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文明 の商品レビュー

3.2

12件のお客様レビュー

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2016/07/11

何故ヨーロッパ文明が世界を制するスタンダードになったかを考えることは誰でも興味を持つテーマであり、ぼく自身も何冊か読んでいる。 著者はイギリス人であり、明らかに白人優位が見え隠れして、上から目線になるのは仕方のないこと。 ヨーロッパ文明のキラーアプリ6つを挙げ、それをこと細か...

何故ヨーロッパ文明が世界を制するスタンダードになったかを考えることは誰でも興味を持つテーマであり、ぼく自身も何冊か読んでいる。 著者はイギリス人であり、明らかに白人優位が見え隠れして、上から目線になるのは仕方のないこと。 ヨーロッパ文明のキラーアプリ6つを挙げ、それをこと細かく説明しているのだが、あちこち道草を食ってしまい読者側としては焦点がボケてしまう。 豊富な教養が邪魔をしているというべきか。 道草も含めとても良いことを言っているのには感心せざるを得ない。 翻訳モノとしては読みやすく、翻訳家の技量のお陰だと思うが、最初の半分を2日で読み進んだけれど、残りの半分を読むのに10日もかけてしまった。 道草が多過ぎるのが原因だが、この中で言いたいことは新書の厚さで充分説明できるはず。 513ページも必要か? 競争の激しい欧米で、他の歴史家から一目置いてもらうためには、このくらいの厚さでなきゃ話にならないのだろう。 改めて、ヨーロッパ文明の底力を拝見させてもらいました。(^^ゞ

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2013/06/16

西洋が覇権をとれた六つの真因として、競争、科学、所有権、医学、消費、労働を挙げ、歴史を解説。こういう見方もあるのだなと思った。

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2017/01/31

歴史家が書く文章は冗漫で、客観性、中立性に欠け、科学的でない。 社会科学というよりは、物語りのような。イストワール。 追記2013.5.5. 先日、ロゴフ&ラインハートのデータの不備、ならび計算間違えが世界的に話題になったが、 今回は、『文明:西洋が覇権をとれた6つの真因』の...

歴史家が書く文章は冗漫で、客観性、中立性に欠け、科学的でない。 社会科学というよりは、物語りのような。イストワール。 追記2013.5.5. 先日、ロゴフ&ラインハートのデータの不備、ならび計算間違えが世界的に話題になったが、 今回は、『文明:西洋が覇権をとれた6つの真因』の著書があるハーバードの歴史学者、ニーアル・ファーガソンが、カリフォルニア州のカールスバッドで先週末開催された投資家向けカンファレンスで極めてマズい発言をした。 「ケインズはゲイだった。だから彼は経済政策が引き起こす長期的な作用について無頓着だったのだ」 というバカげた発言。 この発言はケインズの「in the long run we are all dead」という有名な言葉について、ファーガソンが解説していたときに発せられたもの。 これは、うる覚えだけど・・・「あなたの経済政策は、長期的に見れば、うまくいかないのでは?」という質問をしたジャーナリストに対して、怒ったケインズが答えた解答、だったと記憶している。 オレも、このin the long run we are all deadという発言には、ケインズ流の経済政策の本質的な思想を表すものだと思って、感心した。 それなのに、ファーガソンは、ケインズはゲイで子供が居なかったから次の世代のことには頓着しなかった、と失言したのだ。 すげー間違いだ。素人でも分かる。 ケインズはゲイではない。彼はバイセクシャルだった。 美人のバレリーナと結婚し、彼女は流産も経験している、とのこと。 この事実を指摘されて、ファーガソンは自分が間違っていたことを100%認め謝罪。 でもさー、歴史学の専門家にとって、ケインズが、バイセクシャルだったことくらい知ってて当然じゃない? オレでも知ってるぞ。 ケインズは男も好きだったけど、女も好きだった。

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2013/03/24

憎悪の世紀、マネーの進化してる史はとても評価するのですが、この本に関しては、本文中にも引用されるダイヤモンド氏の著作の真似をして、6つの西洋のキラーアプリを用意して、失敗しているという印象です 論拠も酷いし反証可能、アプリ説の応用は不可能で、率直に言えばファーガソン氏程の慧眼がど...

憎悪の世紀、マネーの進化してる史はとても評価するのですが、この本に関しては、本文中にも引用されるダイヤモンド氏の著作の真似をして、6つの西洋のキラーアプリを用意して、失敗しているという印象です 論拠も酷いし反証可能、アプリ説の応用は不可能で、率直に言えばファーガソン氏程の慧眼がどうしてこんなのを、という印象です

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2013/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

N・ファーガソン『文明 西洋が覇権をとれた6つの真因』勁草書房、読了。東洋の後塵を拝していた西洋は、なぜ、16世紀に、形成逆転に成功したのか。本書は覇権を可能にした6つの真因=キラーアプリ(The Six Killer Apps of Western Power)で説明する。 本書の指摘する6つのキラーアプリとは、競争、科学、所有権、医学、消費社会、労働倫理のこと。6つはそれぞれ東洋社会が先にリードしたものでもある。しかし、西洋社会が覇権に成功したのは、この6つのアプリを相互連関として有機的に使いこなしたことだ。 文明論といえば、地政学や軍事力・経済力といった力関係に目が向きがちだが、公衆衛生からジーンズに至るまで複眼的な視座で本書は文明を叙述する。加えて(反知性主義といってよい)西洋中心主義を退けるとともに、その脊髄反射としての反西洋主義も一蹴する。 文明をいわば複雑系として捉える著者の視点はユニーク。「私がこの本でお伝えしたかったことは、文明とはきわめて複雑で、数多くの構成要素が不規則に絡み合ったもの、エジプトのピラミッドよりもナミビアのアリ塚に近いことだ」(475頁)。 「ある意味では、アジアの世紀はすでにやってきている」(487頁)。時代のシフトは否定できない。しかし、6つの要因を抽出する筆者の筆致に見え隠れするのは、アプリを使いこなした人間がいたことだ。勢者必衰は時代の常としても、認識のアプデは必要であろう。 先に指摘したとおり、概念を自明のものと扱う視座には不安を覚える点は否めない。しかし、「近代とは何か」というダイナミックな流れを理解する上では好著。西洋法制史研究の大家山内進先生の近著『文明は暴力を超えられるか』(筑摩書房)を次に読みたい。

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2012/12/05

 細かいところでは、そんな知識もないのに反論したくなってくるけど、面白いエピソードが随所に盛り込まれていて、大筋で納得させられてしまうのが悔しいというかなんというか。  繊維産業を中心に消費社会の発展をみる第5章「消費」が良かった。

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2013/03/22

重箱のすみをつついた世界史豆知識。多少ゴシップな印象はぬぐえませんが、マニアックな教科書と思えば許容範囲。

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2012/11/26

今の職業に就いて余計に思っている節があるが、世の中は王族、政治家、軍人といった、ごく一部の英雄物語ではないんだなと。事実を伝える側には意図はないと信じているが、表に出てくるのはいつも「頭」の人間ばかりで、世の中は万物が「頭」の一存によって決定されているものだと誤解してしまいがちで...

今の職業に就いて余計に思っている節があるが、世の中は王族、政治家、軍人といった、ごく一部の英雄物語ではないんだなと。事実を伝える側には意図はないと信じているが、表に出てくるのはいつも「頭」の人間ばかりで、世の中は万物が「頭」の一存によって決定されているものだと誤解してしまいがちではないか。 短く効率的に伝えようとすればするほど、そう思われてしまいがちで、特に世界史というものはそういうものだと思う。たとえば、秀吉・家康は超偉人だと教えられているが、(確かに立派なのかもしれないが、それはさておき)彼らには自分たちよりもある側面で優れた参謀がいて、刀狩を発案したり、立派な江戸の町を築いたりしたんじゃないかと思う。そう考えだすと、世の中には王侯貴族や、現代でいう企業のトップや大統領よりも賞賛されるべき・非難されるべき人間がたくさんいて、より深い真実がそこにあるんじゃないかと探してみたくなる。そう思って、手に取ったのがこの著作であり、その意味では期待を裏切らない作品であったと思う。 なお、「西洋文明」(=欧州+米国)が衰退・滅亡するのかという本題にはあまり興味が湧かなかったので、ご了承いただきたい。

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2012/11/01

面白かった。 やや西洋中心史観の嫌いがあり、根底にある基督教への思い入れを感じる。 中国基督教が広まっているという高札については、何を言おうとしているのか判然としなかったが、全体として著者の史観には納得出来る点も多い。 しかし、「銃・病原菌・鉄」の目から鱗感覚には至らなかった。

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2012/10/14

西洋人による西洋文明の優位性に関する本は、得てして、人種的偏見を含むものと批判されがちだ。たしかに、ファーガソンは、古い文明と同様に現在の西洋文明(又は西ヨーロッパ社会)も近いうちに没落するのではないかという危機感を持っているようで、その意味では、西洋文明に特別の位置付けを与えて...

西洋人による西洋文明の優位性に関する本は、得てして、人種的偏見を含むものと批判されがちだ。たしかに、ファーガソンは、古い文明と同様に現在の西洋文明(又は西ヨーロッパ社会)も近いうちに没落するのではないかという危機感を持っているようで、その意味では、西洋文明に特別の位置付けを与えている。しかし、著者は、1500年代以降に西洋文明が他の文明を凌駕したことを客観的事実として捉え、他の地域ではなく西ヨーロッパに生じた理由を探求している。そして、著者が考える6つの理由について論じている。 このような捉え方や6つの項目を選んだこと自体は理解できるのだが、前半の「競争」や「科学」についてはともかく、それ以降の章は、項目(所有権、医学、消費、労働)と記載内容があまり噛み合っていない。例えば、第4章(医学)では、西洋における医学の進歩そのものよりも、アフリカにおける植民地支配の態様についての記述が中心となっている。 それでも、南米やアフリカの近代史(の一部)をかいつまんで示してくれたり、北米と南米の発展の相違を英国流とスペイン流の諸制度に還元してみせたりと、見どころ、読みどころは多く、ためになる本ではあった。

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