氷の秒針 の商品レビュー

大門剛明【著】

2012/08/16

殺人事件の時効撤廃問題を受けて書かれたミステリ。ほんの数か月の違いで分かれてしまった二つの事件の、時効の有無。しかしどちらにせよ、被害者にとって時効なんてまるで意味がないんですが。タイトルの通り、事件の時から凍り付いてしまった被害者たちの悲哀を描いた作品。
加害者もそれなりにはつらいのかもしれません。それでもやはり気になるのは、被害者の痛み。こればかりは法でも何でも解決できなくて。自分で歩き出すしかないんだろうなあ。

2012/07/25

時効廃止で揺れる被害者遺族たちの物語。
雑って訳でも無いのだけれどイマイチ伝わってこないし、最後のお涙ちょうだい的な真相も、私には余計に感じられた。
たとえ加害者が罰せられたとしても、傷が癒えることは無いのだと思った。

2012/06/28

時効になろうとなるまいと、被害者遺族の怒りと苦しみは変わらない。
更に当事者のみが知る事件の真の姿。
「社会派」とされてるだけあって、派手さはないがズシリと重い。
真相が明らかになる事で、見えていた景色が変わる。ミステリーの醍醐味も味わえる。
ラストで明かされる真実。　終わり方が良かった。
テーマと設定の絡ませ方が上手いなぁと思う。