ギュスターヴ・モローの世界 の商品レビュー
シュルレアリスムにまで影響を与えたと言われる象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モローの描く絵画。ギリシャ神話の絵、キリスト教の絵、日本の歌舞伎役者の絵……と、実に様々なバリエーションのモロー作品が載っています。また、主題がギリシャ神話であってもポーズがキリスト教っぽかったり、代表作『...
シュルレアリスムにまで影響を与えたと言われる象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モローの描く絵画。ギリシャ神話の絵、キリスト教の絵、日本の歌舞伎役者の絵……と、実に様々なバリエーションのモロー作品が載っています。また、主題がギリシャ神話であってもポーズがキリスト教っぽかったり、代表作『出現』にて有名なサロメのポージングも、日本の浮世絵がベースになっている説があるなど、作品としての完成度を高めるために様々な要素を絵画に詰め込んだことからも、コラージュやアッサンブラージュを初めとしたシュルレアリスム芸術の源流になっているらしく、その部分は興味深かったです。 あとはもう、なんと言ったってモローの絵は幻想的で素敵すぎるので、眺めるだけで楽しいです(笑)。
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借りたもの。 初期の新古典主義・ロマン主義風の絵画から、ギリシャ神話、キリスト教の主題、その他独自のインスピレーションで描き出されたものに分けてまとめられている。持ち運びしやすいサイズの本だが、図版は見やすく美しい。 寄稿文はギュスターヴ・モロー美術館の夢幻の世界について、モロー...
借りたもの。 初期の新古典主義・ロマン主義風の絵画から、ギリシャ神話、キリスト教の主題、その他独自のインスピレーションで描き出されたものに分けてまとめられている。持ち運びしやすいサイズの本だが、図版は見やすく美しい。 寄稿文はギュスターヴ・モロー美術館の夢幻の世界について、モローが愛した女性と作品への影響(両性具有的な)、《出現》などの『サロメ』に見る日本美術の影響(《歌舞伎役者》の模写掲載)、その独創的な世界の中に見る多くの画家からの影響についてなど、古いギュスターヴ・モロー像を打ち破る入門的なものだった。
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まさに幻想芸術。ギリシャ神話と新旧聖書世界、仏教アジア美術が同居してて違和感のない不思議な世界観です。 仏像顔の天使がいたり、淑女然とした怪物がいたり。同じ主題でも少しずつ違う雰囲気だったり、同じポーズが繰り返し出てきたり…意味深でミステリアスでついつい深読みしたくなる絵ばかり。...
まさに幻想芸術。ギリシャ神話と新旧聖書世界、仏教アジア美術が同居してて違和感のない不思議な世界観です。 仏像顔の天使がいたり、淑女然とした怪物がいたり。同じ主題でも少しずつ違う雰囲気だったり、同じポーズが繰り返し出てきたり…意味深でミステリアスでついつい深読みしたくなる絵ばかり。 天国的なきれいな絵というよりは、裏側の不気味さがあり、若干魔術寄りの志向。顔色のいいひとはあまりいません。 装飾が細かく視覚情報過多。東南アジアの遺跡を思わせる執念を感じます。 基本的には画集で、ちょっとしたコメントと、文章が章の終わりに数ページ。表紙の「出現」が印象的。 表紙買いでしたが悔いはありません。
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