連環宇宙 の商品レビュー
三部作の完結編。時間封鎖の出来がよすぎて、無限記憶でトーンダウン。連環宇宙でなんとか着地といったところ。 最後、タウ・ゼロやディアスポラっぽかったけど、しゃーなしですね。 うまくまとめてあった。
Posted by
三部作を1冊として評価5.楽しかった。軽すぎる(スケールは大きいのに)きらいはあったものの、エンタテイメントとして良質。孤高を選んだ新機械有機生命体アイザック少年は仮定体の切り離された自我と呼んでもいいかも。アイザック(涙)
Posted by
大期待の三部作完結編。 最初の「時間封鎖」はかなりはまってしまい、これはすげぇと思ったのだが、続く「無限記憶」は人間ドラマ臭さが鼻につき意気消沈。そこでこの完結編の登場を待望していたわけ。 結論から言うと、「時間封鎖」の感動はないものの、謎に包まれていた「治世体」のひとつ...
大期待の三部作完結編。 最初の「時間封鎖」はかなりはまってしまい、これはすげぇと思ったのだが、続く「無限記憶」は人間ドラマ臭さが鼻につき意気消沈。そこでこの完結編の登場を待望していたわけ。 結論から言うと、「時間封鎖」の感動はないものの、謎に包まれていた「治世体」のひとつの会社がなされたことが一番の収穫だろう。クラークらが書くオーバーロードやオーバーマインド、最近ではバクスターが書く魁種族とは違ったアプローチだ。かといって、イーガンの世界でもない、なんか悪く言えば中途半端な、うまく言えば絶妙のバランスにたつ知性体像かな。 本シリーズにおいては、ある意味で知性体は存在しない。単なる科学技術の末裔。自意識を持つことはない。それを知性体とは呼ばないという方向の道筋。その解釈好きだなぁ。大風呂敷っぽく時間のコントロールとかが四次元の行き来などが出てくるのが少し幼稚な感じがするのだが、それでも機械は機械で知性体ではないというスタンスが好きだ。 長い本だが、1日で久しぶりに読みきったことからも、物語としてはかなり読みやすくテンポも良い。登場人物が少ないから筋が理解しやすいし、傑作とはいえないにしても読んで損はないと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
首を長くして待っていた3部作小説(「時間封鎖(SPIN)」、「無限記憶(AXIS)」)の最終作です。原題のVORTEXという単語からすると邦題のニュアンスが若干違うように思えますが、今回の3部作の舞台と結末の宇宙観から考えると「連環宇宙」というのは納得いきます。今回に限らず3部作に共通して、邦題の付け方には何となくセンスの良さを感じますね。 今回の舞台もスピン封鎖が解けた地球が舞台で、第二部より少しだけ時間が進んでいるパートと、1万年後の地球でのストーリーが交差する構成で物語は進んでいきます。1万年後の世界は、2部で登場した主人公の一人であるターク・フィンドリーの手記として語られており、それが地球の時間軸とどう絡むのかは最後まで分かりません。内容は舞台はもちろん1万年後の地球という設定も十分にSFなのですが、どちらかというとどちらの舞台においても主人公の人生ストーリーの面があり、単純なSF小説にはない厚みがあると思います。これは3部作を通じての共通点なのですが、この作者の特徴であり、単なるSF小説で終わっていないストーリーとしての面白さが強みなのでしょう。 最後の仮定体の謎というよりは正体は、ここまで読み進めるともう大体が想像ついてしまっている内容の反復なのですが、それでも宇宙の気の遠くなるような広がりとそれを克服しようとする文明の希望みたいなものが集約されている感じが分かります。そこら辺が仮定体という存在を持ち出した作者の狙いであり、3部作を通してのテーマという感じがしました。 最初の時間封鎖から本当に長い旅をしてきた感じがしますが、久し振りに楽しめた長編SFでした。この3部作の最後で描かれているアイザックが俯瞰する宇宙の終わり(始まり?)は、現代宇宙物理学に基づいた宇宙の終焉と思われますが、いつも思うのはこの宇宙も気の遠くなる時間の果てに消滅するのかと思うと何とも複雑な気分ですね。 ロバート・チャールズ・ウィルスンはまだまだ日本ではマイナーなようですが、他に翻訳されている長編もあるようなので、また楽しみにしたいと思っています!
Posted by
今の物語をしっかりと読ませてくれるから充実感がある。 クライマックスでは、超マクロな SF 的カタルシスへ誘われる。 この 3 部作は個人的な殿堂入り決定。 素晴らしかった。
Posted by
「時間封鎖」「無限記憶」ときての3作目! 遠大な時間の流れを上手く使っている。 1万年の時を経て繋がる2つの物語。 SFというものを存分に楽しませてくれる。 イーガンも面白いが、こちらの方が個人的には読みやすい。 完結編としても納得のものであったと思う。
Posted by
スピン三部作完結。仮定体に対してどうしても期待してしまっていた、知性のようなものはすでに存在せず、そこにあるのはただのシステムにすぎない。ネットワークに接続された人々の集合的な良心であるとされるコリュパイオスも結局はただの仕組みに過ぎず、一人の人間が身を心を削りながら選択して来た...
スピン三部作完結。仮定体に対してどうしても期待してしまっていた、知性のようなものはすでに存在せず、そこにあるのはただのシステムにすぎない。ネットワークに接続された人々の集合的な良心であるとされるコリュパイオスも結局はただの仕組みに過ぎず、一人の人間が身を心を削りながら選択して来た生こそが尊い。宗教やシステムに依存せず、しんどくても自分の選んだ道を信じろって事なのか。 でも、それに対して最後アイザックがタークに与えた他の可能性って言うのは、矛盾しないのかな。クロノリスもそうだけど、ウィルスンは時の流れをいじる事で人の生を描くのが上手い。 PBを先に読んでいたけど、英語だと話は追えても細かい機微が読み取れてないのを実感。
Posted by
- 1
- 2