フェリックスとゼルダ の商品レビュー
ナチス統制下のポーランドで、迫害から逃れるため両親に孤児として孤児院に預けられていたフェリックスは、孤児院を脱走し両親を捜す。町をさまようフェリックスは、ゲットーの地下室で子どもたちをかくまっている歯医者のバーニーと出会う。バーニーの片腕として地下室の孤児たちと暮すが、そこもとう...
ナチス統制下のポーランドで、迫害から逃れるため両親に孤児として孤児院に預けられていたフェリックスは、孤児院を脱走し両親を捜す。町をさまようフェリックスは、ゲットーの地下室で子どもたちをかくまっている歯医者のバーニーと出会う。バーニーの片腕として地下室の孤児たちと暮すが、そこもとうとうドイツ兵に見つかってします。収容所へと移送される列車の中から、地下室の仲間の少女・ゼルダと生死を賭けた脱出をする。 ひたすら両親の生存を信じ、自分の生き方を切り開いていくフェリックス。ちょっとわがままだけれど、素直なゼルダ、孤児たちを暖かく見守るバーニー。つらく厳しい状況の中でも、子どもたちは生を信じて生きていく。 厳しさゆえの感動を与えてくれる。 どうか、生き延びていてほしい。
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ナチス占領下のポーランド、ユダヤ人の両親により孤児院に預けられたフェリックスは、両親を探すために孤児院を出る。両親はまだ生きているとフェリックスは信じているが、孤児院を出て両親を探す内に、徐々に現実に直面していく… 基本的な歴史的背景がわかっていないと理解できない物語だけれど、...
ナチス占領下のポーランド、ユダヤ人の両親により孤児院に預けられたフェリックスは、両親を探すために孤児院を出る。両親はまだ生きているとフェリックスは信じているが、孤児院を出て両親を探す内に、徐々に現実に直面していく… 基本的な歴史的背景がわかっていないと理解できない物語だけれど、ナチス占領下のポーランドの緊迫感、そして当日迫害・虐殺されたユダヤ人たちの恐怖や絶望感が伝わってくる。そんな状況でも、両親が生きていると信じるフェリックスのひたむきさが歯痒く悲しい。後書きによるとこのあと4巻まで出るのだとか…どう続くんだろう。
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著者名を見て、表紙を見て、わー今回はやっときれいな表紙だーと思って手にとったら、とんでもない重量級。 舞台は1942年のポーランド、主人公はユダヤ人の少年。本屋の息子。 読み終わってからみると、こんなきれいな表紙でいいのかなとちょっと思う。(これがどこへ向かう線路なのかわかっては...
著者名を見て、表紙を見て、わー今回はやっときれいな表紙だーと思って手にとったら、とんでもない重量級。 舞台は1942年のポーランド、主人公はユダヤ人の少年。本屋の息子。 読み終わってからみると、こんなきれいな表紙でいいのかなとちょっと思う。(これがどこへ向かう線路なのかわかってはいても) でもフェリックスとゼルダが見たいのはきれいな世界なのかもしれない。 状況をわかっていない子供が的外れに頑張るという型はいつも通りのグライツマンだけど、フェリックスが置かれる状況はロウィーナやコリンとは比べ物にならないほど危機的だ。 最初のうちのフェリックスが不自然なほど鈍いのは否認しなきゃ生きていけないから。 世の中を好きなように見る空想は精神を守ってくれるけれど、空想に基づいた行動は危険を招く。 だから読み手としてはものすごく怖い。やめて、そっちいっちゃダメ!と叫びたくなる。 フェリックスはお話を作る。 空想で気を紛らわし、自分のおかれた状況となんとか折り合いをつけるストーリーをつくりだすのは孤児の生きるすべ、らしい。 そういやジュディもアンもレニもエファもハイジも夢の中で生きてた。 夢に逃げたり、夢の中に希望を逃がしたり、お話として語ることでようやく経験を口に出せるってこともある。 そして、希望のない真実を語らなきゃいけないときもある。 大人であるバーニーは真実の中で生きている。 両親を殺された小さな少女、ゼルダと出会ってから、フェリックスは他人のためにほらを吹くようになる。 現実を理解してなおつく嘘は、優しくて強い。 フェリックスが成長するのは安心だけど悲しい。 この本だけで一応完結しているけれど、まだ1942。 この先どうなるんだよう!と思ったら、原作はシリーズ化していて既刊3冊、もうすぐ4冊目がでるらしい。 ぜひとも続きを読みたい。 リッチマル・クロンプトンのウィリアムシリーズって実在なのかな? (追記1:続編http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4751522264の後書きによると実在らしい。) (追記2:読んだ。「うわさのウィリアム 先生に夢中」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4591025810) ゼルダに対するフェリックスは、ちょっと「ライフ・イズ・ビューティフル」っぽい。 状況を教えてもらえない子の話としては、2冊ほど思い出した。 同じ作者の「はいけい、女王様」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4198608296 パリのホロコーストの「サラの鍵」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4105900838
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読んで良かった。フェリックスだけの時も楽しく読めるのだけど、ゼルダが 加わってからは、泣けて、顰めて、そして笑える。結末として、悲しい現実は 変わらないのだけど、最期まで、この人といたい、という気持ちと、この人を 守らないといけない、という責任感が見得て、ふしぎな気持ちに...
読んで良かった。フェリックスだけの時も楽しく読めるのだけど、ゼルダが 加わってからは、泣けて、顰めて、そして笑える。結末として、悲しい現実は 変わらないのだけど、最期まで、この人といたい、という気持ちと、この人を 守らないといけない、という責任感が見得て、ふしぎな気持ちになった。
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ナチスとユダヤ人のテーマは、もう語り尽くされた感じがある。当人にとっては語り尽くせないことだと思うのだが、どこかで読んだようなお話にしかならない。
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