日本人 の商品レビュー
山本七平 3部作 空気の研究、水=通常性の研究、日本的根本主義について 人間の脳には因果論てな思考がプエインストールされているので、私たちは自分にとってなにか不愉快な出来事が起きると、そこには必ず、「原因」があるはずだと考える。 日本では、いったん責任を負わされ、スケープゴートに...
山本七平 3部作 空気の研究、水=通常性の研究、日本的根本主義について 人間の脳には因果論てな思考がプエインストールされているので、私たちは自分にとってなにか不愉快な出来事が起きると、そこには必ず、「原因」があるはずだと考える。 日本では、いったん責任を負わされ、スケープゴートにされた時の損害があまりにも大きいので、だれも責任を逃れようとする。その結果、権限と責任が分離し、外部から権力の中心がわからなくなる。このようにして天皇を空虚な中心とするどこにも責任を取る人のいない奇妙な無責任社会がうまれたのだ 網野善彦 ブキャナン 民主国家は債務の膨張をとめることができない 新興国のキャッチアップに期には自由経済よりも統制経済のほうが有効だ 政治哲学 リベラリズム自由主義、リバタリアニズム自由原理主義、コミュタリアニズム共同体主義、功利主義 相続税は典型的な二重課税 貨幣の効用が逓減するのに、評判の効用が逓増するのは、評判こそが社会的な動物である人間が求めるほんとうの価値だからだ。私たちは仲間から高く評価されたり、恋人から愛された時に大きな幸福を感じる。貨幣はその大怪物にすぎないから、貨幣と評判のトレードオフではほとんどのひとが評判を選ぶ
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著者の本には毎回深い感銘を受けます。多くの経済本や自己啓発本がある中で,明快な主義主張をしない著者に何故惹かれるのかこの本でわかりました。大きな組織になじめない点で僕は著者と似ています。しかしそれこそが著者のいう典型的な日本人だったのです。つまり従来の日本人像は,日本人そのものの...
著者の本には毎回深い感銘を受けます。多くの経済本や自己啓発本がある中で,明快な主義主張をしない著者に何故惹かれるのかこの本でわかりました。大きな組織になじめない点で僕は著者と似ています。しかしそれこそが著者のいう典型的な日本人だったのです。つまり従来の日本人像は,日本人そのものの気質から生まれたものではなく農業やムラを基本とする社会構造からなるイメージであり,本来の日本人とは,一般に思われている以上に世俗的で個人主義的ということです。 戦後日本の繁栄を支えてきたシステムが崩壊しつくしたとき,残骸の中からユートピアへ達する道が開かれるのでしょう。 ずっと読み返していきたい本です。
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へぇ~とかほぉ~、とか「面白く読んだ」という感じ。日本人の個人主義、世俗的な生き方の高さが意外であり、一番面白い箇所だった。後半の政治や経済はよくわからず。。
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かなり重厚な一冊。 「日本人とは・・・」という文脈で語られるステレオタイプに 警鐘を鳴らし、新たな日本人像を提示する。 橘玲さんの本はいつも新しい視点を与えてくれます。
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よく「日本の国民性は云々…」と言われているが、 世界から見た日本人は本当に特殊なのだろうか? 政治哲学について リベラル、ネオリベ、リバタリズム、ネオコン、コミュタリズム、功利主義等、違いについて理解するのに苦労したが、自分はおそらくネオリベに近いものだと思う。 しかし、この本のタイトルにもある「日本人を()に入れる」という 趣旨はよく理解が出来なかった。 読み込みが足りないのか、既に日本人としてのナショナリズムを失っているのか。 ・貨幣と交換可能なサービスが拡張されていくにつれ、人間関係は簡素化されてゆくが、そのような無縁社会で人は不安を抱かずに生きていくことができるのか ・生殖における最適戦略は、性別によって異なる。男性は多数と関係を持つことであり、女性は長期的な関係を結ぶこと ・農耕は、土地への執着を生み、また食料生産性を高めることで、食料生産を行わない専門職を生み、分業を可能にした ・有能な政治家とは、正義や理念を語るのではなく、水面下のやり取りで合意を取りまとめられる人
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結構本屋で上位だったので読んでみました。 いろんな本から話が参考に出ていて、本筋としては日本がどうグローバル化していくかっていう所の考えが載っていました。 (昔流行った国家の品格などとは別方向の思考で書かれていて) そのまま納得するというより、知識を得てここから自ら考えていかな...
結構本屋で上位だったので読んでみました。 いろんな本から話が参考に出ていて、本筋としては日本がどうグローバル化していくかっていう所の考えが載っていました。 (昔流行った国家の品格などとは別方向の思考で書かれていて) そのまま納得するというより、知識を得てここから自ら考えていかなきゃいけないなーという感じの本でした。
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日本人をカッコでくくろうという発想が面白くて、読み始めた。特殊だと思いたがるいわゆる空気に支配された日本人性は、実はさして特殊ではない。この本のエッセンスはすべて、あとがきの2ページ(具体的には379ページと380ページ)に書かれているから、気になったらこの部分をまず開いてみる...
日本人をカッコでくくろうという発想が面白くて、読み始めた。特殊だと思いたがるいわゆる空気に支配された日本人性は、実はさして特殊ではない。この本のエッセンスはすべて、あとがきの2ページ(具体的には379ページと380ページ)に書かれているから、気になったらこの部分をまず開いてみるといい。 未曾有の大災害で整然と列に並ぶ日本人と、腹芸を繰り広げて権力闘争と責任のなすりつけ合いに奔走する日本人の両面性をたどる。いつものことだけど、うんうんとうなりながら読み進める。コミュニタリズムって?ネオリベ?日本人性って何?あいまいな理解は再読する機会への糧として置いておく。
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読んで今までの私の持っていた日本人観を大きく揺さぶられた本でした。一番印象に残ったのは日本人こそアメリカ以上の究極の個人主義である点を書かれていた点です。 アメリカをはじめとした欧米は自分の言いたいことをはっきり述べる個人主義の国、日本人は「和をもって尊しとなす」の国で示されれ...
読んで今までの私の持っていた日本人観を大きく揺さぶられた本でした。一番印象に残ったのは日本人こそアメリカ以上の究極の個人主義である点を書かれていた点です。 アメリカをはじめとした欧米は自分の言いたいことをはっきり述べる個人主義の国、日本人は「和をもって尊しとなす」の国で示されれるような周りとの協調性を重視する国とあると言うのが、私の価値観でした。 「拝啓マッカーサー元帥殿」の章で書かれた日本人が実利主義である点や世界価値観調査で示された日本人がアメリカ人以上に「自分の生き方は自分で決めたい」個人主義の国であった点は正直意外でした。 ただ一方で、究極の個人主義でありながら会社や「イエ」のようなコミュ二ティに属していないと不安を覚えるのが日本人です。もともと矛盾した価値観を抱えながらやってきたのが、表面化したのが今の日本だと思います。 筆者の結論は、日本人は自分達に自信を失いより保守的になるとの考えですが、ごくわずかな日本人の仕組みにおさまらない究極の個人主義者だけが新しいユートピアに行ける可能性があると書かれています。 究極の個人主義の時代を生き残る力を、今後も付けていきたいとより思うようになりました。
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日本人の本質は、“神を信じず、功利的に生きること”だ と言われ、受け入れられますか? 本書は、全く新しいタイプの日本人論。故に、常識人でありながら、 知的に柔軟な人にとっては得るものが多いと思う。 それは、“常識”とは違う知見を世界規模の調査と 最新科学をベースに明らかにしていくからだ。 ここに展開される論を、個々人のレベルで精査し、(日本人)の姿の 一側面として、血肉化できれば生きにくい人も減るかもしれない。 まとめると『厭戦で 国と権力 大嫌い 私重要 そは日本人』 といったところでしょうか?
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マットリドレーの「繁栄」以来、面白い本に出会いました。 この本は、日本人論というより、日本人をベースにしながら、人間の本性や人間社会の原理を、時系列な切り口も踏まえながら論じた文明論的な本です。 もともと、機会平等自由競争を信望する自分としては、リバタリアン的考え方親近感を感じているので、ピュアなリバタリアン的方向性と、日本人の特性を絡めて論じられた本書は、自分にとって説得力のある、かつ興味深い内容が多くて、とても参考になりました。 ◯権力ゲームがゼロサムなのに対し、市場ゲームは、プラスサム ⇨まさにその通りだ。分業と交換が進めば進むほど、人間社会は、文明的に繁栄する。克服困難と言われた戦後の南北問題も、市場がグローバル化することによって、今後30年間で大きく前進しそうだ。 そして、これだけ世界の相互依存関係が進むと戦争することによるリスクも大きくなる。グローバル市場が浸透すればするほど、戦争もおきにくくなる。 つまり、平和を望むのならば、グローバル化による世界の自由競争を徹底させることだ。 ◯市場原理主義の逆説は、先進国の豊かさを奪うことで、世界全体をより豊かにして行く。 ◯長い進化の過程で、因果論を神経系に組み込んだ生物が、このプログラムを持たない生物よりも子孫を多く残すのに有利だったからだと考えられている。 ⇨つまり、人間含めた生物は、因果論で物事を考えるようにできており、そこから外れると不安になるということだ。この原理から、決して因果論では成立していない世界を、因果論で説明しようとするために、宗教や科学のようなものが発展したということだ。
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