ラベルのない缶詰をめぐる冒険 の商品レビュー
児童文学と侮ることなかれ、スリリングでハラハラするミステリー?サスペンス?に近いような冒険の物語です。 小学生の頃に読みましたが、あまりの衝撃に、もうずっと前なのに内容をかなり鮮明に覚えています。 近いうちにまた読み返したいです。
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なんてったって、そう、タイトルがいい。嫌が応にもわくわくする。ラベルのない缶詰。中身は何なのか。そもそも開けるのか開けないのか。ファンタジーなのかミステリーなのか人間ドラマなのか。ぽんぽん疑問が浮かぶ。 文庫本の厚さや文字の大きさ、表紙からだけではちょっとターゲットが分かりにく...
なんてったって、そう、タイトルがいい。嫌が応にもわくわくする。ラベルのない缶詰。中身は何なのか。そもそも開けるのか開けないのか。ファンタジーなのかミステリーなのか人間ドラマなのか。ぽんぽん疑問が浮かぶ。 文庫本の厚さや文字の大きさ、表紙からだけではちょっとターゲットが分かりにくいのだけど、内容としては割とお子様向け。ただ、興味深いのは、お子様向け、なんだけれども事件の展開は割ときちんとサイコスリラー風、というところ。いくつか開けてみることになる缶詰があるのだけど、そこから出てきたモノもモノだし、そこから導き出された事件も事件だ。 ただ、全体として、無理矢理子どもからの視点を作っているきらいがあるというか、「いやーいくら子どもでもそんなことにはならないでしょう」みたいな突っ込みどころが散見されるのも事実で、「いつだってそうだ。大人は子どもの意見なんてまともに聞いちゃくれない!」みたいな描写が目立ってちょっとイライラする。内容を分かりやすくするために作者がわざとやってるのかもしれないけど。結局その「大人が信用してくれない」ってところから最後のクライマックスが展開されていくのだけど、「そこまで大人バカじゃないし!」とどうしても突っ込んでしまう。 ので。 あたたかーく寛大な心で、ゆったり楽しめる人には、短時間で読み切れて、それなりに起承転結はあって、ミステリーの要素もあって、気分転換にもなってなかなか悪くない作品。 私は、もうちょっと昔に読めてたら別だったかもしれないけど、今はあんまり入り込めなかったなー。「子ども対大人」みたいな構図や展開がいまひとつしっくりこなかった。ただ、缶詰の中身が分からないってのは、想像しただけでワクワクする。日本だったらラベルのない缶詰なんて特売でも売りに出さないと思うけど、外国ならまぁありそうね。
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面白かったのですが、思ったよりもグロかった…。 中に何が入っているかわからない缶詰をいろいろ妄想する楽しさ…というあたりは平和だったんですけどね。 缶詰から指が出てきたって…もう、ホラーの世界…。 現実の日本だったら絶対出荷停止で、商品回収騒ぎになるよなぁ…なんて思ってしまったり。 まぁ、そこは小説なのだから大目にみないといけないのかもしれませんが。 ファーガルが工場で働くあたりは、プロレタリア文学みたいだなぁ…とも思ったり。 労働者の悲哀。 シャーロットがファーガルを助けに行くのに、大人が話を全く信じてくれない描写はすごく切なくなりました。 いろいろな種類の缶詰の描写があったり、スーパーがとても広そうに描写があるあたり、外国の話なんだなぁ…と思いました。 しばらく缶詰を開けるのがドキドキしそうです(苦笑)。
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表紙の可愛さに騙されちゃいけない!!! 内容はけっこうえげつない。 ラベルのない缶詰を開ける遊びをしていたら、人の指が入っていたよ。ってはなし。 その指はどこでどうして入ったのか謎を解いてく様が面白かった。
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児童書のレーベルではないけれど、少し不思議な感じがあるのと少年少女の成長物語だから「児童書」なんだろな。ちょっとブラックな部分もあるけど、子供ってそういうのもゾクゾクして読んでしまうと思うので、小学校高学年~って感じのお話でした。
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児童書のレーベルではないけれど、少し不思議な感じがあるのと少年少女の成長物語だから「児童書」なんだろな。ちょっとブラックな部分もあるけど、子供ってそういうのもゾクゾクして読んでしまうと思うので、小学校高学年〜って感じのお話でした。
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缶詰めを開けるのが怖くなった。。 奇異な発想と予測できそうな「まさか。。」が、当たり前の様に混ざっている。 表紙とはイメージがかなり違う印象を受けた。子供の時にこれを読んでいたら、と思うとちょっと面白い。
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物語は、少年ファーガルが缶詰を集めるところから始まります。 彼はラベルの剥がれてしまった缶詰ばかりを集めています。 あるとき、彼はラベルのない缶詰で特別なものを発見します。 開けてもいないのに、特別だとわかるのはそれが軽くてカラカラと音が鳴るからです。 開けてみると金のピアスでし...
物語は、少年ファーガルが缶詰を集めるところから始まります。 彼はラベルの剥がれてしまった缶詰ばかりを集めています。 あるとき、彼はラベルのない缶詰で特別なものを発見します。 開けてもいないのに、特別だとわかるのはそれが軽くてカラカラと音が鳴るからです。 開けてみると金のピアスでした。 彼はどうしてそんな物が出てきたのかを考えます。 けれど、答えは見つかりません。 それから、彼はいくつかの特別な缶詰を発見し、その謎へと近づいていきます。 という内容の話なのですが、缶詰の中身が、 この本に出てくるものだったらショックだなと思います。 ピアスはまだしも、その後に見つかる物はさらに驚きます。 缶詰を開けるのが怖くなっちゃうかも。 物語は現実的な描写なんだけど、どこかファンタジーめいています。 ありそうでなさそう。 ファーガルの相棒で同じく缶詰を集めているシャーロットとの冒険部分は ハラハラしてしまいます。 詳しく書くとネタバレになるので書きませんが、まさしく冒険。 そういうストーリー展開だからこそ、 そのショッキングな部分も生々しくなくなるというか、緩和されてる感じがします。 けれど、その冒険の舞台になっているような現実は 実際にまだこの世界のどこかに残っているんだろうなと思うと心が痛みます。 著者のアレックス・シアラー氏は どちらかというと子ども向けで書いている人だったと思うので、 さりげなくそういうことを書いているのがいいなと思います。
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すごい話だ。 すごくて、ひどくて、怖い話だ。 ファーガル・バムフィールドの趣味はラベルのない缶詰を集めること。 ラベルのない缶詰には何が入っているか分からない。 つまり謎そのものをコレクションしているということ。 そして、そのコレクションがファーガルを危険な冒険に導いていく。 ...
すごい話だ。 すごくて、ひどくて、怖い話だ。 ファーガル・バムフィールドの趣味はラベルのない缶詰を集めること。 ラベルのない缶詰には何が入っているか分からない。 つまり謎そのものをコレクションしているということ。 そして、そのコレクションがファーガルを危険な冒険に導いていく。 シアラーさんの本を読みのはとても久しぶりだったけど、やっぱり面白い。 缶切りで開けるまで中身の分からない缶詰のようにあやしくて、先の見えない物語にどんどん引き込まれてしまう。 そして、シアラーさんの物語の中の少年少女もやはり魅力的だった。 ファーガルがシャーロットに宛てた手紙の優しさと、その手紙に対するシャーロットの行動に感動する。 そして、彼らの必死の訴えに対する大人達の行動に失望する。 なにが起こるかなんて誰にも分からない。 そのことを忘れちゃいけないんだ。
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「ラベルのない缶詰」を集める少年の冒険。 なんという甘美なる設定。 アレックス・シアラーは、『チョコレート・アンダーグラウンド』で、日本でも人気の作家。 少年の心を鷲掴みにする設定を考えつき、しっかりと面白い作品に仕上げてくれる。 片山若子氏の表紙イラストも、好み。 こ...
「ラベルのない缶詰」を集める少年の冒険。 なんという甘美なる設定。 アレックス・シアラーは、『チョコレート・アンダーグラウンド』で、日本でも人気の作家。 少年の心を鷲掴みにする設定を考えつき、しっかりと面白い作品に仕上げてくれる。 片山若子氏の表紙イラストも、好み。 この作品は大好きです。 ジュブナイルとして、こんなにも心躍る作品には、そうそうお目にかかれない。(YA(ヤングアダルト)というらしいが) 少年は、不思議と出会って。 秘密を共有する少女に出会い。 「冒険」という言葉では大人しすぎるような事件に飛び込んでいき。 おぞましいまでの恐怖と戦い。 そして―― もちろん、設定も面白いし、全体の構成も練り上げられているが、なによりも、そこに活き活きとした少年たちがいることが、この作品をよりいっそう魅力的にしている。 少年と少女は、自分の世界の中で、自分たちができうる限界の冒険を経験した。 ふと手に取った缶詰から。 あんな冒険が待っているなんて。 シアラー作品、他にもいっぱい読みたくなりました。 『透明人間のくつ下』なんて、タイトルだけで吹き出してしまいそう。 どれもこれも面白そうなんだけど、まずはこの作品、読書好きの姪っ子(小6)に送るリストに加えました。
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