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日本(にっぽん)の自殺 の商品レビュー

3.9

24件のお客様レビュー

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2024/04/29

日本経済の予言の書。それも1975年に文藝春秋誌上で、匿名で発表された後に大きな波紋を呼んだというもの。文明が衰退消滅していく時に起きた事を、古代ローマ帝国などの例を引用しながら、当時の、高度経済成長から横ばい成長の兆候の見られた当時、その時代の日本社会の状況とローマ衰退期の史実...

日本経済の予言の書。それも1975年に文藝春秋誌上で、匿名で発表された後に大きな波紋を呼んだというもの。文明が衰退消滅していく時に起きた事を、古代ローマ帝国などの例を引用しながら、当時の、高度経済成長から横ばい成長の兆候の見られた当時、その時代の日本社会の状況とローマ衰退期の史実とを行き来しながら、警鐘を鳴らしている。この記事から約50年が経過して今日の円安や長期の停滞を合わせ考え、そのたどった道筋の類似 予想の合致を合わせ考えると深く感じるところのある本。絶版なのか中古か電子版あるいは図書館にて手に取っていただきたいです。特に40-60代の、サラリーマン時代がこの時代にかぶるので、自分越し方と重ね合わせ これからの生き方を考えるのはいかがでしょうか 私はそのように読みました

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2018/04/22

本文は内容は面白いが、ややまどろっこしい。 後半、中野剛志の解説が簡潔で興味深い。 山内昌之氏が指摘するように文藝春秋の40年前の記事を、このタイミングで朝日新聞が取り上げたことも面白い。 パンとサーカスは、ベーシックインカムの議論を思い起こさせる。 P97 情報過多の神経...

本文は内容は面白いが、ややまどろっこしい。 後半、中野剛志の解説が簡潔で興味深い。 山内昌之氏が指摘するように文藝春秋の40年前の記事を、このタイミングで朝日新聞が取り上げたことも面白い。 パンとサーカスは、ベーシックインカムの議論を思い起こさせる。 P97 情報過多の神経症状 マスコミによる間接情報の氾濫、直接体験の希薄化 →希薄な「ごっこの世界」の中で、深い感動に伴う経験に飢え「しらけて」くる。 P106 諸文明の没落の過程で必ずといってよいほど発生してくる文明の「自殺のイデオロギー」がある →極端な平等主義のイデオロギー →共同体を解体し、社会秩序を崩壊させる。

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2015/02/08

膨張しすぎたために内部から瓦解した古代ローマ帝国と現代の日本に共通点を見出だし、日本は『第二のローマ帝国』としての道をたどりつつあると警鐘を鳴らしている。 三十年も前に書かれた論説だが、現在に当てはめて読んでも十分に説得力がある。 逆に言えば、三十年前から状況の改善していない部...

膨張しすぎたために内部から瓦解した古代ローマ帝国と現代の日本に共通点を見出だし、日本は『第二のローマ帝国』としての道をたどりつつあると警鐘を鳴らしている。 三十年も前に書かれた論説だが、現在に当てはめて読んでも十分に説得力がある。 逆に言えば、三十年前から状況の改善していない部分があるということであり、それはぞっとしない話だと思う。

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2014/09/22

1975年、既に現在の政治の低迷、衆愚政治を予言。 『失敗の本質』も合わせ読み、日本は良いリーダーを育まないのか!

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2013/04/04

1974年に書かれたという本書。驚くぐらいに日本の現状が書かれているように思う。これから成長して、JAPAN as No.1と言われる前にこのような警鐘が鳴らされていたことにただ驚くばかり。ただ、このような危機感を持つことが出来た人もいるのに、なぜ現代はこのようになってしまったの...

1974年に書かれたという本書。驚くぐらいに日本の現状が書かれているように思う。これから成長して、JAPAN as No.1と言われる前にこのような警鐘が鳴らされていたことにただ驚くばかり。ただ、このような危機感を持つことが出来た人もいるのに、なぜ現代はこのようになってしまったのだろう。 本書はこれから起きるであろう日本の崩壊をローマ帝国の崩壊と重ねて、解説している。「パンとサーカス」と権利を求めて、労働もしない市民、また、市民に迎合するためにそれを進める政治家。まさしく、日本の今の形ではないかと思う。 栄枯盛衰とはよく言ったもので、必ず自壊に至ってしまうらしい。社会の崩壊は決して外的な要因ではなく、内部から起きるということは、組織にも当てはまることであり、真実なんだと思う。やはり、生き続けるためには変化していかなければいけないらしい。

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2013/04/03

 文明は内部から壊れてゆく。かつて栄華を誇ったローマ帝国も「パンとサーカス」に明け暮れる国民の堕落によって滅びた。そして先進国となった日本にも内部崩壊の危機が訪れている…。  この『日本の自殺』が文藝春秋に掲載された当時(1975年)よりも、現在の日本の方が内部崩壊の危機は高まっ...

 文明は内部から壊れてゆく。かつて栄華を誇ったローマ帝国も「パンとサーカス」に明け暮れる国民の堕落によって滅びた。そして先進国となった日本にも内部崩壊の危機が訪れている…。  この『日本の自殺』が文藝春秋に掲載された当時(1975年)よりも、現在の日本の方が内部崩壊の危機は高まっていると思う。生活保護費での遊行、「経済成長なんていらない」という無責任な主張、耳触りの良い政策ばかりを実行する政治家等々。権利ばかりを主張する国民と彼らに迎合する政治家によって日本は自殺させられるかも知れない。

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2013/03/19

具体的な数字と読者となる人々がなんとなくイメージしている事柄が同時に並べられることで、危機感や問題が逼迫しているものだと実感させるような作りになっている。また、単に世界と日本・昔と現在を比較するだけでなく、死や興隆と衰退といったセンセーショナルな要素が散りばめられている。

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2013/03/05

大衆社会化→古代ローマ≒現代日本 自律性と自己解決能力。この状況を乗り越えるカギ。 帯の「平成日本人必読の書」というコピーは伊達じゃなかった。

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2013/01/07

今年3月の文芸春秋に再掲載されて話題になっている1975年に「グループ一九八四年」によって書かれた論文。 37年も前に書かれたものであるのに、まるで今の日本に向けて書いているかのようです。 ギリシア・ローマ帝国滅亡と日本の政治的・経済的・社会的・文化的没落 の危機が類似して...

今年3月の文芸春秋に再掲載されて話題になっている1975年に「グループ一九八四年」によって書かれた論文。 37年も前に書かれたものであるのに、まるで今の日本に向けて書いているかのようです。 ギリシア・ローマ帝国滅亡と日本の政治的・経済的・社会的・文化的没落 の危機が類似していると指摘。 キーワードは、「パンとサーカス」の要求。 長くなるので、内容は、ここに書かないけれど、興味深くサクサク読むことができるので、多くの人に読んでもらいたいなと思える1冊。 それにしても、37年前にこの論文が書かれていたということは、実に、日本人として誇らしいと思う一方で、37年前に、このようなことが指摘されていたのに、37年後「まさに今の日本ではないか!」と話題になっている現代日本人は、あまりにもおめでたすぎるのではないでしょうか。

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2013/01/09

平成22年最後の読了本。 昭和50年に公にされていたなんてすごい。再読必至だ。 ■諸文明の没落は,「魂の分裂」と「社会の崩壊」による「自己決定能力の喪失」にこそある。過去の殆どすべての没落した文明は,外敵の侵入,征服,支配などの前に自分自身の行為の前に挫折。 ■ローマの没落はロー...

平成22年最後の読了本。 昭和50年に公にされていたなんてすごい。再読必至だ。 ■諸文明の没落は,「魂の分裂」と「社会の崩壊」による「自己決定能力の喪失」にこそある。過去の殆どすべての没落した文明は,外敵の侵入,征服,支配などの前に自分自身の行為の前に挫折。 ■ローマの没落はローマの繁栄の絶頂期に始まっていた。 ■ローマの滅亡  ▸欲望の肥大化,労働を忘れ消費と娯楽レジャーに明け暮れた繁栄の代償  ▸各地から流入する人口により適正規模を超えた膨張によるコミュニティの崩壊。巨大都市象皮病。  ▸パンとサーカスの要求 ~無料のパン,競技・娯楽に関わる公共施設 ■大衆迎合主義の中に自信と責任を失って崩壊し大衆の思考力,判断力は目に見えて衰退・低下し,社会は「自己決定能力」を喪失していく ■「パンとサーカス」と自制なき権利を要求して活力なき「福祉国家」,怠慢な「レジャー社会」への道をたどるとき,社会は衰弱していく運命を辿る。 ■家族の解体と悪平等主義 ■カタストロフを考えようともしない日本人の国民性は長所ともなるが致命的な短所ともなる。  ▸資源・エネルギーの厳しい制約  ▸環境コストの上昇  ▸労働力需給の逼迫と賃金コストの上昇 ■豊かさの代償  ▸無気力,無感動,無責任  ▸自制心,克己心,忍耐力,持続力のない青少年が大量生産される  ▸伝統文化の破壊を通じて日本人のコア・パーソナリティを崩壊させ倫理観を麻痺させ,日本人の精神生活を解体 ■幼稚化と野蛮化 ■あまりに組織されすぎた世界に生まれ,その中で便宜だけを見出し,危険を感じないタイプの人間は,ふざけて暮らすよりほかに行動できない。 ※メモ整理中

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