僕らのごはんは明日で待ってる の商品レビュー
読書が好きという人はたくさんいて、 毎日読んだり、年間百冊以上も読む人もたくさんいる。 そういう人からすると、 ぼくは読書好きというレベルではないかもしれない。 ただ、ぼくは瀬尾まいこさんの文章が好きなのだ。 他にも様々な作家の文章を読むし、 面白いと思う物語には、たくさん...
読書が好きという人はたくさんいて、 毎日読んだり、年間百冊以上も読む人もたくさんいる。 そういう人からすると、 ぼくは読書好きというレベルではないかもしれない。 ただ、ぼくは瀬尾まいこさんの文章が好きなのだ。 他にも様々な作家の文章を読むし、 面白いと思う物語には、たくさん出会っている。 それでも瀬尾さんの文章が、圧倒的に好き。 瀬尾さんの、どの作品を読んでも、そう思う。 唯一無二に、好きなのだ。 その理由を、セリフの中に見つけた。 単行本になると思うので、 全部書くのはやめておく。 要約すると「いろんなことを平気にしてくれる」ということ。 読んでいると、そういう気持ちになっていることに気が付く。 今回は主人公の男の子が、高校生から大学生、社会人と成長していく。 その中でいくつかの恋愛を経て、結婚に至るのだけど、 ラブストーリーではないとぼくは感じる。 そういえば、瀬尾さんの作品の中で、 ベタベタな恋愛小説というのはないと思う。 好きとか嫌いとか、愛とか恋とか、 そういう表面的な感情や状態を描いたりしない。 瀬尾さんの文章には登場人物の「心の根」が見える。 それは、愛とか恋とかの、もっと奥にあるもの。 もっと奥にあるものを、難しくしないで、物語に乗せる。 それが「いろんなことを平気にしてくれる」のだ。 ぼくも、大切な人の「いろんなことを平気にしてくれる」存在になれればと思う。 「会いたい人」とか「楽しい人」とかではなく、 そういう存在になるべきなのだ。 瀬尾さんの文章は、いつも自分に足りないものを気が付かせてくれる。 この小説は、間違いなく、ぼくの中では最高傑作。
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表紙を見て軽いお話かと思ったら大間違い。 少しだけ重くて、少しだけ切なくて、そして人生を考えさせられる一冊。 人との出会い、大切ですね。 そして断る勇気も。 難しいですね、生きるって!
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一人でだって生きてはいける。でも、あなたとだったらもっと楽しい! 瀬尾まいこの魅力を凝縮した、傑作長編恋愛小説! 葉山イエス。 イエスはあだ名。何に対しても心が広い、キリストのような奴だから。でも実際は、人に対して無関心だっただけ。趣味(?)は黄昏と自分探し。上村小春。 唐揚は...
一人でだって生きてはいける。でも、あなたとだったらもっと楽しい! 瀬尾まいこの魅力を凝縮した、傑作長編恋愛小説! 葉山イエス。 イエスはあだ名。何に対しても心が広い、キリストのような奴だから。でも実際は、人に対して無関心だっただけ。趣味(?)は黄昏と自分探し。上村小春。 唐揚は苦手だけど、ケンタッキーは好き。ポカリ派。自分をしっかり持っていて、決めた事は覆さない。でも、おばあちゃんの言葉は日本国憲法より重い。 流されるがままの男子と、頑なまでに我が道を進む女子。ちっともイマドキでもなければ情熱的でもない高校生の二人は、体育祭の競技“米袋ジャンプ”がきっかけで付き合う事になった。大学に行っても、“恋愛”と言って良いのか分からない淡々とした関係を続ける二人だが、一つだけ自信を持って言えることがある。それは、互いを必用としている事。 でも人生は、いつも思わぬ方向に進んで行き……。 笑って、泣いて、じんわり温かい。読者の心に春を届ける、著者の魅力がぎゅっと詰まった優しい恋の物語。 瀬尾さんはほっこりする。 小春ちゃん好きだなー。
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二人の出会いから付き合うまでは面白かったが、中盤以降の一度別れてまたヨリを戻すとか、最後のくだりはうーん…な感じ。 話が進めば進むほど、ヒロインの魅力がなくなって行ったような。
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僕らのご飯は明日で待ってる? うーむ。今でもわからん、このタイトルの言葉の意味が。 ぼくらの ご飯は 明日で 待ってる わけですよね。 日本語として理解できず……。誰か分かる方いたら教えてください。 喉の奥に魚の小骨が突き刺さったままのようで、気になって仕方がない。 註:今、引...
僕らのご飯は明日で待ってる? うーむ。今でもわからん、このタイトルの言葉の意味が。 ぼくらの ご飯は 明日で 待ってる わけですよね。 日本語として理解できず……。誰か分かる方いたら教えてください。 喉の奥に魚の小骨が突き刺さったままのようで、気になって仕方がない。 註:今、引用文を書いていたら、41Pに「むなしい思いってどこかで待ってるの?」という台詞がありました。おそらくや、この表現のイメージだと思うのだが、それでもまだ分からん。 ま、それはそれとして。期待を裏切らない瀬尾さんの最新作でした。 主人公が章ごとに年齢を経て成長していくというスタイルは初めてなのでは? 高校三年の体育祭、兄の死によってたそがれていた葉山君に『米袋ジャンプ』で学校生活の楽しさを思い出させ、好きなことを告白する上村さん。 この二人がどんどん大人になっていく過程での話だが、ウイットとユーモアに富んだ二人のさりげない会話のやり取りが読んでいてとても楽しい。 とくに、天然のようで、でもしっかりしている上村さんの個性的な台詞が魅力的。 どこから、こんな言葉返しの発想が生まれるのだろうか、と思わせる。 註:あまりに面白いので、引用にいくつか掲載しておきます。 この小説、不思議なことに主人公二人の容姿や服装などに関する表現、描写、記述が殆どない。 二人のみならず、途中で現われストーリー的には重大な位置をしめる鈴原さんにしても。 普通、女の子だったら、髪が長いとか鼻が高いとか、どんな洋服を着てとかいう描写が何かしらあるものだが、この作品では、おそらく意図的に一切そういう表現がない。 ある意味、小説の基本をぶち破っている。 “読者にイメージさせるために登場人物のある程度の容姿や服装などは書くべき”というのは、小説を書く時の指南書では決まりごとだ。 にも拘らず、敢えてそこを書かなかったのは“読者の皆さん、自由に脳内イメージしてください”ということなのだろう。 どこかの小説の賞とかに応募する作品だったなら、下読みの段階で撥ねられるだろうけれど。 この作品のすごいところは、それを省いてるにも拘らず、二人の会話のやりとりだけで、二人の人柄はもちろん、容姿、服装なども自然に想像できるところだ。 特に、これまで瀬尾さんの小説を読んでいる人なら、二人の姿はかなりイメージできるのじゃなかろうか。 私で言えば映画を観たせいもあるのだろうが『幸福の食卓』の北乃きいちゃんと勝地 涼君のイメージで読んだ。あの二人がそのまま大きくなっていく姿を思い浮かべて。 大人になった二人は結局つらい現実に直面するのだけれど、それでも「 明るい明日に向かって僕らは生きていくんだ。二人で力合わせて」と前向きに考える姿が微笑ましい。 人間はこうでなければいけない。 本当に好きなら、恋人同士なら、若い夫婦なら、こうあってほしい。 素直な気持ちでそんなことを思わせてくれるような、しんみりしながらも感動する作品です。 一見ありふれた日常に見せながらも、重いテーマをすんなり入り込ませ、それでもさらに前向きな明るい未来を呈示する。 瀬尾さんの本領を発揮した良作だと思います。 ちょっと気分が落ち気味なときなどに読むのがいいかな。
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死んだ人の出てくる小説ばかり読むたそがれてる葉山君にポカリ派の上村さん。高校3年の米袋ジャンプから大学生活、時とともに深まる関係と絶妙な会話のずれと暖かみ、お互いを思いやる気持ちの真っ直ぐさがまぶしいです。イエス(葉山)の自称親友塚原君の率直なまじめな意見が良かった。 ただ、表題...
死んだ人の出てくる小説ばかり読むたそがれてる葉山君にポカリ派の上村さん。高校3年の米袋ジャンプから大学生活、時とともに深まる関係と絶妙な会話のずれと暖かみ、お互いを思いやる気持ちの真っ直ぐさがまぶしいです。イエス(葉山)の自称親友塚原君の率直なまじめな意見が良かった。 ただ、表題作は、、、?どちらかというと、結婚までのお話が読みたかったです。
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病気で兄を亡くしたイエスと両親を知らない小春の恋物語。 いつもたそがれてて他人に優しいんだか関心がないんだか分からないイエスと、我が強くてわがままなんだか実は思いやりでいっぱいなんだか分からない小春との会話が、噛み合ってるのかいないのかビミョーで良かった。 最後の小春の言葉がいい...
病気で兄を亡くしたイエスと両親を知らない小春の恋物語。 いつもたそがれてて他人に優しいんだか関心がないんだか分からないイエスと、我が強くてわがままなんだか実は思いやりでいっぱいなんだか分からない小春との会話が、噛み合ってるのかいないのかビミョーで良かった。 最後の小春の言葉がいいね。
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兄を亡くした男の子と、親がいない女の子の恋愛話。男の子がゆるやかに成長していくのは良かった。ただ、タイトルの意味が読み切った今も解らなかったり。
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ずっと「黄昏れている」高校時代を送っていた葉山くんに、体育祭の米袋ジャンプのペアを持ちかけた上村小春。誰もペアになりたがらなかったんだよ、あなた暗いから、と言ってのける彼女だったのだけど実は…。(*^_^*) 兄の死を引きずり、ずっと自分の周りに膜を張りめぐらしていた葉山く...
ずっと「黄昏れている」高校時代を送っていた葉山くんに、体育祭の米袋ジャンプのペアを持ちかけた上村小春。誰もペアになりたがらなかったんだよ、あなた暗いから、と言ってのける彼女だったのだけど実は…。(*^_^*) 兄の死を引きずり、ずっと自分の周りに膜を張りめぐらしていた葉山くん。 小春との噛み合っているのかいないのかよくわからない会話がとても楽しかった。 「死んだ人の出てくる話ばっか、読んでるんだね」と浅見光彦シリーズを三十冊も持ってきてくれる彼女。そのピントのずれ方が功を奏して、葉山くんの心持ちが変わって行くところが優しくて、瀬尾さんらしいなぁ、と。 葉山くんは大学に入って、新しくできた友人たちから「イエス(キリスト)」と呼ばれる。彼がなんでも許容するから、なんだけど、それは葉山くんが優しいからなのか、人に関心がないからなのか。彼は冷たい人ではないと思うんだけど、どっか、オカシイところがまたいいんですよ。 葉山くんと小春の関係が、高校・大学・社会人と変わって行くんだけど、お互いをよくわかりあえているところが得難いコンビなんだなぁ、と嬉しかった。 小春の名言の一つを引用しておきます。 ありきたりのことを言っているのになんでこんなに可笑しいんだろ。(*^_^*) 「大学は楽な場だと思う。自由がおおっぴらに与えられてるんだもん。大学入っちゃえば、自分を探すとか言って突然リュック一つでインドとかタイに行ったり、地球を守るとか言って突然浜辺で空き缶拾ったり、自由がすべてだぜって言って突然自主映画作ったり、何か知らないけど無農薬野菜作ったり、絵とか詩とか描いて道で売ったりできるんだし。」 なんかすっごく、いい気な(*^_^*)奴らを可愛くコケにしているところが好きなのかもね
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お互いに必要とする人に出会えるってすごいこと。互いに誰より知ってるって思えるって幸せなことなんだろうな。最後の章はなんかもっと別な感じのあたたかさだったら良かったな。
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