後白河上皇 の商品レビュー
絵巻物から解く、時代背景と後白河上皇の人物像についての本。 後白河はさかんに絵巻物を作らせたり収集したりされ、その力を最大限に活用するすべを知っておられた…というのが主旨。 もっとも、絵巻物というのはひとつの切り口で(これはけっこう新鮮だと思う)、実際にはそれが何を表しているのか...
絵巻物から解く、時代背景と後白河上皇の人物像についての本。 後白河はさかんに絵巻物を作らせたり収集したりされ、その力を最大限に活用するすべを知っておられた…というのが主旨。 もっとも、絵巻物というのはひとつの切り口で(これはけっこう新鮮だと思う)、実際にはそれが何を表しているのか、著者による分析と考察が行われている。 私は本書と併せてたまたま平安時代の絵巻物について書かれた別の本を読んでいたこともあり、それなりには面白かったのだが…。 個人的趣味で、やはりもっと深く人物像を掘り下げている方が好みなので☆3。
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20121228~20130109 ぱっと見カラーが多くて読みやすそうだったので購入。後白河上皇に対する新解釈と、筆者の本業であるデジタルカラー複製による絵巻物のビジュアルが斬新。やっぱり日本は昔から漫画的手法に優れていたのだなあと実感。 反面、筆者が参照している書籍が(にわか後白河ファンの)私が最近読んだ程度のものしかなく、そんなに後白河上皇に関する研究書が少ないのか、それとも・・・うーん。
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自称デジタル復元師の著者が,絵巻物の分析を通じて後白河の人となりに迫る。で達した結論が,後白河はニーチェの言う「超人」だってこと。他に超人と言いうるのは,何と…タモリなんだって。なんじゃそりゃ。途中までは推測に推測を重ねてる感満載ってくらいで意外とまともだと思ったのに…。
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≪目次≫ はじめに 第1章 怪しき帝の生涯 第2章 非人ネットワーク 第3章 天皇と天王 第4章 天皇は死んだ おわりに ≪内容≫ 大河ドラマの便乗ネタだが、歴史の専門家ではない著者の切り口が面白かった。著者の専門は日本美術(それも大日本印刷時代に培った復元というジャンル)なので、もうちょっと美術史、特に絵巻物かと思ったが、その話よりも後白河の人となりや「非人ネットワーク」などの話が面白かった(というか、その辺を自分が勉強していなかっただけなのかもしれないが…)。 後白河のつくっていた絵巻物がとても多くて、現在は「目無経」と呼ばれる、未完成の絵巻物(というか、現在はお経)の部分が面白かった。経文の背景に残る素描の絵が、「有明の別れ」というお話で、自分の知らない魅力的な物語だったので、この辺をもう少し勉強してみたい。
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後白河上皇の「異形の王権」を、「今様狂い」や絵巻物プロデューサーとしての視点から見る。ボストン美術館展で「吉備大臣入唐絵巻」などの絵巻物を見た後なので、いろいろと腑に落ちた。 網野善彦先生は後白河上皇を中心に語った本ってあったかな。
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