機械より人間らしくなれるか? の商品レビュー
シャノン博士の妻になった『メアリー・エリザベス』 エスプタイン博士と4ヶ月間も恋文を送り合った『イヴァナ』 セラピストとしてうつ病患者を治療する『イライザ』 ——上記の彼女たちはみな人間ではなくコンピュータです。 私たちが思っている以上に、AIの能力は人間に迫りつつ...
シャノン博士の妻になった『メアリー・エリザベス』 エスプタイン博士と4ヶ月間も恋文を送り合った『イヴァナ』 セラピストとしてうつ病患者を治療する『イライザ』 ——上記の彼女たちはみな人間ではなくコンピュータです。 私たちが思っている以上に、AIの能力は人間に迫りつつあるようです。言い方を変えれば、人間という生き物のアイデンティティは崩壊しつつあるのかもしれません。 本著は著者であるブライアン・クリスチャン自身が、人間の尊厳を守るべく人間らしく見える会話を徹底的に論じたものです。コンピュータと比べてどうかはともかく、会話が不得意な人間など掃くほどいるので、彼の著者の論説はそういった人の役に立つものになると思います。なによりハードルが低い。コンピュータと比べての優れた会話術ですから笑 単純に現在のAIの進歩具合を知る為に読んでも面白いですが、人間と比べる所に重きを置いているので、非常に広い範囲での知識を学べる本でした。
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チューリングテストの大会の様子と、そこで使用するノウハウと、それのベースになる理論がどれもてんこ盛りになってしまってもたれる。 一冊で全てを表したい気持ちはわかるが。
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2012 10/20読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 テキストベースでの会話(チャット)だけで人かAIかを判定するチューリング・テストのコンテスト、ローブナー賞に、サクラの人間として参加した著者が、もっとも「人間らしい」と判断された「人間」に与えられる賞を獲得すべく、「...
2012 10/20読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 テキストベースでの会話(チャット)だけで人かAIかを判定するチューリング・テストのコンテスト、ローブナー賞に、サクラの人間として参加した著者が、もっとも「人間らしい」と判断された「人間」に与えられる賞を獲得すべく、「人間らしさとは何か」を模索した過程と、コンテストの顛末を記した本。 実際にAIと比べて「人間らしくない」と判断されてしまう人間参加者も毎年いるとのことで、普通はたまたまコンテスト開催時に同時開催されている(というかメインの)学会参加者がやることが多いサクラを、著者は本気で勝ち抜こうと望む。 そうしていかに「人間らしい」と判断してもらうかを考えていくと、機械でできることの広がりによって人間らしさの捉え方が絶えず変わってきたことが見えてくる・・・。 筋もテーマも大変おもしろいんだが、面白すぎるせいかしばしば、本筋からどんどん脱線していって、かつそれが主軸に戻っているんだかいないんだかを見失うことがある。いささか冗長気味というか。それが人間らしさか? 結局、著者がたどり着いた結論は「相手の話に割り込む」とか「同時に(相手の応答を待たずに)文字を入力する」という戦術で、さてそれでどうなるかは・・・読んでのお楽しみか。 ダイジェスト版があればもっとわかりやすくなったかも。 最後の方のエントロピーのあたりは、脱線だけどかなり面白かったので、そこはまた別に一本書き上げてもいいのではないだろうか。
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最後のあたりのところ、エントロピーと会話と単語予測のあたりはとても面白くて、ただまだアイディアの表明レベル。最後の章も判断停止に思える。著者の今後に期待ってくらいかな。文体やアイディアには好感が持てる。まあ自分何様やってレビューですみません。
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コンピュータVS人間の会話での戦い。 チャットでの会話で より人間らしさを出す為にはどうすれば良いのか?人間らしさを出そうとすればする程、コンピュータ系の会話になってしまうというおかしさ。人間とは・・という哲学的問題となる。
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AIの性能を評価する「チューリングテスト」というものがあります。これは、テスターがAIと、サクラの人間とそれぞれテキストチャットをして、どちらが人間か?と聞き、AIにどれだけ票が入るか?というものです。 この大会はあくまでAIの性能評価であり、サクラの人間側は「自然に会話すればい...
AIの性能を評価する「チューリングテスト」というものがあります。これは、テスターがAIと、サクラの人間とそれぞれテキストチャットをして、どちらが人間か?と聞き、AIにどれだけ票が入るか?というものです。 この大会はあくまでAIの性能評価であり、サクラの人間側は「自然に会話すればいいから」と言われるのですが 笑、 この作者は「何としてでもAIよりも俺との対話のほうが人間らしいと認めさせてやる!」という野望のもとに 笑、 人間らしい会話とは何か? どうすればAIには出せない会話ができるのか? を徹底的に調べ、対策を練っていきます。 人間らしい会話とは何か?今のAI開発の最前線はどうなっているのか?など、興味がある人にはきっと楽しく読めるはず。 (文系の僕でも楽しく読めました)
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タイトルに惹かれて購入。 「チューリングテスト」という名の人間 VS ボット(AI) で行われる競技大会。 それはコンピュータ端末を使用して、 審判員が見えない人間(サクラ)とボット(AI)交互に5分間チャットを行い、 その相手が人間かボットか判断し、その得票数を競うというも...
タイトルに惹かれて購入。 「チューリングテスト」という名の人間 VS ボット(AI) で行われる競技大会。 それはコンピュータ端末を使用して、 審判員が見えない人間(サクラ)とボット(AI)交互に5分間チャットを行い、 その相手が人間かボットか判断し、その得票数を競うというものでした。 その結果、人間と判定された最多得票数のAIには 「最も人間らしいコンピュータ」賞、 また、人間と判定された最多得票数の人間には 「最も人間らしい人間」賞が与えられるというものです。 これは、その「最も人間らしい人間」賞を受賞すべく奮闘した著者のお話です。 内容の大半は実際に行われたテストの話ではなく、 著者がその準備として意見を求めた専門家との話やその考察となっています。 テーマ自体は面白いのですが、著者が多彩な分野に精通しているためか、話が飛びまくり、 最終的に何を述べたかったのかが自分には良く分かりませんでした。 チェスやボットプログラムについてのくだりは、良いのですが 哲学的な部分が長すぎて焦点がぼけてしまった感じです。 人間と言えどもルーチン化されたような会話しか出来なければ、 ボットが同等又はそれ以上の会話が出来てしまうという 現在の技術に考えさせられるものはありました。
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内容の本質とは全く関係ないが、気に入った「法則」 「アンディとビルの法則」 アンディが与えしもの、ビルが奪い去れリ Office 2007 on Windows Vista vs Office 2000 on Windows 2000 12倍のメモリーと3倍の処理スピ...
内容の本質とは全く関係ないが、気に入った「法則」 「アンディとビルの法則」 アンディが与えしもの、ビルが奪い去れリ Office 2007 on Windows Vista vs Office 2000 on Windows 2000 12倍のメモリーと3倍の処理スピードが要求されるが、実行スレッド数は直前のバージョンの二倍足らずである。 哲学ネタのところがあまり整理されていないのが、少々キズですが、全体的にチューリングテストの話から、これだけ話を広げられるのには感心。 本当はもう少しじっくりと楽しみたかった本ですが、図書館返却のため断念。
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5分のチャットでAIと人間の区別を当てるというチューリングテストに、人間として出場する話。AIの開発という話になりがちなところ、逆に、AIを乗り越えて、人と認めてもらえるかという面白い視点です。僕は本当に人間かな、誰にも証明してもらっていないな、と心配になります。実は相手が機械か...
5分のチャットでAIと人間の区別を当てるというチューリングテストに、人間として出場する話。AIの開発という話になりがちなところ、逆に、AIを乗り越えて、人と認めてもらえるかという面白い視点です。僕は本当に人間かな、誰にも証明してもらっていないな、と心配になります。実は相手が機械かも、というよりも、そっちのほうが怖い。Google日本語入力が変換してくれない文字は、もう僕の語彙にはなくなってしまった気がするし、同じく誤字は僕の誤字でもある。人間らしさとは何ぞや。それは僕には結局わからないのだけど。
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AI開発の歴史を通して、コンピューターと人間との違いを論じる。軽い読み物的な雰囲気の一方で、人間とはなにかを深く考えさせられる哲学的な要素を含む。
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