古代オリエントの宗教 の商品レビュー
#54奈良県立図書情報館ビブリオバトル「次回の読書会で読みたい本」で紹介された本です。 大阪ブックフェスタ連動企画として2部制で、1部は、まちライブラリー読書会、2部がビブリオバトルでした。 2015.5.16 https://m.facebook.com/events/1562...
#54奈良県立図書情報館ビブリオバトル「次回の読書会で読みたい本」で紹介された本です。 大阪ブックフェスタ連動企画として2部制で、1部は、まちライブラリー読書会、2部がビブリオバトルでした。 2015.5.16 https://m.facebook.com/events/1562996537316299?view=permalink&id=1591034237845862
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・こうして、「聖書ストーリー」が興隆しはじめる直前に、『旧約聖書』を否定してユダヤ教徒共同体から離脱したマンダ教徒たちは、以後の歴史において、その続編をことごとく否定せざるをえなくなった。これは、結果的には大流行して周囲に浸透してきた「聖書ストーリー」系の宗教をすべて敵に回すこと...
・こうして、「聖書ストーリー」が興隆しはじめる直前に、『旧約聖書』を否定してユダヤ教徒共同体から離脱したマンダ教徒たちは、以後の歴史において、その続編をことごとく否定せざるをえなくなった。これは、結果的には大流行して周囲に浸透してきた「聖書ストーリー」系の宗教をすべて敵に回すことになってしまい、古代末期としては、はなはだ時宜を失した判断であった。 ・ゾロアスター教ズルヴァーン主義の教義によれば、人間は「地水火風の四元素」と「霊魂・知性・芳香」の三点セットの結合から成り立っている。この二つの要素のうち、地水火風の方はいつかは滅びる有限の物質から構成されている。そこで、人間はこの悪の要素を多量に含んだ肉体をあえて死滅させることで、そこに含まれるアフレマンによる世界汚染も取り除き、オフルマズド的な善の世界の浄化に役立つとされる。いわば人間は、肉体部分に悪の要素を含みつつも、死ぬことでそれを減却し、アフレマンが世界創造の際に撒き散らしてしまった害毒を除去するための浄化装置なのである。
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旧約・新約ゆたつの聖書の世界観に対する古代オリエントの人々の反応、対応について。 旧約をも否定したマンダ教、イエスに焦点を絞り自身もそれに次ぐ使徒としえ「真のキリスト教」を名乗ったマニ教、「聖書ストーリー」に対する「東方の壁」となったゾロアスター教の教義の変遷、キリスト教に飲み込...
旧約・新約ゆたつの聖書の世界観に対する古代オリエントの人々の反応、対応について。 旧約をも否定したマンダ教、イエスに焦点を絞り自身もそれに次ぐ使徒としえ「真のキリスト教」を名乗ったマニ教、「聖書ストーリー」に対する「東方の壁」となったゾロアスター教の教義の変遷、キリスト教に飲み込まれたアルメニアのミトラ信仰、預言者の補佐役(イマーム)だけが「聖書ストーリー」の秘儀を開示することができるとするイスラム教シーア派のイスマイール派の展開(十二イマーム派と分裂後の地下活動、ファーティマ朝の樹立、ギリシャの理性的哲学の導入)など。 マニアックな内容がたまらない。
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キリスト教の拡大からスンナ派イスラームの完成までを範囲とする。大学の講義を元にしているようで,読みやすい本である。その約1000年の期間における,オリエント世界における宗教は次々に変化を遂げていった。元となる「聖書ストーリー」をどう受け取っていったかにより多様性が生まれる。 主...
キリスト教の拡大からスンナ派イスラームの完成までを範囲とする。大学の講義を元にしているようで,読みやすい本である。その約1000年の期間における,オリエント世界における宗教は次々に変化を遂げていった。元となる「聖書ストーリー」をどう受け取っていったかにより多様性が生まれる。 主な宗教:マンダ教,マーニー教,ミトラ信仰,ゾロアスター教ズルヴァーン主義,イスマーイール派,二元論的ゾロアスター教,スンナ派イスラーム
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新書に相応しい平明な内容と気さくな語り口。古代メソポタミアの宗教に関する知識が新書で手に届くということがまず素晴らしいと思う。「この一冊をきっかけに奥へ読み進める」という意味で入門書としての役割を期待できる。
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キリスト教やイスラム教に代表される活発な現代宗教が、かつて隆盛を極めたゾロアスター教などのいかにとて変わったのか、シーア派(イスマイール派)とスンニ派の違いはどこで生まれたのかなど、読みごたえのある本。イエスの誕生時に尋ねたとされる当方の三博士が、ゾロアスター教の司祭だとは思って...
キリスト教やイスラム教に代表される活発な現代宗教が、かつて隆盛を極めたゾロアスター教などのいかにとて変わったのか、シーア派(イスマイール派)とスンニ派の違いはどこで生まれたのかなど、読みごたえのある本。イエスの誕生時に尋ねたとされる当方の三博士が、ゾロアスター教の司祭だとは思ってもみなかった。いわゆる啓典、「聖書ストーリー」から見たゾロアスター教など新しい発見が多かった。
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読んでいてとてもワクワクした。 マンダ教の存在を初めて知った。 地理的にも情勢的にも過酷な中、離散しつつも現存している(らしい)のが凄い。 なんだかとってもロマンである。
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※このレビューにはネタバレを含みます
古代オリエントは、多神教の世界である。 その中で、ほぼ唯一、一神教なのが、ユダヤ教。 (イクナートンの宗教改革は突然変異として除外) なぜ、ユダヤ教が一神教なのか。 説明しようとすれば、それなりに説得力があるものもひねり出せるのであろうが、相手は宗教である。 信じるか否かは、理性で説明しようとする一線を越えている。 だから、ユダヤ教がなぜ一神教なのかは、ここでは問わない。 しかし、そのユダヤ教を母体として、キリスト教、イスラームなどが次々に誕生した。 そしてそれらの枝葉は大きく成長し、今や多神教の世界を駆逐して、三大宗教のふたつにまでなっている。 なぜ、このような事態になったのか。 『古代オリエントの宗教』は、パレスティナ発「聖書ストーリー」が、メソポタミア、地中海世界、そしてイラン高原へと拡大していく様子を、聖書が誕生した頃の「神話並立時代」、聖書ストーリーが爆発的な力を得て他の神々を駆逐する「聖書ストーリー発展期」、最後にイスラームによる「聖書ストーリーの完成と安定」と、大きく段階を3つにわけて概観する。 また、そもそも「聖書ストーリー」そのものの発展についても、主に東方教会においては、「グノーシス的理解からの聖書再検討」、「土着宗教の聖書ストーリーへの取り込み」、そして「聖書ストーリーの続編の可能性」、といった問いかけが成された、という。 このような問の中で、東方教会世界では、聖書の「アナザーストーリー」「サブストーリー」が次々に生まれた、という。 グノーシス的な聖書再検討、といっても、よほどグノーシスと聖書についての知識がなければ、ピンとこない。 もちろん私もその一人である。 著者によれば、この動きは、グノーシス主義が乱立した2~3世紀と、グノーシスによく似た思想を持つシーア派が出現した8~10世紀に顕著だという。 そもそもグノーシスとは、特別な叡智を指す。 これを会得した人間にしか理解できない秘密がある、とする考えだ。 この系統で聖書を再検討したグループとして、マンダ教、マルキオーン主義、原始キリスト教教会、マーニー(マニ)教、最後にイスラームがある、という。 筆者はこれを「聖書のアナザーストーリー」とよぶ。 要は『旧約聖書』+『新約聖書』をよしとするか、何かを付け加えるか、といった、聖書の構成を再検討する上での立場の違い、と考えて良いようだ。 これに対し、聖書ストーリーが土着宗教を飲み込んでいく中で、当然、土着宗教の神々を、聖書の中でどのように正当化するのか、という宗教習合問題が生まれる。 筆者はこれを「聖書のサブストーリー」とよぶ。 ここでは、ゾロアスター教、ミトラ教などが挙げられている。 そして、本書はそれぞれの様子を、最新の研究成果を盛り込みながら概説する。 本書で取り上げられる宗教は、いわば「負け組」であり、日本人にとってほとんどなじみのないものばかりだ。 前提となる知識が不足しているため、丁寧な解説を心がけて著述されているものの、ややハードルが高い印象だ。 たとえば、ゾロアスター教といえば、善悪二元論や終末論で有名で、ユダヤ教にも大きな影響を与えたらしい、などといわれる。 一方で『アヴェスター』はアケメネス朝からはるか時代が下った7世紀に成立した、という。 善悪二元論や終末論のような、単純であるが故に高度な神学理論が、経典なしに生まれ得るのか?という疑問をもっていた。 その答えとして、本書は「ゾロアスター教はアケメネス朝期にはズルヴァーン主義なる「時間信仰」と、イスラームという「聖書ストーリー」の攻勢にさらされるなかで整備された「善悪二元論」という、同じ宗教と言うにはあまりにかけ離れた内容を持つ」と解説する。 また、マニ教というのも、今ひとつつかみ所がなかったが、本書は「マーニー・ハイイェーは「真のキリスト教」を掲げて、もっともラディカルに聖書のアナザーストーリーを展開し、地中海世界の「原始キリスト教教会」と真っ向衝突した」とあり、なるほど、異端として厳しく弾圧された理由が分かった気がした。 他にも謎の多いミトラ教の遺跡の貴重な写真などもあり、ハードルが高い異国の魔神たちについて知る、入門書的な本といえる。 謎が多いこれらの宗教について、手軽に概観することができる本は少ないので、このくらいの内容がちょうどいいかもしれない。 もっとも、冒頭の問に対する答えは、本書にはない。 本書は「聖書ストーリー」に飲み込まれる側の物語なのだから、主題から外れるのだろう。
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イスラームが出来る前に聖書物語は複数発展したと。 原典に継ぎ足す形で、どんどん指導者の作ったストーリーが生み出されて、淘汰され、イスラームに吸収されていく過程を描く。 なんでユダヤ人の民族史がここまで世界の歴史に取って代わったのか、伝播力を持ったのか。そこは筆者も疑問に思っていた...
イスラームが出来る前に聖書物語は複数発展したと。 原典に継ぎ足す形で、どんどん指導者の作ったストーリーが生み出されて、淘汰され、イスラームに吸収されていく過程を描く。 なんでユダヤ人の民族史がここまで世界の歴史に取って代わったのか、伝播力を持ったのか。そこは筆者も疑問に思っていたが答えが出せないようです。テーマもその理由の説明ではなく、その過程なので。気になる。
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よんだ!けど全然わからん(笑) 最近神話や宗教についての本を乱読してますが、やはり知識がまだまだ足りないと感じることが多いです。高校の世界史からやり直したい。 引用は気に入った所を。
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