1,800円以上の注文で送料無料

りっぱな兵士になりたかった男の話 の商品レビュー

3.4

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/10/17

「なりたかった」ということはなれなかったのだろうとまず想像。 とある国の戦時下、ひとりの男が丘の上へ異動を命じられる。 男はりっぱな兵士になるための九箇条を何度も読み返し、その通りあろうとするが。 彼の元へ老人と牛のももちゃんが訪ねてくる。男の頑なな様子を見てもマイペース。そん...

「なりたかった」ということはなれなかったのだろうとまず想像。 とある国の戦時下、ひとりの男が丘の上へ異動を命じられる。 男はりっぱな兵士になるための九箇条を何度も読み返し、その通りあろうとするが。 彼の元へ老人と牛のももちゃんが訪ねてくる。男の頑なな様子を見てもマイペース。そんな中麓の町が空襲を受け崩壊する。 ※アイロニー。今まであまりであったことのない内容のおはなし。

Posted byブクログ

2012/10/13

寓話なんですよね。寓話って、基本、人物は記号でいいと思うのだけど、これだけの長さがあると、少し物足りなくなってしまう。でもって、おじいさんがあまり記号的ではなく、血の通った人物として描かれているから、兵士の杓子定規が余計に際だつというか。ちょっとイライラしてしまうくらい。もっと短...

寓話なんですよね。寓話って、基本、人物は記号でいいと思うのだけど、これだけの長さがあると、少し物足りなくなってしまう。でもって、おじいさんがあまり記号的ではなく、血の通った人物として描かれているから、兵士の杓子定規が余計に際だつというか。ちょっとイライラしてしまうくらい。もっと短い昔話的なものなら受けいれられると思うのですが。

Posted byブクログ

2012/09/30

りっぱな兵士になる9カ条を信じ、山の風車の箱の警備を命ぜられたカスパールは、上官の命令をひたすら守り、次の命令が伝えられるまで風車と箱を守り続ける。やがて、ふもとの町は敵軍に乗っ取られ、風車を訪ねてくるおじいさんとその飼い牛と風車に現れたネズミとだけが、その存在を知ることとなる。...

りっぱな兵士になる9カ条を信じ、山の風車の箱の警備を命ぜられたカスパールは、上官の命令をひたすら守り、次の命令が伝えられるまで風車と箱を守り続ける。やがて、ふもとの町は敵軍に乗っ取られ、風車を訪ねてくるおじいさんとその飼い牛と風車に現れたネズミとだけが、その存在を知ることとなる。それでも、カスパールはりっぱな兵士になるべく、持ち場を離れない。そして…。 戦争のむなしさを語っているのだが、なんとも切なく、ある意味とてもシュールな話だった。

Posted byブクログ

2012/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

りっぱな兵士になるための心得 1どんなときでも命令第一 2けっして上官に口ごたえしてはならない 3「はい!」の返事を心がけること 4軍服のボタンとブーツを、いつでもピカピカにみがいておくこと 5疑問をもってはならない 6盗み聞きをしてはならない 7祖国を愛すること 8勇気と犠牲の精神をもって、どんな困難な状況にも立ち向かうこと 9いつでも銃の手入れを欠かさないこと カスパールは上官に山の風車小屋の見張りを命令された。 軍の代表として、たった一人で風車小屋で、敵の動きを探り、誰も小屋に近寄らせてはならない。小屋から帰って来て良いという命令がくるまでそこにとどまる事。 ばかがつくほど真面目に、りっぱな兵士であるように、上官からの命令を守り続けるカスパール。 小屋近くに住む、気の良い老人や牛の事まで警戒し、かたくなに職務を全うしようとする。 そして、敵の飛行機がやってきて、下の街はやられてゆく。戦車もやってきた。自分の隊も応戦していることだろう。しかしカスパールは自分に与えられた役目を、ただ、守り続ける。 そして・・・ イタリアのアンデルセン賞受賞作家が、ユーモアをまじえて描く戦争のむなしさ・・・(帯の文より)

Posted byブクログ

2017/11/09

兵士であることに異常なほど誇りを持つカスパール兵のお話です。 「りっぱな兵士」になるための9カ条のメモを肌身離さず持ち、頭に叩き込んでそのメモ通りに行動しようと誓いました。 その9カ条とは・・ (1)どんなときでも命令第一 (2)けっして上官に口ごたえしてはならない (3)「は...

兵士であることに異常なほど誇りを持つカスパール兵のお話です。 「りっぱな兵士」になるための9カ条のメモを肌身離さず持ち、頭に叩き込んでそのメモ通りに行動しようと誓いました。 その9カ条とは・・ (1)どんなときでも命令第一 (2)けっして上官に口ごたえしてはならない (3)「はい!」の返事をこころがけること (4)軍服のボタンとブーツを、いつでもピカピカにみがいておくこと (5)疑問をもってはならない (6)盗み聞きをしてはならない (7)祖国を愛すること (8)勇気と犠牲の精神をもって、どんな困難な状況にも立ち向かうこと (9)いつでも銃の手入れを欠かさないこと (7)と(8)は一般の人でも心がけるといいと思いますが、あきれるような項目の方が多いと思います。この半分馬鹿げた9カ条を正直者で頑固一徹なカスパールは守り通します。ある日、軍の司令官の命令で密かに山の上の風車小屋を見張るように言われました。任期は次の命令が出るまで。りっぱな兵士を夢見るカスパールは喜んで山へ行って見張りにつきます。そのまま、戦争になり終戦になっても、次の命令がないので、見張りを続けているのです。 りっぱな兵士は自分の考えで行動することができません。命令があってはじめて動けるというのです。自分の意見を言える方が優秀な兵士だと思うのですが…。命令ひとつで行動をおこす団体行動は、有事の際にはとても役立つことですが、この本の意味とはちょっと違いますね。何年かして、この9カ条に書かれた項目の愚かさにカスパール自身が気がつくことになるでしょう。早く眼をさましなさいよ、カスパール。 りっぱな兵士に必要なのは「国とその国民を大切に思うこと」です。でもこれは兵士でなくてもできること。庶民、一人一人がこの気持ちでいれば、戦争など起こらないと思いました。

Posted byブクログ