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どうして僕はこんなところに の商品レビュー

3.9

13件のお客様レビュー

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2020/04/08

人はなぜ旅をしようと思うのか?人を旅に向かわせるものは何か?それは、どうしても自分の目で見て、体験してみなければその渇きを癒せることのない心の動きであり、一度その思いにとらわれてしまうと、それが実現するまでは常に心のどこかで、ふとした拍子に心の表面へと浮き上がってくるものなのであ...

人はなぜ旅をしようと思うのか?人を旅に向かわせるものは何か?それは、どうしても自分の目で見て、体験してみなければその渇きを癒せることのない心の動きであり、一度その思いにとらわれてしまうと、それが実現するまでは常に心のどこかで、ふとした拍子に心の表面へと浮き上がってくるものなのである。それでチャトウィンは、例えばブリテン諸島最北端のハーマネスにいるというアホウドリを見るために、アバディーン行きの夜行列車に飛び乗ったりするのである。

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2018/11/21

“非凡の目利き”チャトウィンの旅本。 美術鑑定家であり考古学者でありジャーナリストであるチャトウィンが、 なにに興味を持ちなにを求めていたのか。 インタビューあり、後半は歴史本のようにもなって、ややまとまりにかける、 だからこそ彼の旅の集大成といえるのかも。 これを中仕切に新し...

“非凡の目利き”チャトウィンの旅本。 美術鑑定家であり考古学者でありジャーナリストであるチャトウィンが、 なにに興味を持ちなにを求めていたのか。 インタビューあり、後半は歴史本のようにもなって、ややまとまりにかける、 だからこそ彼の旅の集大成といえるのかも。 これを中仕切に新しい仕事へ向かおうとしたところでの夭折、残念。

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2018/11/05

チャトウィン本人が死の直前に編集したエッセイ集。旅行記、回想、ややジャーナリスティックな仕事などを含む。 チャトウインはエキゾチックな国に深く分け入って旅する訳だが、それを日本人として読んでみたとき、題材自体のエキゾチックさと、自分の感覚とは異質なヨーロッパ人の眼差しを通してみ...

チャトウィン本人が死の直前に編集したエッセイ集。旅行記、回想、ややジャーナリスティックな仕事などを含む。 チャトウインはエキゾチックな国に深く分け入って旅する訳だが、それを日本人として読んでみたとき、題材自体のエキゾチックさと、自分の感覚とは異質なヨーロッパ人の眼差しを通してみることとの、二重のエキゾチックさを感じる。飛行機の中でボーっとなりながら読んだせいかもしれないが、夢の中にいるみたいな気がした。 すごく魅力的なんだが、読み切れていない残尿感的なものが残っている。。。

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2018/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恥ずかしながら、本作を読むまでチャトウィンという作家を知らなかった。随分有名な作家さんであるらしい。 この本は、色々なジャンルについて色々な時代に書かれた短めの文章を自選した作品集。彼の多芸多才ぶり、そして人脈の多彩さにも驚かされる。そんな文章も決して見せびらかすわけでもなく、エラぶるわけでもなく、飄々として洒脱に味わえる。 本人は「放浪の紀行作家」などと呼ばれることを嫌ったらしいが、これだけ世界中を飛び回っているスタイル自体、並みの紀行作家では足元にも及ばないだろう。どのページを繰っても旅の匂いが漂っている。 そういう作風であるだけに、家にこもって読むのは勿体ない。長い一人旅の旅に持って行くのがふさわしい。それが無理なら短期の旅行でも、日帰りの散歩でも、出張や通勤でも…とにかく、インドアよりはアウトドア、ルーチンから離れたところでひも解くのに最高の1冊である。 他の作品「パタゴニア」や「ソングライン」も機会を見つけて是非読んでみたいと思った。

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2014/01/15

"信じる神を聞かれて、「僕の神様は歩く人の神様なんです。」と答えた旅人チャトウィンの自選作品集です。有能な美術鑑定士として活躍するも旅への情熱を抑えきれず退職、考古学を学びなおした後は、『パタゴニア』『ソングライン』といた紀行文学で名を挙げ、48歳で夭折してしまう・・・...

"信じる神を聞かれて、「僕の神様は歩く人の神様なんです。」と答えた旅人チャトウィンの自選作品集です。有能な美術鑑定士として活躍するも旅への情熱を抑えきれず退職、考古学を学びなおした後は、『パタゴニア』『ソングライン』といた紀行文学で名を挙げ、48歳で夭折してしまう・・・いろんなものの間を歩き続けた歩く人の代表選手です。 恐怖の映画監督ヘルツォークを「歩くことの持つ神聖な面について、まともな会話のできる唯一の相手であった」とする一編「ヴェルナー・ヘルツォーク・イン・ガーナ」など、事実に即した架空の物語の中で、楽しく歩き回りましょう。 "

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2013/03/22

子どもの頃の僕の夢は、冒険家になることだった。 スティーブンソンの『宝島』やマーク・トゥエインの『トムソーヤの冒険』はテレビアニメも本も好きだった。 日本の作品では、斎藤惇夫の『冒険者たち』を何度も読んだ。 街のネズミのガンバが大冒険をする物語。 こんなことしたいなあ。 ...

子どもの頃の僕の夢は、冒険家になることだった。 スティーブンソンの『宝島』やマーク・トゥエインの『トムソーヤの冒険』はテレビアニメも本も好きだった。 日本の作品では、斎藤惇夫の『冒険者たち』を何度も読んだ。 街のネズミのガンバが大冒険をする物語。 こんなことしたいなあ。 いや、 海賊やイタチと闘いたかったわけじやない。 どこか遠くへ行きたかったのだ。 ブルース・チャトウィンの『どうして僕はこんなところに』は、イギリス人の紀行作家の自選作品集だ。 旅をして書いた文章だが、普通の紀行文ではない。 エッセイ、コラム、ルポルタージュ。様々な方法で様々な旅や人を書き分けている。 アフリカでのクーデター、ソビエト時代のヴォルガ川の船旅、インドでガンデイー夫人の選挙遊説など、取材というか興味の対象が広く、よって書き方も多用。 才能のある人なんだ。文章も行動も。 経歴がまた非凡。 「英国シェフィールド生まれ。モールバラ・カレッジ卒業後、サザビーズに就職。有能な美術鑑定士として8年間勤務するが、旅への情熱を抑えきれず退職。エジンバラ大学で考古学を学んだ後、3年間「サンデー・タイムズ」の記者を務める」 徒手空拳で世界を渡り歩き、美術の鑑定のプロフェッショナル。まるで『ギャラリーフェイク』のフジタのよう。いや、画家の藤田嗣治のよう? 恰好いいなあ。 残念ながら、48歳でなくなっている。 私はその彼の歳を過ぎ、生まれた所と同じ所に今も住み、旅、冒険とは縁遠い生活をしている。 「どうして僕はこんなふうに」 読み終わったあと、そう思わずにはいられない、感情を波立たせる秀作。

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2013/01/25

一回では読みきれない。何回も読んで、やっと感じられる。 無駄を排した文章は、冷たく感じもする。でも、作者が1番伝えたいことがまっすぐぶつかってきて、いいと思う。

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2012/12/16

「パタゴニア」「ソングライン」(いずれも未読)の著者の自選による作品集。ロシアと中国のことは自分の中にとっかかりがあまり無くて読むのに苦労したものの遊牧民の話やインディラ・ガンディーの話、美術界の話はおもしろかった。特に遊牧民にっいて書かれていたところは人生観が表れているようで読...

「パタゴニア」「ソングライン」(いずれも未読)の著者の自選による作品集。ロシアと中国のことは自分の中にとっかかりがあまり無くて読むのに苦労したものの遊牧民の話やインディラ・ガンディーの話、美術界の話はおもしろかった。特に遊牧民にっいて書かれていたところは人生観が表れているようで読み応えがありました。いずれ「パタゴニア」「ソングライン」ともに読んでみたい。

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2012/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

旅に生き、旅に死んだ旅行家、ブルース・チャトウィンによる遺稿集。エッセイでもその才能を遺憾なく発揮していた。 戦争の合間の、ちょっとした静かな時間。 「ソングライン」も読まなくては...

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2012/09/30

「パタゴニア」の著者・ブルース・チャトウィン の短編集。 旅行作家らしく世界中を飛び回って書いた短編。冒頭近くに収められたクーデターの町での体験。一歩間違えれば狂気に駆られたクーデタ-軍に傭兵の容疑で殺されかねなかった危機感は、最初から惹きつけられる。 雪男に会いに(?)奥さま...

「パタゴニア」の著者・ブルース・チャトウィン の短編集。 旅行作家らしく世界中を飛び回って書いた短編。冒頭近くに収められたクーデターの町での体験。一歩間違えれば狂気に駆られたクーデタ-軍に傭兵の容疑で殺されかねなかった危機感は、最初から惹きつけられる。 雪男に会いに(?)奥さまと訪れたヒマラヤも好きでした。 おしい人を亡くしたものだ。

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