1,800円以上の注文で送料無料

連環宇宙 の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/12/04

「時間封鎖」から連なる3部作、完結篇。2作目「無限記憶」が少し食い足りない印象でしたが、これは本作につながるちょっと(だいぶ)長めの前日譚だったのですね。仮定体の目的はなんなのかという謎に、一万年後の手記がなぜ現代にあるのかというミステリーが加わり、その全ての答えが示される本書。...

「時間封鎖」から連なる3部作、完結篇。2作目「無限記憶」が少し食い足りない印象でしたが、これは本作につながるちょっと(だいぶ)長めの前日譚だったのですね。仮定体の目的はなんなのかという謎に、一万年後の手記がなぜ現代にあるのかというミステリーが加わり、その全ての答えが示される本書。「時間封鎖同様にワクワクする物語でした。

Posted byブクログ

2018/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第三部。リングで結びつけられた星の連合に生きるヴォックスという人口島帝国。すべての人の頸椎にネットワークへのインターフェースが組み込まれた未来世界。その世界に生きるトレイヤは古代人との通訳療法士である。その古代人は第二部で仮定体によって暫定リングに絡めとられ、未来の世界で再生されたタークである。この世界でいよいよ仮定体の姿が明らかになるのだろうか。面白かったなあ!

Posted byブクログ

2017/08/03

時間封鎖三部作の完結編。物語は、スピンが解除された時代の地球と、一万年後の地球で人類が生活するヴォックスという移動都市の二つが交互に組み合わされている。二つの世界を結ぶノートがあり、それが媒体となって二つの世界が融合していく。時間SFのようなストーリー展開だ。一方で人間ドラマもし...

時間封鎖三部作の完結編。物語は、スピンが解除された時代の地球と、一万年後の地球で人類が生活するヴォックスという移動都市の二つが交互に組み合わされている。二つの世界を結ぶノートがあり、それが媒体となって二つの世界が融合していく。時間SFのようなストーリー展開だ。一方で人間ドラマもしっかりしており、ロマンチックでもある。最後は壮大な話になるが、無理な展開でもなく、素直に情景を楽しめる。仮定体の正体もとりあえず特定され、これだったら続篇もありえるのではないかと思った。スピンだけにスピンオフ作品が出てもいいだろう。少し期待したい。

Posted byブクログ

2016/02/08

 『時間封鎖』三部作の第三部。  正体不明の知性体である仮定体により時間の流れを減速する障壁で覆われ、40億年後に障壁が解除されるとともに、他の星系の居住可能な惑星に通じるゲートが開かれた地球。『時間封鎖』の結末から30年後、『無限記憶』の舞台よりは前の時代。  ホームレスの精...

 『時間封鎖』三部作の第三部。  正体不明の知性体である仮定体により時間の流れを減速する障壁で覆われ、40億年後に障壁が解除されるとともに、他の星系の居住可能な惑星に通じるゲートが開かれた地球。『時間封鎖』の結末から30年後、『無限記憶』の舞台よりは前の時代。  ホームレスの精神障害者を保護する施設の精神科医サンドラのもとに、警官ボースによって連れ込まれた少年オーリン。彼は奇妙な手記を持っていた。それは仮定体の暫定ゲートに飲み込まれ、1万年後に再生させられた男の手記である。そんなとんでもない内容の手記を少年が自分で書いたというのだ。あたかも未来からの通信を受信したかのように。  1万年後の男とは『無限記憶』の主人公タークである。彼はそこで幾多の惑星がゲートによって連環された世界の中、地球を目指して進む都市国家ヴォックスに保護される。ヴォックスの人々は地球に行けば仮定体と合一できるという宗教のようなものを持っている。そしてまた人々は脳とコンピュータを直接接続するネットワークによる民主主義を実現している。しかし皮質系を結ぶ皮質系民主主義者と辺縁系を結ぶ辺縁系民主主義者とは対立しており、ヴォックスは攻撃を受ける。しかも彼らの目指す地球は環境汚染ですでに人の住めない惑星になっているという話もある。  他方、サンドラはオーリンの担当をすぐに外されてしまう。サンドラの上司はオーリンの扱いについて何かの利害を持っていてサンドラを遠ざけようとしているように見える。オーリンに対して関心を抱くボースは味方のように思えるが、彼も何か隠された意図を持っているらしい。  話は1万年を隔てたカットバックで進む。仮定体に翻弄される人類の行く末が大きな物語。1万年のあっちとこっちで、集団と個人の対立が描かれているのが、小さな物語。SF的にはコンピュータに接続された民主主義というディストピアが現代的な問題意識を孕んでいて面白いが、仮定体の正体はおおむね『時間閉鎖』で推測されており、どんでん返しがあるわけではない。終盤向けて話を大きくしていくのも、似たような話があったなあという感じ。1万年を隔てた物語がどのように絡んでいくのかだんだん見えてくるとともに、双方の時間軸で事態が緊迫性をましていくというプロットのうまさで読ませるのではあるが。

Posted byブクログ

2016/02/07

時間封鎖・無限記憶 からつづく三部作の最終巻。 宇宙の創造とは何を意味するものなのか?どのような恩寵なのか?全てを識ることを翹望する末にたどり着いた応えは、正にその裏返しのような羨望でしかなく無限に続く意識の探求でしかありえなかった…。 しかしそれを知覚できるのは正に1個の...

時間封鎖・無限記憶 からつづく三部作の最終巻。 宇宙の創造とは何を意味するものなのか?どのような恩寵なのか?全てを識ることを翹望する末にたどり着いた応えは、正にその裏返しのような羨望でしかなく無限に続く意識の探求でしかありえなかった…。 しかしそれを知覚できるのは正に1個の知性であり、またそれにちいさな波紋を残せるのも1個の良心なのだろう…納得できる終わり方でした。

Posted byブクログ

2014/08/18

仮定体三部作の完結編。とはいえ前二作についてはほとんど覚えてない。でも十分楽しめた。最後のほうの辻褄合わせは別に無くてもよかったかなとは思ったけど。

Posted byブクログ

2021/06/24

話がどんどん大きくなっていくところがとってもSF的で気持ちよかった。 また、大きくなり続けた話で、最後に主人公が行うことが「物語」を伝えるというところがとてもよかった。 また、仮定体の正体も、無価値的で適応度最大化のプロセスという説明は、すっと腹に落ちる感じがした。 だいぶ違うが...

話がどんどん大きくなっていくところがとってもSF的で気持ちよかった。 また、大きくなり続けた話で、最後に主人公が行うことが「物語」を伝えるというところがとてもよかった。 また、仮定体の正体も、無価値的で適応度最大化のプロセスという説明は、すっと腹に落ちる感じがした。 だいぶ違うが、ダーゥズム的なネオプラグマティズム(リチャードローティ的)の真理観を連想した。

Posted byブクログ

2013/03/07

ネタバレ注意:面白いよ~最後の壮大さももう目が眩みそう・・・仮定体の機械的ネットワークの集合知という正体も凄いですね。小さな蝶となりヴォックスを食い尽くす場面もいいな~。ヴォックスの人体にノードを埋め込んだネットワーク社会の空恐ろしさも面白かった。悠久の時の流れに思いを馳せること...

ネタバレ注意:面白いよ~最後の壮大さももう目が眩みそう・・・仮定体の機械的ネットワークの集合知という正体も凄いですね。小さな蝶となりヴォックスを食い尽くす場面もいいな~。ヴォックスの人体にノードを埋め込んだネットワーク社会の空恐ろしさも面白かった。悠久の時の流れに思いを馳せることができました。世界の流れに立会いたいという願望が少し満たされる体験ができる本でした。三部作通して傑作だと思う。これで2013年版SFが読みたい海外編ベスト10中9冊読んだ。あとは「心のナイフ」なんだけど・・読んだ方が良いですか?

Posted byブクログ

2012/12/16

2012年12月 02/95 3部作の3作目。難しくてよくわかんないところもあるけれど、おもしろかった。作家って頭良いなぁ。

Posted byブクログ

2012/11/02

どういう設定か、3部作の最後で、やっと、理解できました。 最近のSFの最後の設定として、 やはり、この宇宙の上の次元に行くと言うことになっていました。 なんか、少し、荒唐無稽が、現実離れが強い感じがあり、 少し、ばからしい感じも持ってしまった。 また、最終的には、既存知生体が主導...

どういう設定か、3部作の最後で、やっと、理解できました。 最近のSFの最後の設定として、 やはり、この宇宙の上の次元に行くと言うことになっていました。 なんか、少し、荒唐無稽が、現実離れが強い感じがあり、 少し、ばからしい感じも持ってしまった。 また、最終的には、既存知生体が主導権を握るというのも ハッピイエンドで、ちと、幼稚で、ある感じも持った。

Posted byブクログ