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機械より人間らしくなれるか? の商品レビュー

3.6

29件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2020/09/20

ローブナー賞、チューリングテストの話しを一旦終わらせてから、他の話題に行ってくれたら良かったんだけど、、、あちこちに話が飛んでしまって、かつ翻訳本なので、なかなか体系的に理解できなかった。 チェスのプログラムの作り方の部分は、とてもわかりやすかったかな。

Posted byブクログ

2020/03/18

チューリングテストとは人工知能の評価方法の1つで,遠隔地にいる判定者と会話し,判定者にコンピュータであることを見破られるかどうかをテストするというもの.著者はこのチューリングテストにサクラとして参加し,コンピュータに混じって判定者と会話するという経験をした. 著者はその中で「最も...

チューリングテストとは人工知能の評価方法の1つで,遠隔地にいる判定者と会話し,判定者にコンピュータであることを見破られるかどうかをテストするというもの.著者はこのチューリングテストにサクラとして参加し,コンピュータに混じって判定者と会話するという経験をした. 著者はその中で「最も人間らしい人間賞」を受賞しようと思考を重ねるのだが,コンピュータ・サイエンスから認知科学から始まって,会話術・コミュニケーション・スキルに話が及び,さらにはシャノンの情報理論とチューリングテストとの関連性という話にいたる.

Posted byブクログ

2016/03/23

***** たとえば,コンピュータは計算が得意であるという事実によって,人間はある意味で活動する舞台を奪われるのだろうか,それとも人間的でない活動から解放され,より人間らしい生活を送れるようになるのだろうか。後者の見方のほうが魅力的に思えるが,将来「解放」されずに残る「人間的な活...

***** たとえば,コンピュータは計算が得意であるという事実によって,人間はある意味で活動する舞台を奪われるのだろうか,それとも人間的でない活動から解放され,より人間らしい生活を送れるようになるのだろうか。後者の見方のほうが魅力的に思えるが,将来「解放」されずに残る「人間的な活動」が嫌になるほど少なくなるかもしれないと思えば,それほど魅力的には感じられなくなる。もしそうなると,どうだろうか。(p.27)  機械の世界では,パスワード,暗証番号,社会保障番号の下四桁,母親の旧姓といった「内容」に基づいて本人かどうかを認証する。だが人間の世界では,顔つき,声,筆跡,署名といった「形式」に基づいて本人かどうかを認証する。(p.32)

Posted byブクログ

2015/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「機械には思考ができるか」というテーマで、主にチューリングテストのサクラ役の経験をもとに、チャット・チェス・情報量(圧縮技術)の話題を織り交ぜながら語られている。 人間らしさを獲得しようとするAI技術から、逆にどのような人間らしさが真似しにくいかを探ることで「人間らしさ」の本質を示そうとしている。 勿論、これは本当の「人間らしさ」は機械には真似できないなにかであるという前提に基づいた議論である。 AI技術が発達し人間に近づいていくことで人間の仕事や地球の支配者としてのアイデンティティが失われると危惧する人たちが多くいる中で、著者は逆に、AI技術が発達し限りなく人間に近づいてもなお真似できない「人間らしさ」が残るはずだと考え、そうしたときになってはじめて人間が純粋に「人間らしさ」だけとなると主張する。 ところで、途中で紹介されていたディベートゲームは非常に面白そうだし教育にも良さそうだ。

Posted byブクログ

2014/12/06

友人の父親である心理学の教授さんがお持ちだったものを拝借して読む。ノンフィクションのエピソードの中に興味深い知識が混ぜられていて、楽しく読んでしまう。

Posted byブクログ

2014/08/23

チューリングテストに人間代表として出場する…。 人間の本質への理解の難しさを感じるテーマだった。 これからは人間の機械化できる部分はどんどん機械に置き換わっていくのだろう。物事を純粋に手順化し、分割すると人間にしか出来ないことはあまり残らない。その部分にのみ人間らしい仕事があ...

チューリングテストに人間代表として出場する…。 人間の本質への理解の難しさを感じるテーマだった。 これからは人間の機械化できる部分はどんどん機械に置き換わっていくのだろう。物事を純粋に手順化し、分割すると人間にしか出来ないことはあまり残らない。その部分にのみ人間らしい仕事があるんじゃないかな。そういう仕事に携わっていたい。 そして最近知ったがとうとう人間はチューリングテストで敗北してしまったらしい。人間らしさすら機械に負けてしまった。これから人間が、機械がどのように進化していくのかが、怖くもあり、また楽しみだ。

Posted byブクログ

2013/08/12

本書は,科学と哲学についてのノンフィクションライターである著者が「人間らしさとは何か」をテーマとして書いた本である。著者自身によれば「本書は人生について記したものである」(29頁)。具体的には,チューリングテストにさくら役として参加することになった著者が,「もっとも人間らしい人間...

本書は,科学と哲学についてのノンフィクションライターである著者が「人間らしさとは何か」をテーマとして書いた本である。著者自身によれば「本書は人生について記したものである」(29頁)。具体的には,チューリングテストにさくら役として参加することになった著者が,「もっとも人間らしい人間」賞を獲得するために「人間らしい」とはどのようなことなのかを様々な角度から考えていくというものだ。 著者がチューリングテストにさくら役として参加することが決まったところから話は始まる。チューリングテストとは,まるで生身の人間であるかのように会話できるチャット・プログラムを競い合うというテストである。つまり,チューリングテストとはコンピュータが「人間に似ている」のか「人間に似ていない」のかを見極めようとする試みなのだと言える(61頁)。しかしながら,サクラ役としてテストに参加した著者の目的はそれとは異なる。著者の目的は,本物の人間が自分を「本物の人間である」と審査員に信じさせられる会話を展開することである。では,人間らしい会話とはどのようなものなのだろう? 本書では,非常に多くのテーマを扱いながら「人間らしさとは何か」を考えていく。魂と心,チェスの定石,合理的経済人にデータ圧縮など。これらの幅広いトピックを通じて,「人間らしさ」を形作っていると著者が主張するものは大きく二つあるように思える。一つ目は,全体を通じての統一感や人間としての一貫性である。チューリングテストでは,相手が人間かどうかを判断するための手掛かりは文字を通じた会話しかない。その会話の一部を取り上げたときに,その部分がどれほど「人間らし」かったとしても,全体的な統一感に欠けているとそれは人間らしい会話とは言えない。「人間らしいとは(...)一つの視点を持つ特定の人間であるという(51頁)」ことであり,「人間らしさの断片を寄せ集めたところで,人間らしくなれるわけではない(54頁)」のである。言い換えると,多くの知識を持っていたり言語の仕組みに精通していたりしても人間らしい会話はできないということだ。日常的に目にする文章を理解するためには語彙や文法の知識を持っているだけではなく「世界の仕組み」を理解している必要があるのである(95頁)。 二つ目に,状況に応じた対応力(=どれだけサイトスペシフィックに対応できるか)が人間らしい会話を成り立たせているというのである(117頁)。言い換えると「会話の定石を用いた会話」は会話っぽくならないということだろう。著者のことばを借りれば「具体的な会話の「メソッド」を教えてところであまり役に立たず,営業マンやナンパ師や政治家の言葉が人間味に掛けるのは,そのせいでもある(130頁)」ということだ。就職活動の面接での会話を思い浮かべるとこの指摘にはうなずけるのではないだろうか。 本書はあまりにも幅広いテーマが扱われているため,とりとめがない印象を受けることは否めない。それでも,読み進めていくうちに,その部分が本論と関係することがわかってくる。しかし話が唐突な感じがして読みにくいという印象は受けるかもしれない。それと関係して,本書のテーマとの関係性が見えにくいために,何を主張したいのかが分かりにくい部分も少なくないように思う。10章の「人間らしさとデータ圧縮の関係」を述べた箇所は理解しにくい。また比喩がわかりにくく比喩の役割をはたしていないと感じる記述も多い。しかし,読みにくいところはそのまま読み飛ばしてしまっても概ね全体を理解するのに支障はないかもしれない。

Posted byブクログ

2013/06/02

コンピューターと人間を、それとわからぬよう対話させ、“どちらが人間か”を判断するチューリングテスト。 そこに人間として参加することになった著者の、「コンピューターに負けないための」作戦立案にいたる諸過程。 いわば進軍記録です。 「人間らしい」コンピューターはどう振る舞うのか? 何...

コンピューターと人間を、それとわからぬよう対話させ、“どちらが人間か”を判断するチューリングテスト。 そこに人間として参加することになった著者の、「コンピューターに負けないための」作戦立案にいたる諸過程。 いわば進軍記録です。 「人間らしい」コンピューターはどう振る舞うのか? 何故人間はそう振る舞わせるのか? 突き詰めていけば、コミュニケーションとは自己と様々な他者間の認識と伝達なのだろう。 いかんせん情報量が多すぎて、一回読んだだけでは頭の中で整理しきれていないのがくやしい。

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2012/12/17

翻訳本は読みづらい。 始めて知った言葉の数々に興味を惹かれた。 P31 人声失認 P56 人格のない友人 P62 協調的な目の仮説 P81 誤帰属 P98 アンディーとビルの法則 P103 混合芸術 P113 権威委譲の失敗 P237 7・38・55のルール P280 最初に...

翻訳本は読みづらい。 始めて知った言葉の数々に興味を惹かれた。 P31 人声失認 P56 人格のない友人 P62 協調的な目の仮説 P81 誤帰属 P98 アンディーとビルの法則 P103 混合芸術 P113 権威委譲の失敗 P237 7・38・55のルール P280 最初に若い女性の頬をバラにたとえた男は間違いなく詩人だ。 最初にそのたとえを猿真似した男はバカかもしれない。byダリ P283 シェークスピアいよる造語の多さ P284 かつては丁寧だった言葉の延々と続く置き換え P293 ケヴィン・ワーウィック教授

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2014/01/12

人工知能、AIの性能を評価するチューリングテストをひっくり返して、そもそも、人間らしさとは、何か?という根源的な問いに迫る。とてもスリリングな内容で知的好奇心を刺激されます。 もっと情報工学分野を勉強したくなる。素晴らしい入門書だと思います。 瀬名秀明さんの同じくチューリングテス...

人工知能、AIの性能を評価するチューリングテストをひっくり返して、そもそも、人間らしさとは、何か?という根源的な問いに迫る。とてもスリリングな内容で知的好奇心を刺激されます。 もっと情報工学分野を勉強したくなる。素晴らしい入門書だと思います。 瀬名秀明さんの同じくチューリングテストを題材にした「デカルトの密室」とあわせて読むとさらに面白い。

Posted byブクログ