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死命 の商品レビュー

3.5

84件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2018/04/14

使命と死命。自身の余命を知ったことで人を殺したい願望で罪を重ねる榊と命が尽きるまで犯人を追う蒼井。死を目の前にした2人の結末は異なるものの、最期に自分の人生と向き合ったという観点では、重なるところがある気がした。単に連続殺人を捜査するというだけの話ではなく、余命わずかの中、娘と息...

使命と死命。自身の余命を知ったことで人を殺したい願望で罪を重ねる榊と命が尽きるまで犯人を追う蒼井。死を目の前にした2人の結末は異なるものの、最期に自分の人生と向き合ったという観点では、重なるところがある気がした。単に連続殺人を捜査するというだけの話ではなく、余命わずかの中、娘と息子を持つ蒼井はどう生きるか、殺人を犯しながらも自分を大切に思ってくれる女性のいる榊はどう生きるかを考えさせられる。

Posted byブクログ

2018/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文体がとても好きな感じで読みやすかった。 殺人の手口がどれも「見知らぬ女の体を買い、行為中に殺害」なことと、「異性と行為中に相手を殺したくなるようになった直接の原因」がどうにも気持ち悪くて榊(とその両親)には嫌悪感しか抱けなかったです。 幼少期の榊の境遇には同情しますが、普通そんなことがあったら異性との行為自体嫌になるんじゃないのかな……と思ってしまうのは私が女だからでしょうか。 異性との行為に抵抗ないのは記憶をなくしてるせいかなと思ったけど、最後に本命の母親を殺そうとした時のセリフから見ても普通に母親のことも犯そうとしてるっぽいしなぁ。 澄乃が亡くなる前に蒼井に託した言葉についても釈然としない気分です。 むしろ蒼井が言った「嘘」の方が榊に対して澄乃が言いそうな言葉だと思ったんですが、実際に彼女が「最後に信一に何かを残したい。伝えなければならないことを」と必死に吐き出した言葉はまるで榊を突き放す言葉のようで意外でした。 榊が殺人犯と知って、榊に対して完全に愛想が尽きちゃったからあんなこと言ったんでしょうか。 もちろん殺人はいけないことだし失望するのも無理はないかとは思うけど、少し前まで愛していてお腹に子供までいるのに「あなたに会わなければ良かったと伝えて」が最後の伝言っていうのもなんだかやるせないというか……。 蒼井、矢部、岩澤の刑事3人の関係が少しずつ良くなっていくのが良かった。 決して馴れ合うわけではないけど、プライドの高い男性同士が徐々に信頼関係を取り戻して歩み寄っていく様は本当にかっこよかったです。 このもやもやした気持ちの正体が上手く吐き出せないのがもどかしい。 最後に蒼井がついた小さな嘘はたしかに少しは榊の心を蝕んだようですが、たったそれだけの事があれだけの人間を殺害した彼への罰なのか、と思ってしまう…… うーん。 ならどうなって欲しかったのかと聞かれると答えられないのですが。 でも、面白かったです。 また薬丸岳さんの本を読んでみたい。

Posted byブクログ

2017/10/01

共に余命を宣告された2人の男。1人はかねてより欲望を抑えていた快楽殺人を決行していく。もうひとりは1人は刑事の使命としてそれを追う。 まず、偶然多すぎ。人物設定がちょっと軽くて勿体無い。寺泊での出来事、引っ張りすぎてがっかりしちゃうから、もう少し早めに描くか、もう少し重めにしっ...

共に余命を宣告された2人の男。1人はかねてより欲望を抑えていた快楽殺人を決行していく。もうひとりは1人は刑事の使命としてそれを追う。 まず、偶然多すぎ。人物設定がちょっと軽くて勿体無い。寺泊での出来事、引っ張りすぎてがっかりしちゃうから、もう少し早めに描くか、もう少し重めにしっかり描くかしてほしかった。 まぁでも一気に読ませる作家さんではある。 もう一冊読んでみようかな。

Posted byブクログ

2017/02/09

ぐいぐい引き込まれる筆力。 抑えがたい殺人衝動を全て過去に起因させてしまうような描き方には少し疑問が残る。 殺されてしまった女性の描き方がなんとなく桐野夏生の小説とかぶるが、男性作者の描き方と女性作者の描き方だと似ているようで決定的に何かが違う。そんな気がした。 なんとなく消化不...

ぐいぐい引き込まれる筆力。 抑えがたい殺人衝動を全て過去に起因させてしまうような描き方には少し疑問が残る。 殺されてしまった女性の描き方がなんとなく桐野夏生の小説とかぶるが、男性作者の描き方と女性作者の描き方だと似ているようで決定的に何かが違う。そんな気がした。 なんとなく消化不良。

Posted byブクログ

2016/06/13

まさしくタイトルどおり。 犯人と刑事の死命。 最初は榊に捕まって欲しくないなーって思ってたけど、読んでいくうち蒼井刑事の凄まじい執念に心打たれました。 ラストも良かった。 薬丸サンの作品はハズレない。

Posted byブクログ

2016/05/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 榊信一はスキルス胃癌で余命いくばくもないと知らされる。 信一は鼓膜を破損して、耳がほとんど聞こえない。そして、そうなった記憶と、「人を殺したくなる」欲望の理由となった、過去の出来事の記憶を無くしている。  山口綾乃は信一に恋心を抱きながらも、2度信一の元を去り、彼が記憶を無くした理由を知っており、他の人と離婚した今もやっぱり信一に思いを寄せ続けている。  蒼井凌は日暮里署捜査1課、捜査途中で妻の危篤なのに、駆けつけられず、子供たち2人から恨まれている。 そして、以前にかかった胃癌が再発して、やはり余命いくばくもないと知らされた。  「死命」=「使命」であり、死と向き合った時に、人間としてどう生きるべきか?というか、どう生きてしまうか?が描かれていたと思う。  信一の「人を殺したくなる」失われた記憶がラストまでずっと気になった。 真相がわかった時、私が女性だからなのか?普通そうなるのかな?と思ってしまった。  薬丸さんのシリーズは読んでいて温かい気持ちが伝わってくるのが好きなので、これはちょっと残念でした。

Posted byブクログ

2016/03/19

著者らしい作られた作品なので、御都合主義的な設定が多く現実感は薄い。題材も重めだが、読み物としては楽しめる。

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2016/01/13

死に対する恐怖を、殺人犯と刑事の視点から描いたサスペンス。 どんな動物も死を恐れる。しかし、人間の場合は、本能的な死への恐怖よりも、理性的な働きによって死を恐れていると言ったほうが厳密だと思う。つまり、家族や友人など、死後に遺してしまう存在が気掛かりとなって、死後の世界に旅立つ...

死に対する恐怖を、殺人犯と刑事の視点から描いたサスペンス。 どんな動物も死を恐れる。しかし、人間の場合は、本能的な死への恐怖よりも、理性的な働きによって死を恐れていると言ったほうが厳密だと思う。つまり、家族や友人など、死後に遺してしまう存在が気掛かりとなって、死後の世界に旅立つことを恐れてしまっているのだ。

Posted byブクログ

2015/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

澄乃という女が勝手に探ろうとしてくるのが鬱陶しい、何勝手にカギ持ち出して別宅に侵入までするのか。 犯人は結局やりたいだけやって逃げ切った感じになるので、そこはなかなかない結末で評価できる。

Posted byブクログ

2015/11/25

またもやぐいぐい読まされた。 犯人側の設定が面白かった。 澄乃との関係が何らかのキーだとは分かるけど、まさかそんな過去があるとはね! だからって、殺人鬼になってしまうのはダメだけどね! 刑事側もなんともなー 刑事の家族は大変だ。 まさに二人の死、命の物語。

Posted byブクログ