いま、「政治の質」を変える の商品レビュー
辻井喬さんの帯の文と、発行元が岩波書店であるところから少し気になり手に取った本。 菅政権時に首相補佐官として東日本大震災の対応にあたった日々や、鳩山政権時に国土交通副大臣としてJALの再建問題にあたった日々のことが書かれている。政治家の書いた本、というのはこれまであまり読んだこ...
辻井喬さんの帯の文と、発行元が岩波書店であるところから少し気になり手に取った本。 菅政権時に首相補佐官として東日本大震災の対応にあたった日々や、鳩山政権時に国土交通副大臣としてJALの再建問題にあたった日々のことが書かれている。政治家の書いた本、というのはこれまであまり読んだことがなかった。 第一章の「現場主義」を声高に標榜する辻元さんの論調に対し「確かにそうなんだけど俯瞰で見るのも重要なのでは?」という違和感も少しずつ持ちながら読み進めて、二章以降のJAL問題、普天間などへ取り組む際の、辻元さんの粘り強く落とし所を探ろうとする姿勢にかなり好感を持った。辻井さんが帯で「変化を感じとる鋭敏さ、それに応じて政策を組み変える能力は人々の心を掴む」と書いてらっしゃるように、読む前の辻元さんのイメージ(ご自身が著書の中で頻繁に書かれる「ソーリ、ソーリの辻元」)のような強引な感じではなくて、かなり柔軟な思考のできる方なのだなと思いを新たにした。そして、ぱっと動けるフットワークの軽さとタフさ。NPO・NGOとの確かな人脈。緊急時にはこのような実行能力の高い人にやはり仕事が回ってくるのだ、と思った。 一方で、政策を粘り強く実施するための、基盤作りに対しても言及している。昔の自民党の調整能力に一部理解を示すようなくだりもあり、ここも柔軟な発想だと思った。人が複雑に絡み合う場所では、どうしてもこういう泥臭い調整めいたことが必要で、それは企業とかに置き換えても同じなんではないかと思う。そういう意味ではこれはビジネス書のように読めるなとも思った。 しかし、ビジネス書と違うのは、政治の目的が、市民の安全とか豊かな暮らしとかの実現とかいった高尚なところにあるところである。泥臭い調整にもまれながらも、理想は高く掲げていないといけない。辻元さんは結局社民党を離党しているが、ここには相当の逡巡があっただろうと思う。 辻元さんは橋下徹さんや小泉元首相のような快刀乱麻を断つようなやり方に警鐘を鳴らしている。このことで連想的に思い出されてくることがある。内田樹さんも橋下さんのやり方に警鐘を鳴らしていることだ。そして内田先生には『ひとりでは生きられないのも芸のうち』という著書があり、これは上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』のアンサーソングになっていると内田先生が言っている。そして上野さんには辻元さんとの共著『世代間連帯』というものがあり、そこで辻元さんと議論を戦わせているのだ。 一つ一つの著作および人が作り出すものから、重なり合うところや違うところを見い出していき、自分なりの身の処し方について考えていきたい、と思った。
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辻本清美の街頭演説中のビラに載っていた。 人間味があふれて好きな方。 人はあきらめてはいけない、なんかこの方から感じる。
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