう。自分には示唆に富む本だ...
ごく一般的なものだが、山登りをするので著者が思う所に共感した。かなり極限までの体験をしてしまった著者と、趣味は山登りですな平凡な自分と、もしかすると求める事に何も違いはないのかもしれない、とすら思った。軽さと重さが同居する文体、多分著者もまたそうなのだろう。自分には示唆に富む本だった。
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冒険家、探検家のことは、市井の人には理解できないことはない!と思いました。山ガールや皇居ランナーが増えているように、みんなパソコンとデスクワークにかけている多くの時間だけの生活は良くないのではないかと思っているに違いなく…これからの季節には、動くと血の巡りが良くなって、体が暖かく...
冒険家、探検家のことは、市井の人には理解できないことはない!と思いました。山ガールや皇居ランナーが増えているように、みんなパソコンとデスクワークにかけている多くの時間だけの生活は良くないのではないかと思っているに違いなく…これからの季節には、動くと血の巡りが良くなって、体が暖かくなって、お腹がすいて、食事が美味しくて、良く眠れるということを知っていて、少しの時間にやってみようと思っていることと同じだなと思えたからです。それからマルタイ棒ラーメンに酢を少し、試してみたいと思います。
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