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英雄の書(下) の商品レビュー

3.4

209件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    2

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2025/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

皆が何か隠していたのは、そういうことだったのか ソラ、お兄ちゃん、帰ってこないなんて でも、最期は少し明るい兆しが見えて良かった 狼として、英雄を封印できる日は、来るのかな

Posted byブクログ

2024/11/18

ユーリの「無名の地」の旅もついに佳境へ。果たして、無事兄を取り戻せるのか? 怒涛のバトルも派手な魔法もドラゴンも登場しませんが、重厚な物語に引き込まれ、ユーリの成長を見届けました。 満足の一作です。

Posted byブクログ

2024/09/08

英雄の書に取り憑かれた兄を探して無名の地へ行った友理子は額に魔法陣を授かりユーリとなった。そして無名僧ソラを従者に従え、ネズミの姿に化けた本のアジュ、狼のアッシュとともに「エルムの書」発祥の地ヘイトランドへ向かう。単なる勧善懲悪やわくわくドキドキの冒険物語ではない。 むしろ冒険...

英雄の書に取り憑かれた兄を探して無名の地へ行った友理子は額に魔法陣を授かりユーリとなった。そして無名僧ソラを従者に従え、ネズミの姿に化けた本のアジュ、狼のアッシュとともに「エルムの書」発祥の地ヘイトランドへ向かう。単なる勧善懲悪やわくわくドキドキの冒険物語ではない。 むしろ冒険譚としては物足りない。さらに異世界の背景説明が読んでいてまだるっこしく個人的には苦手なのだが、宮部みゆきが何を言いたかったのかが最後にわかる。 私たちの現実世界が輪の中心であり、輪の外には物語を紡ぐ者たちが作り出す嘘の世界が数多ある。人は生きることで物語を紡ぐ。人が歩いた後に道ができるように物語は綴られる。しかし「己の目に眩しく映るものを選び取り、その物語を先に立てて、それをなぞって生きようとする愚に陥る。【あるべき物語】を真似ようとするのだよ」とアッシュは言う。「その【あるべき物語】は様々な名前で呼ばれる。あるいは正義。あるいは勝利。あるいは征服。あるいは成功。己の行く道の先に、他の者には見えない幻の道を描いて、突き進もうとする。それが物語を生きようとする罪」「その傲慢なる本末転倒は必ず禍を呼び寄せる。だから大罪と呼ばれるのだ」 物語を生きることが最大の罪なのだ。戦の絶えない世界。正義のためにという大義を立てて起こす戦争がいかに大きな罪であるか。 またこんな話も出てくる。戦とは戦争だけではない。一対一でも戦である。だから「一人の子供が、己の意志で別の一人の子供の命を奪うことを憚らぬ世界は、千人が千人の命を奪うことを憚らぬ世界と、何ら変わりませぬ」「一にして万、万にして一」「あなたに兄上を救おうとするお心があれば、あなたが世界を救うこともかなうのでございますよ」 身近に戦争がないままに大人になり、平和を表面的に叫びながら、一方で正義のために人を傷つけ、仕返しや制裁を当然のように行う現代に対する警鐘を鳴らす。 そしてエピローグで物語としての想いは熱くなり、続編を期待させて終わる。 冒険ファンタジーとしては盛り上がりは今ひとつなのだが宮部みゆきの伝えたいことは要所要所で繰り返される。 やられたらやり返す、倍返しだ!と言っていては不幸を増殖するだけだというメッセージだが、無抵抗主義に納得できない自由と平等思想が根付いてしまってもいるわけで、簡単な解決策ではない。そこが人間の業だとも言っている。業が深いですよね。こうなると自由や平等が不幸の源泉だという理屈も成り立つわけで、世界平和が必ずしも個人の幸せに結びつくとは限らないということですものね。

Posted byブクログ

2023/09/18

「人は生きているだけならば、どれほどの偉業をなそうと、それはただの事実でしかない。思うこと、語ること、語られることを以て、初めて“英雄”は生まれる。そして、思うこと、語ること、語られることは、これすべて物語なのだ」 2022/10/10読了(再読) 災いをもたらす存在としての、...

「人は生きているだけならば、どれほどの偉業をなそうと、それはただの事実でしかない。思うこと、語ること、語られることを以て、初めて“英雄”は生まれる。そして、思うこと、語ること、語られることは、これすべて物語なのだ」 2022/10/10読了(再読) 災いをもたらす存在としての、英雄の負の側面を描いた作品。更に、今作中でキリクとの最終決着が付いていない。『悲嘆の門』が、続編になるのかもしれないが、キリクの封印が為っていない以上、まだ次にユーリが活躍する物語が出るのかもしれない。

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2023/06/06

宮部みゆきさんのファンタジーもの。 色々な描写が多すぎて、話がなかなか進まない感じ。 重くて暗いファンタジー。 私には合わなかったです。

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2023/05/01

最近、仕事が忙しく活字のみの本に集中できない。 故に漫画中心の読書になっていた。やっと英雄の書の下巻を読み終えた。作家の人生を考えるとミステリーやSFなどでスタートしても、いずれは時代小説やファンタジーを描きたいと考える人が多いと思う。特にファンタジーはある意味なんでもありの創造...

最近、仕事が忙しく活字のみの本に集中できない。 故に漫画中心の読書になっていた。やっと英雄の書の下巻を読み終えた。作家の人生を考えるとミステリーやSFなどでスタートしても、いずれは時代小説やファンタジーを描きたいと考える人が多いと思う。特にファンタジーはある意味なんでもありの創造力へのたがが外れた自由がある。今回の宮部みゆきもいくつか題材をモチーフに楽しんでいたのではないか。しかし、そこに人類の危険な未来とそれに対処する心持ちを主題にかかげていたと思う。ユーリの次なる活躍を見てみたい。

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2022/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英雄の物語を回収するという壮大な設定をどう終わらせるのか、と思って期待してたんですがその辺りは後日談になってしまいました。 この下巻で進む話の大半が、所謂ある一つの別世界だけで終わってしまうのもなんと無しにこじんまりした印象を残します。 最後に明かされる秘密が有って、それに関する伏線的描写が何度かあるんですけど、その誤魔化し方が強引で白けてしまう部分が有りました。 結局作者が作った設定を利用して実はこうだったんですって説明されても、そうだったんですねと言うしか無くなってしまってあまり納得感は無かったですね。

Posted byブクログ

2022/04/14

はーーーーーー!大冒険をした! 最初のほうはファンタジー苦手だな、と思いながら読んでいたけどそこはさすが宮部さん。 「森崎大樹」を巡る物語、その根幹がひとつひとつ明らかになっていく過程は私が好きな宮部さんの物語の描き方。 『悲嘆の門』を先に読んでしまったのでそこだけ悔やまれる。

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2022/03/29

同級生を死傷させて行方不明になった兄を探すため、物語の中の領域に旅立つユーリ。 印を戴く者(オルキャスト)となり、兄を奪った英雄と戦う道を行く。 従者には魔法でネズミに変身した赤い本のアジュと無名僧のソラ。 まだ小学生のユーリだが、過酷な冒険をなんとか乗り越えて行く。 途中、狼の...

同級生を死傷させて行方不明になった兄を探すため、物語の中の領域に旅立つユーリ。 印を戴く者(オルキャスト)となり、兄を奪った英雄と戦う道を行く。 従者には魔法でネズミに変身した赤い本のアジュと無名僧のソラ。 まだ小学生のユーリだが、過酷な冒険をなんとか乗り越えて行く。 途中、狼のアッシュも加わるが、ユーリを待ち受けていたのは、思ってもいない真実と厳しい現実だった。 2022.3.29

Posted byブクログ

2022/02/22

物語を紡ぐ大きな世界観。少しその壮大な世界を走るかのように駆け巡る展開に少し追いついていかないのもの、心を揺さぶられる物語だ。 ユーリをめぐって次はどんな話になるのだろう。続編を読みたい

Posted byブクログ