僕らのごはんは明日で待ってる の商品レビュー
子供を望んでる人が病気になるのってほんとなんなんだろうね。でもこのふたりはふたりでも幸せに生きていける気がする。
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何かを失った2人が出会って、一つになる物語かと思いました。 最初、苦手ジャンルであるティーンの恋愛小説かと思いましたが、そんな浅はかな考えを吹き飛ばしてくれる、ユーモアと奥深さと哀しさと希望を含んだ物語です。 はじめに葉山が上村に救われて、最後は上村が葉山に救われて。 3章までのとても良いあっさり具合から、最終章で激重展開になります。 女性にとってとても重い問題。 迫られる大きな決断。 この決断の背景は筆舌に尽くしがたく、当事者でしか理解し得ないものだと思います。それを、著者は色々な言葉で読者に想像させ、伝えようとしてくれていると強く感じました。 上村と葉山のやり取りはテンポが良く、そのおかげでこの物語が暗く沈んだものにならずに済んでいるのだと思います。 「そして、バトンは渡された」の優子と森宮さんのやり取りを彷彿とさせるような。 上村と葉山はもちろんのこと、えみりちゃんの明日が幸せでありますように。
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(上村)小春と葉山くんの会話が、ユーモアがあって面白かったです。特に小春のあっさりというかクールというか、そういう雰囲気もあっていいなと思いました。 この本を読んで二つの気づきがありました。 一つは、人を好きになるとはどういうことか、について。僕の場合は、美しいものをみた時に、こ...
(上村)小春と葉山くんの会話が、ユーモアがあって面白かったです。特に小春のあっさりというかクールというか、そういう雰囲気もあっていいなと思いました。 この本を読んで二つの気づきがありました。 一つは、人を好きになるとはどういうことか、について。僕の場合は、美しいものをみた時に、これを「あの人にも見せたい」と思うことが人を好きである一つの要素であると思っていました。この作品では、葉山くんが「小春だったら、どんな返答をするだろうか」と考える場面が度々あります。それも、一つの好きな要素なんだと気づかされました。 もう一つは、生きること、について。 最後の方で、退院する小春が、同室者に80種類ものふりかけをプレゼントします。「次の日にはなんの味のふりかけにしようかな」…生きていくとはそういうことかとハッとさせられました。小さくて細やかな希望で明日へ紡ぐこと。生きることを難しく考えなくていい。そう思わせてくれました。 瀬尾さんの作品は、やはりとても読みやすいです。テンポがいい。 本作が読めて良かったです。
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よかった。結婚して子供とか将来とか迷っている夫婦は読みなさい。これいいから。 学生から社会人と描かれる二人の軌跡が物凄くいい。 小説は基本的にフィクション、空想のお話だがこの小説にはそのフィクションと現実の枠組みを越えて迫ってくる凄みがある。217頁という短さも読みやすくて実にい...
よかった。結婚して子供とか将来とか迷っている夫婦は読みなさい。これいいから。 学生から社会人と描かれる二人の軌跡が物凄くいい。 小説は基本的にフィクション、空想のお話だがこの小説にはそのフィクションと現実の枠組みを越えて迫ってくる凄みがある。217頁という短さも読みやすくて実にいい。こんなの読まされたら泣いてしまう。敵わないなぁ。
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最近短編集が多かったので 久しぶりに長編小説読んだ気がします! 葉山と上村... それぞれがいろいろなものを抱えて 生きていて。 上村がおばぁちゃんの言うことに 逆らえないという気持ちも凄くわかります。 最終的に結婚して手術も成功して 2人で生きていくことを選んだことには よかったーと思いました。
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それぞれの育ってきた環境と経験によって率直な人付き合いができないふたりが出会ってから付き合い、別れ、そしてまた一緒になるお話。瀬尾まいこさんなのでつらい過去だったり、相手への想いの告白も、ごくごくあっさりサッパリとしていて、それでいてまっすぐに本質を突くような表現で、いつもながら...
それぞれの育ってきた環境と経験によって率直な人付き合いができないふたりが出会ってから付き合い、別れ、そしてまた一緒になるお話。瀬尾まいこさんなのでつらい過去だったり、相手への想いの告白も、ごくごくあっさりサッパリとしていて、それでいてまっすぐに本質を突くような表現で、いつもながら読んでいて心地良かったです。この人のこの気持ちをもう少し読みたい、、でもこれ以上書いてあったらくどくなるのかも、という絶妙なバランスがすごく好みです。悲しくつらいことがあったとしても、悪い面だけではなく良い面だってあるんだよ、と思うことができ、読後感はさわやかです。
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きょうだい児だったなぁ。 親の立場の人には自助グループがあったりするのに、子供のきょうだいさんにはケアする制度がないのはなんでだろう? 子供だからわからないとか、必要ないとか思われてしまうのかな? 子供だって分かっているし、親の関心が病気のきょうだいに向いているのにも気付いている...
きょうだい児だったなぁ。 親の立場の人には自助グループがあったりするのに、子供のきょうだいさんにはケアする制度がないのはなんでだろう? 子供だからわからないとか、必要ないとか思われてしまうのかな? 子供だって分かっているし、親の関心が病気のきょうだいに向いているのにも気付いているし、だからといって我儘を言うでもなくいい子に、本当に恐ろしい程いい子にしているのに。 マイナスな感情も自分で自分の心に傷を付ける術にしかならず、ずっと自分を苦しめることになる。 辛いよなぁ。 きょうだいさんにはどんな気持ちでも間違っていないと知っていてほしい。 それは同じ道を辿ってきた私の願い。 子供の頃に培った生きづらさってそんな簡単に手放せるものではないからさ。 でもこの主人公は彼女に出会えて良かったよね。 きっとお互いにね。 あんな風に見てくれる人ってなかなかいないと思うから。
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兄の死から黄昏てた葉山を、現実に引き戻した上村だけど、おばあちゃん絶対服従のため大切なものを手離してしまう。 無理を通すと道理が引っ込む…上村が心を閉じたら、イエス・マンの葉山がえみりちゃんに流されて。 女は鋭い!葉山の言う「俺たち」が自分じゃなくて上村だって知ってた。葉山の軸が...
兄の死から黄昏てた葉山を、現実に引き戻した上村だけど、おばあちゃん絶対服従のため大切なものを手離してしまう。 無理を通すと道理が引っ込む…上村が心を閉じたら、イエス・マンの葉山がえみりちゃんに流されて。 女は鋭い!葉山の言う「俺たち」が自分じゃなくて上村だって知ってた。葉山の軸が上村だってことを。 いろいろあってもきっと二人でわくわく行ってくれそうです。
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短編で読みやすかった。最後の「色んなことを気にしてくれたりなんでも大丈夫にしてくれるのはイエスだけ、そう思ったら充分一緒にいる意味がある」が刺さった。死ななくてよかった。
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勝手に短編集かと思ってたら、長編小説でした。 中学生の時に兄との別れを経験した亮太は、高校時代をたそがれたり、人が死ぬ小説を過ごす。 クラスで浮きまくってるし、友達もいない。 そんな彼が高校最後の体育祭をきっかけに小春と出会い、少しずつ自分の人生を取り戻していく。 空に浮か...
勝手に短編集かと思ってたら、長編小説でした。 中学生の時に兄との別れを経験した亮太は、高校時代をたそがれたり、人が死ぬ小説を過ごす。 クラスで浮きまくってるし、友達もいない。 そんな彼が高校最後の体育祭をきっかけに小春と出会い、少しずつ自分の人生を取り戻していく。 空に浮かぶ風船だった彼を小春が糸を手繰り寄せ着地させてくれたような話でした。 亮太の大学時代のあだ名はイエス。高校3年間ほぼ友達もいなかったのに。小春ちゃんもクセ強めなので、ぎこちない2人を応援したくなります。
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