風渡る の商品レビュー
風の軍師と順番を逆に読んでしまいましたが、やはり自分は黒田官兵衛という人がどうも好きになれない。 自らの手を汚さずに言葉巧みに人を操るばかりで、同じ夢を見る仲間を鼓舞するのであればそれでもいいけれど、彼は本心を曖昧にして相手に都合の良い誤解をさせているだけのように感じます。 普段...
風の軍師と順番を逆に読んでしまいましたが、やはり自分は黒田官兵衛という人がどうも好きになれない。 自らの手を汚さずに言葉巧みに人を操るばかりで、同じ夢を見る仲間を鼓舞するのであればそれでもいいけれど、彼は本心を曖昧にして相手に都合の良い誤解をさせているだけのように感じます。 普段は頑なまでに真っ直ぐな心を描くことが多いのに、官兵衛に関しては葉室氏も福岡人の贔屓目になっているのかなあ。
Posted by
黒田官兵衛の小説は、司馬遼太郎の播磨灘物語が有名である。風渡るの小説では、黒田官兵衛とキリスト教との駆け引きで新しい世界を作っている。 九州に初めて伝来したキリスト教が九州で根付き始めたのはキリシタン大名の存在が大きい。 戦国時代のイエズス会のキリスト教と時の権力者との興亡を描く...
黒田官兵衛の小説は、司馬遼太郎の播磨灘物語が有名である。風渡るの小説では、黒田官兵衛とキリスト教との駆け引きで新しい世界を作っている。 九州に初めて伝来したキリスト教が九州で根付き始めたのはキリシタン大名の存在が大きい。 戦国時代のイエズス会のキリスト教と時の権力者との興亡を描く、視点を変えたストーリーである。
Posted by
黒田官兵衛とイエズス会の日本人修道士ジョアンを主人公とした歴史小説。切支丹の視点から官兵衛を掘り下げている。黒田家は目薬を売って財を成した家であった。官兵衛は「武士というより商人のような気分がなにより、身になじんでいた」。民間感覚を持っていた。 官兵衛は卑怯を嫌う。「同じ謀叛で...
黒田官兵衛とイエズス会の日本人修道士ジョアンを主人公とした歴史小説。切支丹の視点から官兵衛を掘り下げている。黒田家は目薬を売って財を成した家であった。官兵衛は「武士というより商人のような気分がなにより、身になじんでいた」。民間感覚を持っていた。 官兵衛は卑怯を嫌う。「同じ謀叛でも、信長が昼間、安土から京へ向う途中を襲えば、乱世だけに信長の油断も咎められるのだ。しかし、寝ていたところを襲ったとなると、いかにも卑怯と思われる」。 軍師と言えば陰謀家のイメージがあるが、だまして陥れる卑怯者とは一線を画す。正直さを持っているために荒木村重に正面から会いに行って幽閉されてしまうこともあるのだろう。 織田信長は海外進出を考えていたとする説は多くみられる。それでは豊臣秀吉の朝鮮出兵のような泥沼の侵略戦争に陥る。『信長のシェフ』の明智光秀も、それを予見して避けようとする。これに対して『風渡る』の信長は秀吉のような大陸侵略ではなく、海洋国家を志向していた。『信長のシェフ 34』の信長は、さらに進めて外交交渉による海外進出を考えていた。『信長のシェフ』の信長が多くの作品の信長の中でも最もカッコいいという声があるが、それに恥じない思想である。
Posted by
評価はよくわからない。新しい説も飛び出して頭がついていけない。官兵衛の話だと思っていたら、キリストもセットでついていて戦国時代の小説を好んで読んでいたけど、キリシタンの事を書いた小説に出くわしたことがなかったので興味深く読む事ができた。 明智光秀がキリシタンの事を好意的に思ってい...
評価はよくわからない。新しい説も飛び出して頭がついていけない。官兵衛の話だと思っていたら、キリストもセットでついていて戦国時代の小説を好んで読んでいたけど、キリシタンの事を書いた小説に出くわしたことがなかったので興味深く読む事ができた。 明智光秀がキリシタンの事を好意的に思っていた事を後から知る官兵衛。光秀に加担していたらキリスト王国となって違う日本になっていたかも知れない。なるほどと思う説が多く、また人間臭さもあり新たな戦国時代を読んでいるそんな小説だった。
Posted by
長編の歴史小説で戦国時代のキリシタンがおかれた立場が分かったような気がした。 反面、物語の焦点がぼやけて非常に読みづらかった。
Posted by
物語が淡々と描かれているのと、あちこち人物に飛ぶので、なかなか入り込めなかった。黒田官兵衛ということで、期待しすぎたかもしれない。
Posted by
一般的に知れ渡っている歴史上のストーリーに対し、武人であることとは別にキリシタンとしての官兵衛の野望、竹中半兵衛との画策を歴史の裏として加えたことなど、この作品のオリジナリティが強く感じられ、司馬遼太郎の播磨灘物語などとも比較しながら興味深く読めた。
Posted by
キリシタンを軸に、黒田官兵衛の戦国時代の生き方を再構築したような作品。 これまでの戦国時代を描いた時代小説の中では異質な作品で、とても興味深く読んだ。 キリシタンとしての考え方や、戦略などがストーリーの肝であるため、戦国時代の中心の合戦の描写が少ないので、抑揚がない所は好みが分か...
キリシタンを軸に、黒田官兵衛の戦国時代の生き方を再構築したような作品。 これまでの戦国時代を描いた時代小説の中では異質な作品で、とても興味深く読んだ。 キリシタンとしての考え方や、戦略などがストーリーの肝であるため、戦国時代の中心の合戦の描写が少ないので、抑揚がない所は好みが分かれるかもしれない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2021.10.27 読了 浅井長政、松永久秀、荒木村重、明智光秀の謀反は竹中半兵衛・黒田官兵衛によって仕組まれたものだった、という驚きべき展開。ただ仕組まれた内容の記述はないが・・・信長、秀吉の治世でキリシタンが果たした関わりはもっと大きかったのでは、というストーリー。
Posted by
この方の作品は初めて読みました。人物描写が素晴らしくキリシタンの目線から描く戦国時代モノはとても新鮮でした。
Posted by