時間と宇宙のすべて の商品レビュー
人々の宇宙に対する考え方、時間に対する捉え方が、 いかに人間の実生活や社会の仕組みの変化と分かち がたく結びつきながら変わってきたか、ということに ついて書かれた本。その意味で、単に宇宙論・時間論の 歴史を描いているのではなく、宇宙「観」時間「観」の 歴史について述べている本だと...
人々の宇宙に対する考え方、時間に対する捉え方が、 いかに人間の実生活や社会の仕組みの変化と分かち がたく結びつきながら変わってきたか、ということに ついて書かれた本。その意味で、単に宇宙論・時間論の 歴史を描いているのではなく、宇宙「観」時間「観」の 歴史について述べている本だと言えよう。世界観の歴史 と言ってもいいかもしれない。特にアインシュタインの 相対性理論の登場までの前半部は、社会の変革と世界観 の変化が上手に結びつけられており、とても面白い内容 だった。 話がビッグバン理論登場以降、現在のものになると、 宇宙論の変化の方にばかり焦点が当たっている感じが あり、少々残念。ただ、その中で「ビッグバンに代わる 新しい宇宙論が様々登場していること=宇宙観の変化」 が、「新しい社会の到来」を示唆しているのではないか という観点は興味をそそられるものがあった。 文章は決して易しいものではないが、それを補って余り ある魅力に溢れた本だと思う。
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石器時代から現代まで人間が時間をどう捉えて来たのかをわかりやすく解説してくれる本。 宗教、哲学、文化史、物理学、天文学など多くのジャンルにまたがりますが、 専門知識が必要なところまでは踏み込まないので読みやすいです。。 大学の一般教養の授業みたいな内容でしょうか。軽くノート取りな...
石器時代から現代まで人間が時間をどう捉えて来たのかをわかりやすく解説してくれる本。 宗教、哲学、文化史、物理学、天文学など多くのジャンルにまたがりますが、 専門知識が必要なところまでは踏み込まないので読みやすいです。。 大学の一般教養の授業みたいな内容でしょうか。軽くノート取りながら読みました。 なかなかこれだけ知的で面白い講義もないと思うので、本で読めちゃうのはお得だと思います。 人間が宇宙をどう見てきたかを、古代から現代まで追っていくという点で、 サイモン・シンの『宇宙創成』とかぶる部分もありますが、 サイモン・シンが人間ドラマの面白さを描いたのに対し、 こちらは知的な思想哲学の面白さにページを割いていると思います。
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読了★3。生活上の「人間的時間」と、宇宙論に関わる「宇宙的時間」の交差という視点で、「時間」の歴史と意義を考察。神話からポスト・ビッグバンまでをカバーしており興味深いですが、やや読みづらい文章(翻訳)。
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古代以来、時間の観念がどのように変遷してきたのか、そしてその陰に天体観測がどのように寄与してきたのかというところから書き起こし、それに繋がる流れから現代の最先端宇宙論にまでを網羅する一風変わった切り口の書。 昼と夜しか区別の無かった時代、季節を意識し出した時代、時間を発見した時...
古代以来、時間の観念がどのように変遷してきたのか、そしてその陰に天体観測がどのように寄与してきたのかというところから書き起こし、それに繋がる流れから現代の最先端宇宙論にまでを網羅する一風変わった切り口の書。 昼と夜しか区別の無かった時代、季節を意識し出した時代、時間を発見した時代、そして分・秒に生きる時代と時間の歴史書といえば歴史書だし、時間は空間と共に伸び縮むものという新たな意味を発見した相対論から最先端のヒモ理論やマルチバース理論までを概観する宇宙論と言えば宇宙論とも読めるし、読む人によって捉え方は色々だと思うが、どちらにしても十二分に楽しめる内容だ。 だが、本書の最後の結論部分では一転して、我々の社会の時間と宇宙の時間を含めて改めて「時間」の意味を再構築して考えなければ今の宇宙論におけるブレークスルーは望めないのでは無いだろうか、と問いかけている。 即ち、ビッグバン理論を支えるインフレーション理論も必ずしも万能ではないものの、それを補完するためのヒモ理論・マルチバース理論などが現代では主流になっているが、それは時間というパラメーターの無い量子物理学に基づくもので、更に言えば宇宙には始まりも終わりもなく遂には時間の流れは無いという議論にも繋がることになる。 一方で、過去数10年もの間の宇宙論の主流を占めてきたヒモ理論から出てくる宇宙は無限大の数の宇宙の存在可能性をベースにしており、今我々の住むこの宇宙の創生を単純な確率論に矮小化してしまうし、本当の意味で宇宙の謎に迫ることを放棄している。だからこそ今一度時間についての思考を突き詰めるべきだというのだ。 読んでいて最後の結論のところ、「時間を捉えなおす」部分はちょっとばかり分かり難いのだが、個人的にも確かにヒモ理論やマルチバース理論には思考放棄的な部分が感じられるので新たな枠組みを積極的に構築すべきとの論には頷けるところ大である。
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読み終わったのではなく、途中で一旦放棄です。途中といっても最初のところで。 読みだしてもどうもノって読み続けることができませんでした。 内容が幅広くて、あちこちに振り回される感じがするのと、振り回されながらも芯が感じられなかったので疲れて読み続けることが苦痛になってきたというとこ...
読み終わったのではなく、途中で一旦放棄です。途中といっても最初のところで。 読みだしてもどうもノって読み続けることができませんでした。 内容が幅広くて、あちこちに振り回される感じがするのと、振り回されながらも芯が感じられなかったので疲れて読み続けることが苦痛になってきたというところです。 連続して読むのを諦めて、興味の湧きそうなところから読んでみたりもしたのですけど、やはり振り回される感じが拭えず、読むのは一旦放棄となりました。
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