ハチミツ の商品レビュー
+++ しっかり者の澪、おっとりした環、天然な杏は歳の離れた三姉妹。いつも美味しいものを食べながら仲良く暮らしている…はずでした。なのに次女、環の妊娠をきっかけに、それぞれの人生に転機が訪れて―。恋、仕事、からだのこと…女子は生きてるだけで悩みがいっぱい!曲がり角だらけの人生を暖...
+++ しっかり者の澪、おっとりした環、天然な杏は歳の離れた三姉妹。いつも美味しいものを食べながら仲良く暮らしている…はずでした。なのに次女、環の妊娠をきっかけに、それぞれの人生に転機が訪れて―。恋、仕事、からだのこと…女子は生きてるだけで悩みがいっぱい!曲がり角だらけの人生を暖かく包み込むガールズ長編小説。 +++ 高校生の杏が作る朝食が、まずおいしそうである。そして一緒に朝食のテーブルを囲む三姉妹が微笑ましい。ほのぼのした物語が始まるのか、と思えばさに非ず。三姉妹の母親はそれぞれ別の女性なのである。恋愛に関してはどうしようもない父親を持った三姉妹の性格もさまざまで、職場や学校での在り様と、帰ってきて姉妹と交わす会話で、彼女たちの抱える悩みや葛藤がリアルに息づいているようである。疎ましく情けなくもある父との関係も三人三様でありながら、やはり父が吉野家の要であり、良くも悪くも三姉妹に大きな影響を与えているのが判るのもとてもいい。いつまでも離れない家族でいてほしいと願わずにはいられない一冊である。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
吉野家では、三人の年頃の娘が暮らしている。 なぜか母親が不在であることと父親が家出中ということを除けば当たり前の家庭のように見えるのだが、世間一般との一番の違いは、娘たちそれぞれの母親が全部違うこと、、、 この破天荒な家庭の日常を、娘たち一人ひとりの視点から描き出していくという手法。 一見まともそうな美人の三姉妹ながら、それぞれどこか普通でないところを抱えている。それはつまるところ、モテ男にしてずぼらな自由人である、経済学者の父親の極端な性格に起因するのだろう。 母親が不在となったわけも、父親の浮気相手とその時々の妻とのいざこざ続きで、それぞれ三姉妹の母親が飛び出していったということで、出ていく女がいれば押しかけてくる女もいるということ、、、でも、いずれもが居つかず、残されたのが三人の娘たちだったというわけ。 娘たちの視点で、よそとは違う家族の在り方を描いているが、、、なんだかいまひとつという感想。
Posted by
一晩で一気読み。 3姉妹それぞれの日常なんだけど、それぞれがちょっとした何かを抱えてて、3人が食卓で繋がってるカンジ。 美味しいご飯が食べたくなる。。 先日読んだアンソロジーが初読みの作家さんだけど、文書とかキャラクターとか結構好きかもしれない。
Posted by
こういうテンポで進んでいくの、きらいじゃないです。淡々と。静かに。 姉妹って、女同士って、こういう感じ、と共感しながら。 でもね。 帯に違和感。 これってガールズ小説? 女子の指南書みたいなキャッチが付いてましたが・・・そういう捉え方? 帯と内容のちぐはぐさを感じてしまいまし...
こういうテンポで進んでいくの、きらいじゃないです。淡々と。静かに。 姉妹って、女同士って、こういう感じ、と共感しながら。 でもね。 帯に違和感。 これってガールズ小説? 女子の指南書みたいなキャッチが付いてましたが・・・そういう捉え方? 帯と内容のちぐはぐさを感じてしまいました。 人間どこかしら壊れた部分も抱えながら生きてるんですよね。 壊れてるって気付かない方が幸せなこともあるし 認めてしまえば楽になる場合もあるし。 受け入れる覚悟があるかないか、だけ。 それにしても「帯」って重要だね(笑)
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
母親が全員違う、3人姉妹の話。 キャリアウーマンの長女、勉強はできるけど社会性がない次女、冷静沈着な3女。 次女の男関係は、嫌な感じ。 でも、最後は素敵なパートナーに出会ってしまうんだなー。
Posted by
橋本文学に登場する女性はみんな心のどこかに哀しみを抱えている。でもそれは男性に癒してもらうものではないと心のどこかで知っている。3人の女性主人公(異母姉妹)はそれぞれ自らの心に潜む哀しみをみつけるが、決して絶望しない。取り乱しもしない。淡々と、目の前の生活を生きる。そんなところが...
橋本文学に登場する女性はみんな心のどこかに哀しみを抱えている。でもそれは男性に癒してもらうものではないと心のどこかで知っている。3人の女性主人公(異母姉妹)はそれぞれ自らの心に潜む哀しみをみつけるが、決して絶望しない。取り乱しもしない。淡々と、目の前の生活を生きる。そんなところが現実的でもあり、おとぎ話のようなふんわりした空気も醸し出す。大きな感動こそないが、小川がさらさらと流れるのをただ見守るような温かさが残る読後。やはり橋本文学、日常はファンタジー。そして橋本さんの小説はいつだってごはんがおいしそう。
Posted by