なぜ、「怒る」のをやめられないのか の商品レビュー
片田珠美『なぜ、「怒る」のをやめられないのか 「怒り恐怖症」と受動的攻撃』(光文社、2012)を読む。 精神科医が怒りの構造とあるべき対処を語ったもの。 副題にある「怒り恐怖症」は感情を押さえ込んでしまうことで、自己のこころを蝕む抑圧であるとしています。 が、それよりも。...
片田珠美『なぜ、「怒る」のをやめられないのか 「怒り恐怖症」と受動的攻撃』(光文社、2012)を読む。 精神科医が怒りの構造とあるべき対処を語ったもの。 副題にある「怒り恐怖症」は感情を押さえ込んでしまうことで、自己のこころを蝕む抑圧であるとしています。 が、それよりも。後段で豊富な事例が語られますが、「受動的攻撃」は実に迷惑なもので、過剰な仕事を要求する上司、指示を「忘れる」部下など表面を取り繕った静かな怒りが周囲を困らせる様子が見えてきます。 あわれな人格形成を背景として、自分の存在価値をアピールするために周囲をふりまわさずにはいられない人々。 この種の人に会ったら、「自分が間違っているかも」という卑下は禁物で、どんどんつけ込まれてしまいます。無自覚に自己を棚上げして相手に罪悪感を抱かせる者。 となりで聞いているこちらが恥ずかしくなるほど、自己正当化、相手に責任をなすりつける「交渉」しかできぬ役職者がそこら中にころがっているのは周知のとおりです。(とはいえ、「頭が良すぎて政治にたずさわらない人間は罰として自分より頭がよくない者に支配される」というプラトンの指摘もあり我々は戦わざるを得ません) 【本文より】 ◯自分の欲求が全て常に満たされているわけではないにせよ、「欲求不満を心配してもらっている。だから、自分は愛されている」と信じて育った人間が、怒りを爆発させるだろうか?そんなことをする必要はないだろう!…そしてこれこそが、まさに怒りの核心にある問題ではないかと思うのである。 ◯耐えがたい上司 ◯不愉快な感情を他人に投げ入れる ◯受動的攻撃を繰り返す人の多くは、あらゆる状況で勝ちたいと願う。そのため他人の成功をねたみ、憤慨する。自分より恵まれているように見える人に対して、やっかみや怒りを抱くのだが、それを直接表現することができないため、受動的攻撃の形で出すしかない。 ◯もし罪悪感を抱くように仕向けられたのだとすれば、受動的攻撃のサド-マゾ的な連鎖に巻き込まれているとみなすべきだろう。
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怒りの例はいっぱいあったが、ではどうすればいいのか、対処方法がとても少ない。受動的攻撃のほうが、詳しくなったくらい…
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20140821 人間とは、ワガママで勝手な生物だと言うことを、コンコンと説明している。 色々な「怒り」を紹介してある。 こんなことで怒る人いるんだ、と感じた。 とは言いつつも、私も怒って損している人間だ。 怒りの発散方法、対処法が至極少ない。
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文章の端々にみられる攻撃的な表現が気になって、あまりいい印象が持てなかった。 著者が実際に受動的攻撃を受けた話もいくつか出てくるけれど、さすがに主観が入りすぎているように感じた。それに、当人が読めば自分が批判されているのだとわかるような内容を出版物上で晒すこと、これだって受動的...
文章の端々にみられる攻撃的な表現が気になって、あまりいい印象が持てなかった。 著者が実際に受動的攻撃を受けた話もいくつか出てくるけれど、さすがに主観が入りすぎているように感じた。それに、当人が読めば自分が批判されているのだとわかるような内容を出版物上で晒すこと、これだって受動的攻撃ではないのだろうか。
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日本においては、聖徳太子の時代から「和を以て貴し」が美徳とされ、怒りの感情を表現することは「美しくない」という風潮で、しつけのなかで親や先生が子供に怒りを表出させずに抑圧してきた結果として、「怒り恐怖症」や、怒りが爆発して「キレる」こと、そして怒りを偽装する「受動的攻撃」など、複雑な形で抑圧された怒りが表出されていることが繰り返し述べられている。この怒りを醸成するのは「依存」「支配」「競争」という人間関係における形であり、そこから抜け出すためには抑圧的な「怒らない技術」ではなく、健全に「怒る技術」を身に着けることだという処方箋を示す。 書いてあることは平易だが、これほどまでに複雑な精神病理が「怒り」を中心としたネガティブな感情と絡んでいることに驚いた。寺山修司の「怒りは排泄物のようなものなんだから、一日一怒」って慧眼だな。 あとは、キュブラー・ロスの「喪失の受容」過程にも、実は怒りが重要な位置を占めるというのも改めて実感。死だけでなく、別離、失敗、挫折などの人生のいくつかの場面でも「否認」や「怒り」でとどまってしまっている人は実はとても多いのではないか? 同調圧力や親からの道徳の押しつけに代表される「子供を取り巻く環境(しつけ)の劣悪さ」を思うと、子供の時から自分の感情と向き合い、それを言語化する経験の重要性と、親子関係に焦点を当てた「カウンセラー」の役割の重大さを改めて痛感した。 結局、当事者同士では、言語化することも憚れてしまう。「信頼できる第三者」が大きな意味を占めるのではないか、とこの本を読んでますますそう思った。
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短気な自分に飽き飽きしていた。そこで手に取った本。 怒ることを前向きにとらえるという視点もあるのだ。 怒ることで自己評価を下げ、自責の念にとらわれ、さらに怒るというスパイラルに落ちている私には、まさに目からウロコ。問題なのは表現力。筆者のいう「受動的攻撃」は女性ならみな経験が...
短気な自分に飽き飽きしていた。そこで手に取った本。 怒ることを前向きにとらえるという視点もあるのだ。 怒ることで自己評価を下げ、自責の念にとらわれ、さらに怒るというスパイラルに落ちている私には、まさに目からウロコ。問題なのは表現力。筆者のいう「受動的攻撃」は女性ならみな経験があるのではないか。私も攻撃者であり受け手でもある。 母親と自分、自分と娘の関係を見つめ直しながら読み進めた。 賛否両論あるだろうが、怒りをポジティブに受け止め、健全に表現する訓練をすることは、私には救いになりそうだ。
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2013/04/28読了 最近読んだ新書の中では一番役に立った一冊。怒りをテーマに書かれているのだが、日常的に誰もが抱えている問題について筆者の長年の分析が本当に役に立つ。受動的攻撃という言葉をこの本で知ったが、日常生活の人間関係における嫌なシーンの大半はこの言葉に関連付けられる...
2013/04/28読了 最近読んだ新書の中では一番役に立った一冊。怒りをテーマに書かれているのだが、日常的に誰もが抱えている問題について筆者の長年の分析が本当に役に立つ。受動的攻撃という言葉をこの本で知ったが、日常生活の人間関係における嫌なシーンの大半はこの言葉に関連付けられる。怒りっぽい人も、 怒られっぽい人も、標的にされやすい人も、悩んでいる人も是非一度この書籍に目を通す事をオススメする。
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精神科医師、片田珠美氏の著作。人間の自然の意思表示である怒りを周りを怖がって表現できずに怒り恐怖症となり受動的攻撃につながる。悪質ないじめに向いたり、はたまた自傷行為、自殺につながっていく。 幼児期の環境が(親子関係)影響している場合が殆どであるがまず怒りを恐れずに怒りを排出すべ...
精神科医師、片田珠美氏の著作。人間の自然の意思表示である怒りを周りを怖がって表現できずに怒り恐怖症となり受動的攻撃につながる。悪質ないじめに向いたり、はたまた自傷行為、自殺につながっていく。 幼児期の環境が(親子関係)影響している場合が殆どであるがまず怒りを恐れずに怒りを排出すべきである。①いい子ぶらない。②ユーモアの持ち合わせ。③~してくれないはダメ。④怒っている理由をキチンと伝える。⑤瞬間湯沸かし器ではなく(0か100でなく)60~70でうまく排出せよ。
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人間性を問われたり、人に嫌われたりなどを考えると「怒り」を表現することが悪いことのように感じられてしまうことがある。だから「怒り」を表現しない人が多が、多くの「怒り」は受け止めかたを変えても、表現しない限り消えることはない。 そして、この本にあるような「受動的攻撃」という形で、「怒り」を表現してしまうことが多いのではないだろうか。 「しない」「忘れる」「遅れる」「黙る」「正論を吐く」 自分を責めたり、謝ったりしながら、実は相手に「あなたのせいよ」と思わせたい気持ちが隠れている。「怒り」を表現していないから「攻撃」ではないと思われるが、受け取った側には強烈な「攻撃」となり、そして相互に受動的な攻撃が繰り返されていく。 この本を読んだ後、ふと自分の決断を考えると、実は相手に「こう思わせたい」など、伝えたい思いが別にあることに気づかされることが多かった。 それに気づいたら、立ち止まり、ストレートに表現することをこころがけたい。そして考えた結果、同じ決断になっても、その意志は能動的なものでありたい。
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「NEXT READING」 (怒りは悪い感情なのか)・・・怒りは喜怒哀楽の感情の一つ、感情に良し悪しはない。怒りとは「今何かうまくいってないことがある」というサイン、生きるうえで非情に重要な感情。怒りを出すことに伴うリスクを避けようとするあまり、怒りを押し殺してしまう「怒り恐怖...
「NEXT READING」 (怒りは悪い感情なのか)・・・怒りは喜怒哀楽の感情の一つ、感情に良し悪しはない。怒りとは「今何かうまくいってないことがある」というサイン、生きるうえで非情に重要な感情。怒りを出すことに伴うリスクを避けようとするあまり、怒りを押し殺してしまう「怒り恐怖症」こそが諸悪の根源です。 (怒りの抑え方は)・・・怒りをうまく相手に伝える術、”怒る技術”、①「あなたが何に腹を立てているのか言うべき」、相手にどうしてほしいのか、「はっきり」、「きちんと」、「礼儀正しく」言うべき、②相手の立場を考慮する(相手の話を聴く)、③「伝わらないこともある」・・・そんなときはあきらめる。 (怒りとあきらめのつながりは)・・・「自分が正しい」と思い込んでいる人を前にしたら、「仕方ない、相手にした人が悪かった」とあきらめること、明らかに見るしかない、それでも”伝えた”けれどだめだったとあきらめがつく。
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