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氷の秒針 の商品レビュー

3.9

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/02/09

平成22年、殺人事件の時効が廃止された。時効が無くなったといっても犯罪被害者にとってはほんの気休めなのかもしれない。犯人が自首したとしても遺族には心が安らぐことなど無いのだろうなと思う。薫の負った心の傷はなんとも辛くやるせない。前を向いて生きて欲しいとただただ願う。俊介にも一筋の...

平成22年、殺人事件の時効が廃止された。時効が無くなったといっても犯罪被害者にとってはほんの気休めなのかもしれない。犯人が自首したとしても遺族には心が安らぐことなど無いのだろうなと思う。薫の負った心の傷はなんとも辛くやるせない。前を向いて生きて欲しいとただただ願う。俊介にも一筋の光が差して、辛い内容の作品だったけど良かった。

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2020/04/26

後半からの勢いがすごい。 まさかこうくるとは。 ここまでどんでん返しをできるのも見事に。 ちょっと納得いかん部分もあるけど、 最後に希望が残されていたのも良かった。 救われた。 重くて苦しくて、 やっぱり人はなかなか楽にはなれんものや 苦しみ続けるものなんや と思ったけれど 氷解...

後半からの勢いがすごい。 まさかこうくるとは。 ここまでどんでん返しをできるのも見事に。 ちょっと納得いかん部分もあるけど、 最後に希望が残されていたのも良かった。 救われた。 重くて苦しくて、 やっぱり人はなかなか楽にはなれんものや 苦しみ続けるものなんや と思ったけれど 氷解する時はあるものだ。 印象に残ったところ。 「グラスの氷が溶けて、カランという音が座敷に響いた。人と人がわかり合える瞬間がある。心を許す……そういう一瞬だ。それは長い間かけて氷が溶けるという感じではなく、一瞬で飛躍的に変わるように思う。今の氷もそれまでに徐々に溶けていたのだろう。だが音を立てたのは一瞬だけだ。」 あの氷の立てる音からこう連想できるのが見事だなぁと。 経験的に同感できるような、できないような。

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2017/01/23

罪火がそれなりに良かったんで読んでみました。 しかしながらあまり内容がないようにも思えてしまいました。 原村家の事情については腑に落ちたけど、小岩井家と鮎沢の件についてはどうもこじつけのように思えて興醒めかな。 時計の知識は得られた。

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2015/09/08

犯罪被害者の会を巡る倒錯推理小説。殺人事件の時効廃止が法律で施行される。 二つの事件が施行前と後でそれぞれの犯人が自首をする。事件に係わった元刑事と被害者家族が入り乱れて新たな事件と疑惑を抱え込む。 それぞれのキャラクターが過去の悔恨を胸中に秘めて物語が複雑に展開していく。込み入...

犯罪被害者の会を巡る倒錯推理小説。殺人事件の時効廃止が法律で施行される。 二つの事件が施行前と後でそれぞれの犯人が自首をする。事件に係わった元刑事と被害者家族が入り乱れて新たな事件と疑惑を抱え込む。 それぞれのキャラクターが過去の悔恨を胸中に秘めて物語が複雑に展開していく。込み入り過ぎて読後感がすっきりしない!

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2014/09/07

久しぶりに読書したら久しぶりに良作だった。 この方の作品はテーマが重いイメージがある。今回も裏切らないテーマだったけど、ラストより途中経過が気になって気づいたら1.5時間で完読。 皆救われてないけど人生こんなもんだよね〜

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2014/05/05

めぐりめぐって... とてもよい話しだった 人の心の動きをすごく鮮明に描いている作品で登場人物と一緒に苦しくなったりしたけれど その分 最後よかったと笑顔になれた 愛って素晴らしい そして子どもって本当に素晴らしい 愛している人の子どもを授かるって本当に幸せなことだと思う

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2013/08/01

読んでいてかなり「時効」について取材しているなと感じました。タイトルや時計の蘊蓄の絡ませ方も良いですし、ラストもグッとくるシーンだったので好感が持てました。全体的に良質な社会派ミステリーだと思います。 しかし、真相だけ納得出来なかったです。それまでの話を無視するかのようなオチで「...

読んでいてかなり「時効」について取材しているなと感じました。タイトルや時計の蘊蓄の絡ませ方も良いですし、ラストもグッとくるシーンだったので好感が持てました。全体的に良質な社会派ミステリーだと思います。 しかし、真相だけ納得出来なかったです。それまでの話を無視するかのようなオチで「今迄のストーリーは何だったの」って突っ込みたくなりました。

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2013/05/25

時効廃止の前後の憤りを描いたミステリですが、法律と人の気持ちには隔たりがあるという難しいテーマを扱っています。 罪を赦すという気持ちを考えさせてくれます。

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2012/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時効の問題を取り扱ったミステリー。時効がなくなる前となくなった後とで立ち位置が変わる犯罪被害者のやるせなさを思います。 時効のあるなしでなく、犯人がつかまっても被害者の苦しみや孤独は癒されるものではないのでしょうね。 主人公の時計修理工の人物像に味わいを感じます。 ミステリーが好きな人には大体嫌われないで読まれそうな感じです。

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2012/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

刑事事件の時効廃止を扱う。 長野の同じ町で同時期に起こった殺人事件。2件とも容疑者は確定しているが、どちらも証拠に乏しく、自首もしていない。片方では時効が成立し、片方では1カ月差で永遠に犯人を追えることになったがー。 いずれも自首した容疑者。時効成立の鮎沢は釈放されたが、市民感情を煽ったのかリンチされ殺された。一方の百瀬は、時効がなくなり逃げきれないと思ったのだという。遺族感情はどちらにしても晴れない。 題材はとっても良いのに、中身がとても残念。 鮎沢を殺したのは元担当刑事で、昔恋人を殺された過去があった、とか、百瀬の生意気な息子を、被害者の夫俊介が預かってだんだん心が通ってきたところに、実の息子でした、とか。小さな町とはいえ、いくらなんでも強引すぎる結びつけだよなあ。

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