僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? の商品レビュー
僕たちの「給料」は、なぜその金額なのか? 皆さんはこの質問に答えられますか? 給料が増えれば今よりも楽しい生活や豊かな生活が送れると思ってませんか? かく言う私も本書を読むまでは、上記の質問に答える事は出来ませんでしたし、給料が増えれば楽しい生活が送れると思ってました。 しかし...
僕たちの「給料」は、なぜその金額なのか? 皆さんはこの質問に答えられますか? 給料が増えれば今よりも楽しい生活や豊かな生活が送れると思ってませんか? かく言う私も本書を読むまでは、上記の質問に答える事は出来ませんでしたし、給料が増えれば楽しい生活が送れると思ってました。 しかし、残念ながら資本主義経済ではそれは許されない事だと言うのです? その事について、マルクスの『資本論』と、ロバートキヨサキの『金持ち父さん、貧乏父さん』の二冊を軸に論理を展開されているのですが実に分かりやすい。 特に面白かったのが、資本主義自体が自分達の首を締める様に出来ていると言う事でした。つまり企業は利益追求の為に、 効率化や新技術の開発を行う ⇒一時的には、効率化や新技術の開発を行った企業で利益が出る ⇒上記の手法が、業界全体や社会全体に広がった場合、モノの価値が下がる ⇒技術革新により従業員の価値が減る 結果、従業員の給料が減ると言うジレンマを資本主義と言うシステム上の欠陥として、常に持っていると言う。 確かに資本主義の限界が叫ばれ、生活保護受給が問題になっている昨今妙に納得してしまう。 石川啄木の一握の砂を思い出さざるをえない。 『はたらけどはたらけど 猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る』 本書は、そんな資本主義経済の中で賢く生きる為の知恵が描かれた本である。 サービス残業しまくってる人、転職したけど生活が上向かない人、働く事が辛い人にオススメの一冊。
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・「人は1年でできることを過大評価し,10年でできることを過小評価する.」 ・「したい人1000人,やる人100人,続ける人1人」 ・人生の損益分岐点を考える必要がある.売り上げ(収入)を増やすと損益分岐点をが逃げていく. ・ヘドニック・トレッドミル現象→ついこの間まで嬉しくて幸...
・「人は1年でできることを過大評価し,10年でできることを過小評価する.」 ・「したい人1000人,やる人100人,続ける人1人」 ・人生の損益分岐点を考える必要がある.売り上げ(収入)を増やすと損益分岐点をが逃げていく. ・ヘドニック・トレッドミル現象→ついこの間まで嬉しくて幸福感を感じていたものでも、飽きてつまらなくなってしまう.
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久しぶりに、働き方系の本で納得できた内容でした。 最初の方の、資本主義における給料の決まり方の話は知らなかったので面白かったし、今の給料制度についてとても納得できました。 個人的な仕事のコストを小さくするために、操作しやすい精神的苦痛の少ない仕事を選ぶことや、使用価値と価値を両方...
久しぶりに、働き方系の本で納得できた内容でした。 最初の方の、資本主義における給料の決まり方の話は知らなかったので面白かったし、今の給料制度についてとても納得できました。 個人的な仕事のコストを小さくするために、操作しやすい精神的苦痛の少ない仕事を選ぶことや、使用価値と価値を両方高めるために自己投資するあたりはとても納得。 仕事量は増えても楽しく過ごせている現状の背景が腑に落ちたし、もう少し無駄な疲弊を減らすためにどうすればいいか見えた気がします。
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※このレビューにはネタバレを含みます
資本主義社会の中では会社は元来ブラックな存在である、どこへ行ったっていくら高い給料を貰ったって個人の働き方を見直さない限り生活はずっと苦しい、など知らなかったことを易しく説明してくれる本。投資と同じように、資産(土台)を作ることが大事という結論。分かるけど、専門職種ではない会社員が資産を作る働き方をするというのは今のところピンと来ない…受験勉強みたいに必ず積み上がるものならいいのだけど。 給料は必要経費方式でしかなく、闇雲に上を目指したところで満足感は変わらず無駄にしんどいだけという話は、自分の労働に照らし合わせ合点がいった。
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資本主義のカラクリを理解した上で、サラリーマンの給料がどのような考え方に基づき計算されているかをとき、その上でどのような働き化をするべきなのか、についての示唆までダイナミックに展開した一冊。非常に説得力もあり参考になる一冊である。
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数々の企業での経験があり、現在作家として活動する木暮太一氏が現在の資本主義経済での労働の真実とそこから提唱する理想の働き方について書いた一冊。 「資本論」と「金持ち父さん貧乏父さん」の2冊を通して著者が感じた思いから現在の労働の在り方が必要経費を積み上げてそれを給料としてもらっ...
数々の企業での経験があり、現在作家として活動する木暮太一氏が現在の資本主義経済での労働の真実とそこから提唱する理想の働き方について書いた一冊。 「資本論」と「金持ち父さん貧乏父さん」の2冊を通して著者が感じた思いから現在の労働の在り方が必要経費を積み上げてそれを給料としてもらっていることや使用価値と価値の違いなどから社会における労働の仕組みをわかりやすく解説されており勉強になりました。 また経済用語の解説も多くされており、プロスペクト理論や囚人のジレンマなど社会でよく使われている用語については勉強になりました。 そして、会計の観点から自分の人生を利益あるものにする考え方は非常に面白いと感じました。 本書全体を通して労働に対する印象が大きく変わりました。 自己内利益を高めることや過去の積み上げから稼ぐBS思考をもつことなどから今後の自分たちの働き方の意識が変わるきっかけになりました。 著者は関連著書も出版されているので経済学の観点からも読めると感じました。 ただ残念な部分として巻末に用語索引があれば理解が深まるとも感じました。 本書で書かれている10年と長期的に持続して努力することを意識し、そして自己内利益を高め自分資産をつくり人生を豊かにしようと感じた一冊でした。
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・「自己内利益」を考える ・自分の「労働力の価値」を積み上げていく(資産という土台を作る) ・精神的な苦痛が小さい仕事を選ぶ
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価値と使用価値の違い、とか、給与の決まり方については面白いと思った。でも最終的な結論は微妙すぎた印象です。
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経済学に対して造詣が浅い読者向けに、マルクス経済学等などから基礎的な経済学の用語を援用して、資本主義における労働者のあり方を解説し、満足感の高い仕事人生の送り方を指南した本。 日系企業の給与の決まり方、「価値」と「使用価値」の違い、剰余価値など、僕にとって少し目新しい内容もあっ...
経済学に対して造詣が浅い読者向けに、マルクス経済学等などから基礎的な経済学の用語を援用して、資本主義における労働者のあり方を解説し、満足感の高い仕事人生の送り方を指南した本。 日系企業の給与の決まり方、「価値」と「使用価値」の違い、剰余価値など、僕にとって少し目新しい内容もあったが、最終的な結論が「長期的に稼げる土台を作れるような仕事をする」という、漠然として多くの人にとって実効性があるか疑問なものだったので、全体としては今一つな本という印象だった。 最後の方は、PLやBSなどを出して目新しい議論のように見せかけながら、言っていることは同じことだったり、技術革新の速度が激しいという理由でIT業界を勧めなかったりと、首をかしげるような記述もちらほらあった。 まぁ個人的には、金融の世界で使用価値の高い能力や経験を身に着けて、高給取りになっていきたいと思う。
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ダメ。全然ダメ。そもそもの課題認識から間違っている。多くの人が感じている所得に関する不満は、著者の言うところの「多少のプラスアルファ」にあるのであって、何も資本家と比較して自分の所得が低いと嘆く人はいない。 第1章はいわゆる生活給の考え方。戦後日本の労働問題をかじった人なら知っ...
ダメ。全然ダメ。そもそもの課題認識から間違っている。多くの人が感じている所得に関する不満は、著者の言うところの「多少のプラスアルファ」にあるのであって、何も資本家と比較して自分の所得が低いと嘆く人はいない。 第1章はいわゆる生活給の考え方。戦後日本の労働問題をかじった人なら知っている話。ただし現在は都合の良いところだけ成果配分原則を採用するようになってきて、管理職の給与から生活補助的な手当てがなくなったり、賞与だけでなく給与にまで成果(考課)を反映させているのは問題だ。 第2章は労働価値説と剰余価値の話。150年も前の資本論に終始した説明で、限界効用理論を踏まえた議論になっていない。とても現代の経済社会に当てはまるとは思えない。 第3章は上記を踏まえた『働き方指南』。とは言っても具体的な提言は何もない。価値と使用価値を同時に高めなさい、と言う身も蓋もない話。それをどうやってやるかが知りたいんですけど。。。 第4章は自己内利益という概念から、売上(収入)を上げるのではなく費用を下げましょうという提案。これには一理あって、年収1000万円でもすぐにその生活レベルに慣れてしまうから収入を増やすのは意味がないというのは納得。しかしここでも具体策なし。いくら何でも次の章ではその秘伝が開示されるぞ、と期待しつつ次章へ。 第5章でようやく解決策。やはり費用を下げましょう、と来た。その中身はと言うと。。。興味を持てる仕事に就け?!そんなことできるなら悩んでないわい。どんな仕事でも自分次第で興味を持つことはできる、という有難い精神論ですが、こういう言い方こそ資本家が搾取する時の常套手段でしょう。 また日々の努力が蓄積されて投資になるような仕事を選べとも。これも難しいわな。特にもう定職についている人には。 第6章、もうどうでもいい感じもする。蓄積した能力が長く活かせる変化の遅い業界を選べというが、そういう斜陽産業でどうやって満足できる収入を得よというのか?製鉄や電力のような過去からタップリ資本を蓄積してきた業界は特殊であって就職も難しい。それ以外のスローな業界は毎月給料が払われるかどうかも怪しいのが現実だ。 とにかく価値はあるかも知れないけど使用価値の乏しい本でした。
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