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女性のいない世界 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2020/01/09
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オリジナルの副題はChoosing Boys over Girls, And the Consequences of a World Full of Man という。なんとも実に意味深長ではありませんか。

Posted byブクログ

2018/10/19

まだざっくりしか読めてないので現時点での感想。また再読したい ・家父長制/イエ制度が強い社会 ・女性差別が強い社会 が経済的に発展し、胎児の性別がわかる技術が浸透すると、中絶される女児が増え、男女の人口バランスが崩れる という問題について。 男女の産み分けは伝染病のように世...

まだざっくりしか読めてないので現時点での感想。また再読したい ・家父長制/イエ制度が強い社会 ・女性差別が強い社会 が経済的に発展し、胎児の性別がわかる技術が浸透すると、中絶される女児が増え、男女の人口バランスが崩れる という問題について。 男女の産み分けは伝染病のように世界に広がっている、と本書はいうが、女児が中絶される理由に普遍性、将来にわたって続く可能性が見出させないような…。家父長制は解体されつつあるし女性差別も少しずつだが解消されつつある(と信じてるけれども果たして…)し…。 本書でテーマにされてるのは旧ソ連東欧(てか西アジア?)と東アジアについて。 アジア、アフリカ地域のこれからには当てはまるだろうけど、先進国ではもう女児中絶をする動機はほぼないのでは…? 韓国は一時期女児中絶のムーブメントが起こったが、今では沈静化している。理由は女性の社会進出と経済的な必要性から女性も働くようになったが、社会の出産育児のサポート制度&夫の意識が女性差別時代のままであることからくる晩婚化、少子化。女児中絶は特に2人目以降の子供に起こることが多いため、子供を1人しか持てない社会ではおこらない。 日本は自然な出生男女比(100:105)をずっと維持しているが、その理由は現代の韓国と同じ、「女性差別の緩和と経済的な必要性から女性が社会進出を果たしたが、社会の出産育児のサポート制度&夫の意識が女性差別時代のままであることからくる晩婚化、少子化」に当てはまるのだろうな。

Posted byブクログ

2017/01/20

人口学関連に興味はあれど、なかなか読めずにいたのでこれが一冊目になる。とてもおもしろかったし人口学の奥深さを堪能できた。 性比の不均衡が科学技術と経済発展により促進され世界が緩やかに変わりつつあり、その状況を我々は目の当たりにしているにも関わらずどこか他人事としてしか捉えていない...

人口学関連に興味はあれど、なかなか読めずにいたのでこれが一冊目になる。とてもおもしろかったし人口学の奥深さを堪能できた。 性比の不均衡が科学技術と経済発展により促進され世界が緩やかに変わりつつあり、その状況を我々は目の当たりにしているにも関わらずどこか他人事としてしか捉えていないために問題をさらに肥大させ、取り返しのつかない状態に追いやろうとしている。 ベトナム女性がこぞって台湾へ嫁へ行っている実態や、中流階級の産み分け、アメリカの子供選別など知らない世界の出来事がたくさんあった。 ページをめくる手が止まるような話は数あれど、中でもアメリカの暴力性が入植時の性別比率から来ているという分析は目からウロコだった。確かに冒頭で書かれている通り、無謀な旅をしたがるのは男性の特徴でもあるし、堅実な女性は西部開拓なんかに参加はしなかったのだろう。西部のイメージと男性性は強く結びついている。思えば石川好もアメリカンドリームは女性をなんとかして呼び寄せようとする男たちが作り上げたと著書で書いていたし、性問題とアメリカは切り離せない歴史があるんだろう。 「女なんて星の数ほどいる」というセリフが通用しなくなってきたな。 裕福な地域は男性を選んで産み、貧しい地域は女性を選んで産むことによる性の格差を止めないとここ数年で頑張って持ち直してきた性の平等がまた無に帰ることになる。

Posted byブクログ

2015/11/19

新聞で紹介されていた本。表題の”女性がいない”は産み分けにより女性が産まれてこないという意味。インドや中国では人口抑制政策により子供の数が規制されるため後継ぎとしての男性が優先され、そのため女性を妊娠していると分かると中絶するという現実がある。しかし、その事が女性の出生率を下げ、...

新聞で紹介されていた本。表題の”女性がいない”は産み分けにより女性が産まれてこないという意味。インドや中国では人口抑制政策により子供の数が規制されるため後継ぎとしての男性が優先され、そのため女性を妊娠していると分かると中絶するという現実がある。しかし、その事が女性の出生率を下げ、男性の結婚を難しくしているという現実も生み出している。本当の男女平等な世界にならないと、この問題は永遠に解決しないことなんだろうなあ。

Posted byブクログ

2015/08/20

性比のアンバランスが超音波検査の普及によって蔓延していることを知る。手段が与えられた時の行動が、ほとんど文化に依存しない共通性があることに戦慄する。 例示された中で米国だけが女児を選んでいるが、本質的な差はないと感じられた。 アジア東欧を中心に、男児を選ぶ文化圏が広がり、結婚難、...

性比のアンバランスが超音波検査の普及によって蔓延していることを知る。手段が与えられた時の行動が、ほとんど文化に依存しない共通性があることに戦慄する。 例示された中で米国だけが女児を選んでいるが、本質的な差はないと感じられた。 アジア東欧を中心に、男児を選ぶ文化圏が広がり、結婚難、国際国内の人身売買が起きている。その状況も酷いが、産み分けの実行者とさまざまな意味での被害者がずれているところに、罪の深さを感ずる。 この産み分けが、西欧による地球人工抑制策から始まり、その手段として始まったことに戦慄する。

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2013/10/18

男女産み分けができるようになった結果、男性が多く生まれることにより起こっていることを著した本。 調べたことを、調べたように書いているのだが長い。 もっと端的に書いてくれたら読みやすいと思う。 また、翻訳したものに割と多いのだが、訳語調で理解しずらい文章が散見され、これも読む気...

男女産み分けができるようになった結果、男性が多く生まれることにより起こっていることを著した本。 調べたことを、調べたように書いているのだが長い。 もっと端的に書いてくれたら読みやすいと思う。 また、翻訳したものに割と多いのだが、訳語調で理解しずらい文章が散見され、これも読む気を阻害する要因となっている。 ななめ読み。 この本では、中国・韓国で至近に至るまで、女性の人身売買が大規模に行われていることが著されている。 これが事実であれば、昨今の「従軍慰安婦」問題を世界に問う韓国の動きは、ちょっと解せない。(解せないことをする国なのかもしれない) 私が見聞きする情報はほぼ日本語のものに限られているため、韓国に関する情報に関していえば、ある程度日本のマスコミのフィルターがかかったものなんだと思う。 それが、右傾的な傾向のものであっても、左傾的な傾向のものであっても。 英語をもう少し勉強して、世界でどういった議論が行われているかということを知る必要があるのかな。と思った。

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2013/02/04

男女の産み分けが世界的にこんなに行われ、男女比の差が拡大しているとは思ってもみなかった。男女産み分けが、自分の家庭だけの問題ではないとは、考えずらいのかもしれない。男女比だけでなく、「子供を持つ」という事に倫理的問題が多くなってくる。

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2012/12/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

M・ヴィステンドール『女性のいない世界』講談社、読了。実地取材とデータを元に産み分けの実情(女児中絶)の現在を報告する一冊。助長するのは文化ではなく経済発展。女性が少ない地域では商品価値は上がるが地位は上がらない。男女の人口比から政治経済、生命倫理へと思索を促す驚愕のレポート。了

Posted byブクログ

2012/10/30

男女の性比をめぐる歴史。これほど密度の濃いルポはめったにありません。どこから読んでも驚愕の史実ばかり。必読。とにかく男が多くても、女が多くても世界は不健康でしかない。

Posted byブクログ

2012/10/20

前半はどうして男が増え、女が減ってきたのか、中国・インド・韓国などの事情を読み解いて行きます。 そして後半男女比バランスが崩れたゆえに何が起きたか、これからますます女性の少ない状態が続いたらどうなるかが書かれています。 女性が少なければ、女性がモテテ大事にされるのかと思っていま...

前半はどうして男が増え、女が減ってきたのか、中国・インド・韓国などの事情を読み解いて行きます。 そして後半男女比バランスが崩れたゆえに何が起きたか、これからますます女性の少ない状態が続いたらどうなるかが書かれています。 女性が少なければ、女性がモテテ大事にされるのかと思っていました。ところが・・・・。 女性の地位が低いまま、女性の価値が上がったところで、その対価は女性の周りの男性、親や兄に流れるだけでした。 貧しい国から富める国に嫁に行った娘が里帰りしても、親は娘が婿に大事にされているかどうかを気にしたりしない。気にするのは婿がどれだけの金を嫁の実家に持ってくるかだけ。 売るために育てられる貧民層の娘でなくても、誘拐や拉致の危険がつきまとうのが「女性のいない世界」。 お腹の子が女の子だからと中絶するのは女性、男の子を生めと強制する姑も女性、高いお金を出して買った息子の嫁が逃げ出さないようにと見張るのも、女性。 女子教育を行きわたらせ、女子の経済的自立を可能ならしめない限り、女が女を貶める連鎖は止まない・・・・。

Posted byブクログ