黄金の少年、エメラルドの少女 の商品レビュー
冒頭の「優しさ」は女性が兵隊に入隊するという話がなんとも 痛ましくて読んでいて辛かった。しかも結構分量があって。 そのあとの短編はすべて読みやすかった。が、次を読むと、 もうその前のを忘れてしまう次第。印象がうすい。 ラストの本のタイトルとなった分がいちばん好み。 とてもシンプル...
冒頭の「優しさ」は女性が兵隊に入隊するという話がなんとも 痛ましくて読んでいて辛かった。しかも結構分量があって。 そのあとの短編はすべて読みやすかった。が、次を読むと、 もうその前のを忘れてしまう次第。印象がうすい。 ラストの本のタイトルとなった分がいちばん好み。 とてもシンプルなお話だけど。 これを最後に持ってきて、本の題名としたのはアタリだと思う。
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描かれている「不幸」が押し付けがましい感じがして、息苦しい。 1つ1つの話が濃い割には、短すぎて、少し物足りない。 もうちょっと丁寧に読ませても良かったのではないかな。 「千年の祈り」の方が印象的でおもしろかった。
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逗子図書館にあり この作家さん、すごくすごくおもしろい。 あと、訳者のあとがきもすばらしい。 シーン、シーンにお茶を淹れるシーンが入るのが、とても好き。 中国茶なんだろうな・・・ p168 など。 あと、トレヴァーに興味をもった。 読んでみたい。 『三人』 18ディケンズ ...
逗子図書館にあり この作家さん、すごくすごくおもしろい。 あと、訳者のあとがきもすばらしい。 シーン、シーンにお茶を淹れるシーンが入るのが、とても好き。 中国茶なんだろうな・・・ p168 など。 あと、トレヴァーに興味をもった。 読んでみたい。 『三人』 18ディケンズ も出てきた 249 あとがきにある様に、最後の物語の終わり方が素晴らしいと思った。 『3人とも、孤独で悲しい人間だ。しかも、互いの悲しみを癒せはしないだろう。でも孤独を包み込む世界を、丹精込めて作っていくことはできるのだ。』 251常に時代性は、愚かな者が芸術家を攻撃するのに都合のいい道具だ・・・確かにそう思う。 252 『作家になりたいとわかったのはいつかときかれたら、答えは2002年の冬。トレヴァーを発見した時だ。』 トレヴァーに影響をうけた理由について 『人は他社のことを想像できなくてはいけません・・・』 その通りだと思う。 『ただ人間にとても興味があるだけです。・・・だからこそ小説を書くのです。』 ・・・私が小説を書くことに興味をもったのも、それだと思う。 253書き方として、 『一人称で語るときは誰に向かって語っているのかわかっていなければならない。・・・』
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舞台がすべて中国の短編集。 秘密や苦悩を抱えて生きる寂しさがじわじわとにじみ出てくるような感じをうけた。 タイトルは中国語でお似合いのカップル、の意味なのだという。さわやかな青春小説のようなタイトルだが、作品はやはり物悲しかった。
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何で読もうと思ったんだかを忘れてしまった。 悪くはないけれど、特にどうと言うことも無かった。 出てくる人々の心理が理解できない。 不思議な世界観だった。 印象に残ったのは「獄」と表題作。
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小説の醍醐味。まるで一篇の映画を観ているように情景が浮かぶ。 1972年生まれ、ほぼ自分と同世代のアメリカ在住中国人作家イーユン・リーの描く、外から見ているからこそ描ける現代中国のリアルな姿。 経済発展し巨大化・都市化していく都心の生活と、パール・バックの「大地」に描かれる因習蠢き人買いも横行する農村部の実情が気負いなく描かれる。 ”私は四十一歳の一人暮らしの女だ” で始まる巻頭の「優しさ-Kindness」は中でも秀逸。 天安門事件後、学生を思想再教育するという名目で軍隊に送られる少女たちのひりつくような厳しい現実の中で漏れ匂う若さ、輝き。 ”心の中に誰かが入るのを許したとたん、人は愚かになってしまう。でも何も望まなければ何にも負けない”と主張する老教授に従う主人公の孤独。 41歳になった後、たった1年間の軍隊生活で触れる何かが、彼女のその後の人生を実は生かしている。 本当に何も望まなければ人は不幸にならないのだろうか。 主人公たちは皆、不幸なのだ。 でも本人はその不幸を不幸とも思わない。孤独とはさらさらと手の平からこぼれる一握の砂漠の砂のように、そこにあってどこへ行くべきものでもない。 誰しもが抱える孤独とは何か。生きる上で人は人と関わらずにはいられない。関係性において秘密と孤独とを内包して生きていくしかない。 人間を突き放すようでいて愛してやまないのはやはり同じ人間なのだ。 胸がきゅきゅっと締め付けられる極上の世界がここにはある。 いつも聴いているラジオ番組で絶賛されていたイーユン・リーの作品。 この本に出会えて感謝している。
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個人的には『優しさ』が一番好きです。 魏中尉は何度も何度も主人公との繋がりを、そして友情を求める。「力になろうか」「教えてよ。どうすれば幸せ。」と声をかける。しかし主人公は「私たちは友達になれない運命なんです」と突き放す。“魏中尉は他人の人生を乗っ取るには好奇心と経緯が強すぎ”と拒絶する。しかし本心では、また話す機会があればいいなと願っている。主人公が人との関係を拒絶しているのは、“愛がなければ人は幸せになれる”という考え方を持っていたからだ。孤独こそが人の幸せだと考えていたからだ。この考え方を、魏中尉は変えようとしていたのだろう。結局、二人の接点は主人公の母親の死を境になくなる。しかし、もし二人の間に友情が芽生えていたら、どうなっていたか、想像せずにはいられなかった。
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人間は1人である。家族がいても、恋人がいても。 哀しみに溢れているが、必ずしも絶望的ではない。 最後の話。 お互い相手が好きなのか、まだ判らないが、親が勧めるので多分結婚するであろう二人。 結構これ、幸せなんだろうと思う。 ちょっと昭和っぽい。昔は多かったんだ、こういうの。
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