大学の授業 新訂版 の商品レビュー

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2014/03/03

「『一〇時三〇分に始める』と定めて、学生に『学生手帳』でそう知らせてある。……教師が約束を破ってはいけない。……『まあ大体の時刻で来ればいい。少しくらい遅れても授業は始まっていない。』とたかをくくる学生の方が結果的に当たっていたなどという事態を起こしてはいけない」(pp.13-1...

「『一〇時三〇分に始める』と定めて、学生に『学生手帳』でそう知らせてある。……教師が約束を破ってはいけない。……『まあ大体の時刻で来ればいい。少しくらい遅れても授業は始まっていない。』とたかをくくる学生の方が結果的に当たっていたなどという事態を起こしてはいけない」(pp.13-14)。  教師の態度は、教師が伝えようと意識していてもしていなくても、学習者に伝わり、解釈され、学習されます。教師が遅刻したら、それを見た学習者は「遅刻しても良いのだ」と解釈し、学習するのです。しかも、もしかしたらこの学習者さえ、教師の態度から何かを学習したことを意識していないかもしれないのです。これは恐ろしいことです。教師は、このような教育の作用を理解して教育にあたる必要があります。  この本は、大学の授業を論理性で充たし、学問研究にふさわしい場として当然に整えるという、著者の授業思想が明快かつ簡潔に述べられたものです。大学の授業とは何でしょうか。授業の秩序とは何でしょうか。これらの問いに対する、ある究極の到達点というべき答えが、この本にあります。 (2013 ラーニング・アドバイザー/教育 MATSUBARA) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1456523&lang=ja&charset=utf8

Posted byブクログ