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マルコ・ポーロ 東方見聞録 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2017/07/11

ようやく全編完読。マルコ・ポーロが直接書いたものではないことは知ってはいたが、旅行記ではなくその土地土地の生活の様子、チンギス・ハーンの戦争の記録が主であり、それが逆に当時の人々の様子を克明に記していることなのだろうと思った。それにしてもラストの唐突さにはびっくり。

Posted byブクログ

2015/12/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

原典にちかい中世フランス語からの訳である。ベネチア商人の子供だったマルコが中央アジアをとおり、北京(カンバルク)にいき、各地の様子を記した書物である。ロシアやアニアン海峡については書いてない。東南アジアやインドについては少し記述がある。紙幣などの記述のほかに、モンゴルが行った戦争、プレステ・ジョンの伝説(ジンギス・カーンが戦った相手)なども記述がある。チベットなど奇異な民俗も記されているが、基本的に旅行の順にしるされているわけではない。最後もモンゴルの戦争で中途でおわっている感じである。

Posted byブクログ

2015/06/12

マルコ・ポーロ(月村辰雄ほか訳)「東方見聞録」を読む。   高校歴史のお勉強として知っていたくらい(ジパングが黄金の国うんぬん)で、詳しいことはまったく知らなかったこの本、もちろん、全文を読むのは今回が初めてだ。さぞかし冒険に富んだワクワクする話かと思いきや、マルコ・ポーロが訪れ...

マルコ・ポーロ(月村辰雄ほか訳)「東方見聞録」を読む。   高校歴史のお勉強として知っていたくらい(ジパングが黄金の国うんぬん)で、詳しいことはまったく知らなかったこの本、もちろん、全文を読むのは今回が初めてだ。さぞかし冒険に富んだワクワクする話かと思いきや、マルコ・ポーロが訪れた数多くの地域のことを同じ調子で長々と・・・、ちとうんざりというところか。この書はマルコ・ポーロ自身が書いたのではなく、イタリアに帰国後、ジェノバの牢獄(!)で一緒だったルスティケッロという著述家に語り聞かせて書かせたもの。だから文章も回りくどいし、ルスティケッロのコメントらしい部分もあったりして、その点ではユニークな文章なのかも知れない。   1271年、17歳で父と叔父とともにヴェネチアを離れ、足かけ26年の間、モンゴル帝国領内外の地を旅して回ったと云う、壮大な旅の記録と云ってよい。北京のモンゴル帝国(元)の大ハーン、クビライの絶大な信頼を受け、その命を受けての旅だが、まさに東方見聞録にふさわしい。文中の地名が必ずしも定かではないが、訪れたのは、中国全土は勿論、インドシナ全域、ジャワ、セイロン、インド、パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、イエメン、マダガスカル、エチオピア・・・と驚くほどの行程。そこで訪ねた一つ一つの町のことをこと細かく、しかし同じような切り口から同じ内容を繰り返しているわけだが、中には魔術師が妖術を使うとか、一角獣やビヤ樽ほどの太さの蛇がいたとか、マヤカシの部分も混ざっている。一方でモンゴルの制度、例えば大ハーンが保証する紙幣が広い範囲で流通していたとか、街道と駅伝の充実した有様など、なかなかに興味深い話も覗える。モンゴルが栄えた13世紀後半のアジアの様子が手に取るように判るとも云え、だからこそ当時のヨーロッパの人たちの関心を呼び、様々な写本が出回ったということのようだ。   さて、ジパングのくだりはどうなっているのか・・・。当然に一番興味深いところだったが、日本では金が溢れている、君主の宮殿はすべて黄金で覆われているとの記述が確かに存在・・・。但し、実際にはマルコ・ポーロは日本に来たわけではなく、ここは聞いた話を膨らませたということらしい。この「黄金の国ジパング」の話が、コロンブスを始めとして人々を冒険に駆り立てたわけで、大きな刺激を与えたということだ。さらには日本で云う「元寇」についての言及もあるが、一旦モンゴル軍が日本に上陸し占領したとあるのはどういうことだろう。もっとも例の神風が吹いて結局、クビライは日本侵略を断念したとはあるのだが・・・。   要は、この「東方見聞録」、実際にマルコ・ポーロが実際に見たことだけでなく、噂として聞いたことや憶測も織り交ぜて書かれた本と云えそうだ。牢獄の中で面白可笑しくルスティケッロに語ったことが原因のようだが、この本が世界史上に与えた影響を思うと、何だか罪作りな仕業とも思えて来るのだが・・・。

Posted byブクログ

2012/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言わずと知れた、13世紀ヴェネツィアの大旅行家、マルコ・ポーロがアジアへの旅を語った『東方見聞録』。 その原本に最も近いとされる中世フランス語写本の日本語訳です。 マルコ・ポーロの父ニコロと叔父マフェオがコンスタンチノープルを出立して元(中国)に到達し、またヴェネツィアへ帰ってきて息子マルコを連れ、また東方へ旅立つ。 中央アジアを経て中国に到達し、やがて東南アジア、インド、アフリカを経て帰国する旅程と、各地で見聞きした事柄を叙述しています。 叙述は、基本的な事柄(言語・宗教・主食など)については簡単に済ましているので、同じ表現が繰り返し使用されています。 仏教を「偶像崇拝」と呼び、イスラム教徒に対しては侮蔑的な表現も。 ただし、明らかに荒唐無稽な話もあるため、もし本当にマルコ・ポーロ自身が語った通り書物になっているとすれば、"イル・ミリオーネ(Il Milione、百万の嘘)"と呼ばれたのも仕方ないかな(^O^; 挿絵が豊富ですが、アジアが舞台なのに西洋風に描かれているのも面白いですw 中国にライオンがいる?虎のことでしょうか? 「黄金の国・ジパング」については、意外なほど短い記述で済んでいました。 巻末の訳者あどがきは、中世写本学やマルコ・ポーロ研究について、特にテクストの種類とそれらの意図について学べるので、一読の価値があります。 ニン、トン♪

Posted byブクログ