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電通と原発報道 の商品レビュー

3.2

24件のお客様レビュー

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2024/02/04

少し古いのだが、広告業界を覗いてみたくて。本著は博報堂OBによって書かれたもの。興味の発端は、先の東京オリンピックでの電通関係者の逮捕だが、至近の週刊誌報道なども契機とした芸能界隈での老舗権威の度重なる失墜、つまり、ジャニーズや吉本や宝塚、それでもって韓国勢が紅白歌合戦での躍進劇...

少し古いのだが、広告業界を覗いてみたくて。本著は博報堂OBによって書かれたもの。興味の発端は、先の東京オリンピックでの電通関係者の逮捕だが、至近の週刊誌報道なども契機とした芸能界隈での老舗権威の度重なる失墜、つまり、ジャニーズや吉本や宝塚、それでもって韓国勢が紅白歌合戦での躍進劇。デジタル転換の遅れや自社ビル売却など、決して安泰な事業を送っている訳ではない彼らが、今、何をしているのか。妄想を膨らませるために読んでみた。 原発利権、その危険性を報じる事を広告費のマネーパワーで一定程度抑え込んできたという本書の告発は最早古いし、だから日本企業はヤバい、という論調には必ずしも同意しない。少なくとも、福島原発の時にそのヤバさは崩れ、明るみに出たのだから、報道は機能したとも言える。 東電が地域の独占企業であるにもかかわらず、大量の宣伝広告費をメディアにばらまいていたのは、原発の反対派による告発や原発関連のニュースが表舞台になることを押さえ込むためだった、というのは、既知の事。クライアントの企業不祥事に対する危機管理セクションを電通や博報堂は持っていて、ある程度その機能が働く事は、当然あり得る事。そのためのNHKでは?という問題は別の話だが、本音はそちらにある。 という事で、本書は少し物足りないが、こうした広告会社が日夜の努力でプロダクトや企業についての印象操作を巧みに行い、今日も日本経済を動かす欲求のエネルギー源になっている事は、敬服すべき事だ。過労死が続かぬ事、手段を選ばす、社会悪を齎さぬ事を切に願う。

Posted byブクログ

2018/09/25

電通告発本ではない。広告代理店の仕事に対する基本姿勢を、もと博報堂社員である著者が紹介している。顧客のためにはなんでもやるという姿勢が、結果として原発を抱える事業者等を擁護することになっているということらしい。悪意がないから余計にしまつにおえないのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/05/29

図書館。 原発報道と銘打つほどには原発について書かれては いなかったように思ったけれど、広告代理店の ビジネススタイルがわかりやすかった。

Posted byブクログ

2014/09/15

表には出てこない、 業界の裏事情が描かれていて、 興味深かった。 こういう情報は、 マスコミには書けないだろうけど、 そしたら真実を伝えるメディアって、 ないんだろうか。

Posted byブクログ

2013/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題につられ読んだが 1章と 最後の章以外は 広告代理店の仕事の仕方に多くのページがさかれている。 そのクライアント(メーカや広告主)とメディア(テレビ 新聞など)の間を取り持つのが広告代理店であり その仕事の仕方が 日本の民主主義の根幹をくさらした一因になっていることを教えてくれるため この本を読む価値は高い。 博報堂出身の著者が 電通を名指しで批判しているというより 広告代理店と癒着するメディアという構造を批判している本である。 その癒着もビジネスにとってお互い利があるからで 国民にためになっていないことまが 明らかなのだから これは 国民が立ち上がらないといけない。

Posted byブクログ

2013/11/12

電通と原発報道 という題名だが、内容的には、日本の広告代理店とは(原発報道からみるカラクリ)とかの方がよいと思った。 内容は、元博報堂社員だった筆者が、現場レベルでの電通と博報堂の違い、広告代理店の仕事とは、そのうえで原発報道への過剰な対処が行われていたことを(予想を含めて)書...

電通と原発報道 という題名だが、内容的には、日本の広告代理店とは(原発報道からみるカラクリ)とかの方がよいと思った。 内容は、元博報堂社員だった筆者が、現場レベルでの電通と博報堂の違い、広告代理店の仕事とは、そのうえで原発報道への過剰な対処が行われていたことを(予想を含めて)書いてある。 電通と博報堂の違いも理解できたので読んでよかったと思った。日本は空気の文化であって、行き過ぎた配慮が時には、陰謀として語れることが多いが、広告代理店においても同じような面があるように感じだ。

Posted byブクログ

2013/05/13

新聞、テレビ等メディアの一面がよくわかった。また、広告代理店がなにをしているのかもよく分かった本。企業の社会貢献・還元という言葉が空しく聞こえる。まあ、どこの国でもこんなものか。

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2013/04/30

「広告を打つ」って言葉があるけど、それって何にために打つんだろう。 競合がたくさんいる会社が打つのは、分かる。イメージアップが必要だからね。 企業だけじゃなく、政党が打つのも、わかる。競合政党がいるからね。 何かのイベントをやる、その動員をするために打つのも、わかる。知名度が必...

「広告を打つ」って言葉があるけど、それって何にために打つんだろう。 競合がたくさんいる会社が打つのは、分かる。イメージアップが必要だからね。 企業だけじゃなく、政党が打つのも、わかる。競合政党がいるからね。 何かのイベントをやる、その動員をするために打つのも、わかる。知名度が必要だよね。 じゃあ、電力会社が広告を打つのは、なんでだろう。 競合相手は、いない。地域ごとに一社ずつしかないから。圧勝、一人勝ちだ。 じゃあ、動員をするための知名度アップのため?そんなことしなくても、エネルギーは生活必需品だから、みんな使うよね。 でも、答えはこの「動員をするため」だったら。 一体何のための動員? 本書は、この謎解きのために書かれた。 驚くべきことに、エネルギー会社が動員するのは、その「広告」を目にする、消費者だけじゃなかった。 誰しも、お金をくれる人には頭が上がらない。 エネルギー会社がお金を渡すのは、二つ。マスメディア。そして両者をつなぐ広告代理店。 エネルギー料金は、「公定価格」と言って、自由に料金を変えられない。(ここまでは中学生でも習う。) でも、一応企業だから、赤字にはなっちゃいけない。でもぼろもうけもしちゃいけない。 だから、政府に、「運営にこれくらいの費用がかかっています」という帳簿を提出する。これが一つの目安になって、価格が決められている。 じゃあ、問題は、その帳簿の真偽だ。それが自己申告だとしたら…。ここにカラクリがある。 本書にデータが載っているけど、電力会社は広告費がすごい。 これは彼らが勝手にやっていることだ。でもこのお金が、電気料金に上掛けされているとしたら。 本書は、上記のカラクリがマスメディアに仕掛けられているがゆえに、決してマスメディアでは紹介されない本だ。いわば「内部告発本」。

Posted byブクログ

2013/03/26

面白くて、あっという間に読みました。原発事故の隠蔽報道のウラに、広告代理店が一枚かんでいたことがよく分かる。 また、なぜメディアが代理店を畏怖するのか、代理店がメディアにどう圧力をかけるのか、がとても詳しく書かれている。内容が原発事故だけでなく、広く広告代理店の業務の現場につい...

面白くて、あっという間に読みました。原発事故の隠蔽報道のウラに、広告代理店が一枚かんでいたことがよく分かる。 また、なぜメディアが代理店を畏怖するのか、代理店がメディアにどう圧力をかけるのか、がとても詳しく書かれている。内容が原発事故だけでなく、広く広告代理店の業務の現場について、詳細に描写されていて、今後の広告業界を考える上でもとても役に立った。

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2024/07/09

めちゃめちゃ面白くて、一気に読んだ。 博報堂から見た、巨大な電通像を、現場から、冷静に映し出している。 謀略史観みたいなのじゃなくて、現実的な職場からの視線が良い。 電通と博報堂、凄まじいデッドヒートを繰り広げている。 その中で精神を病む人や、血管系の疾患で倒れたり亡くなる人もい...

めちゃめちゃ面白くて、一気に読んだ。 博報堂から見た、巨大な電通像を、現場から、冷静に映し出している。 謀略史観みたいなのじゃなくて、現実的な職場からの視線が良い。 電通と博報堂、凄まじいデッドヒートを繰り広げている。 その中で精神を病む人や、血管系の疾患で倒れたり亡くなる人もいるという現実。 以前、電通の新入社員が働きすぎて鬱病になって自殺して、家族が裁判を起こして労災に認定されてたけど、広告代理店って、クライアントによっては、ほんと命が縮むくらい忙しい。 オレの知ってる人も資生堂のCM担当になったら、24時間働いてて、昼も夜もなかった。 大手出版社から、電通を批判した本が、ほとんど出ていない現状とその理由も、そのまま描き出している。 原発の取り扱い方も、メディアによって、まるで違っていて、大企業のスポンサーと電通の権力の凄さを、はっきり現してて面白かった。

Posted byブクログ