1,800円以上の注文で送料無料

苦役列車 の商品レビュー

3.5

311件のお客様レビュー

  1. 5つ

    43

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    102

  4. 2つ

    25

  5. 1つ

    6

レビューを投稿

『女性が読めば』

貫多クンに対する女性の解答が知りたい。

クラシカルなMK

2025/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

劣等感に溺れた男の物語。 自己や他人を顧みず嫉妬や承認欲求を暴走させて周りに悪態をつき勝手に一人になっていく。 人間が誰もがもってる本性を包み隠さず曝け出して生きていく過程を生々しく書いた小説だった。

Posted byブクログ

2025/01/17

汚いし、腹立つし、みっともないし…なんだけど、私の中にもある同じようなものが刺激される。 例えば日下部と美奈子に悪態をつく場面。私はそんな素直に言わないけど、結局頭の中ではいろんな人に悪態ついてる。口に出すか出さないかは大きな違いかも知れないけど、結局同じ。本を読んでそれに気づい...

汚いし、腹立つし、みっともないし…なんだけど、私の中にもある同じようなものが刺激される。 例えば日下部と美奈子に悪態をつく場面。私はそんな素直に言わないけど、結局頭の中ではいろんな人に悪態ついてる。口に出すか出さないかは大きな違いかも知れないけど、結局同じ。本を読んでそれに気づいちゃって苦い気分を味わった。

Posted byブクログ

2024/12/26

人生で初めて読みました"私小説"。 意外と面白いジャンルですね! その人の生きてきた道程や経験などが知れます。 作者の西村先生がどんな人間だったのか? "素直さ"と"正直さ"どちらも似た意味かもしれないが 嘘を付いてな...

人生で初めて読みました"私小説"。 意外と面白いジャンルですね! その人の生きてきた道程や経験などが知れます。 作者の西村先生がどんな人間だったのか? "素直さ"と"正直さ"どちらも似た意味かもしれないが 嘘を付いてない所と捻くれてない所と表そうか(笑) 文章で殴り書きされているので、なんか新鮮だった。 フィクションを交えてるのかなぁ~? 俺には全て事実にしか見えなかったです(笑) 僕的には、すっごい捻くれてるなぁ~って 感じがしました(笑) 読んでいて笑えましたし、なんか憎めないというか 近くにいたら「まぁまぁ」と宥める自分が想像できたり だらしない男を見て、「おもろいなぁコイツ」って 思ってしまったかもしれないです。 解説で石原慎太郎が書いていたが 「どんな人間でも密かに悪行を夢見る」 これは誰しも考えた事はあるかもと思った。 遠回しに芥川賞に必要な要素も伝えてる様に見えた。 フィクションだけじゃつまらんみたいな(笑) あまり女性にはお勧めできないな。 だらしない男の典型的な要素が詰まりつまっている。 でも、その人の人生を知るのは面白いから勧めたい。 あと漢字が難しかったなぁ。 畢竟とか煩瑣とか購めるとか(笑) 何回もSafariで調べて読んだ、勉強になりました。

Posted byブクログ

2024/12/10

テレビのコメンテーターとしての西村賢太さんを知っていたので読んでみた。時代背景も古く、字や言葉も古いので少し読みにくかった。私には少し難しかった。

Posted byブクログ

2024/12/08

表紙、題字フォント、カバーからして陰鬱な印象を受けた。独特な文章だが、読み辛いとは思わないし、寧ろ引き込まれてしまう。 妬み嫉みに塗れたその日暮らしの主人公がいて、それを俯瞰的(一般人に近い客観的)な視点で捉える作者がいて。子どもは親を選べない。11歳の時点で人生が決まったという...

表紙、題字フォント、カバーからして陰鬱な印象を受けた。独特な文章だが、読み辛いとは思わないし、寧ろ引き込まれてしまう。 妬み嫉みに塗れたその日暮らしの主人公がいて、それを俯瞰的(一般人に近い客観的)な視点で捉える作者がいて。子どもは親を選べない。11歳の時点で人生が決まったという単純かつ短い文の放つ哀しみが強烈で、貫多が合理的かつ器用に生きていくことの難しさを要所要所で突きつけられ、暗澹たる気持ちにさせられた。 西村氏を一目見た時からなんだか纏っているものが尋常ではないと感じてはいたが… 「落ちぶれて…」では何頁にもわたって、ギックリ腰で苦しむ様、それを1人で抱えながら孤独に生きていかなければならない虚しさが描かれていてなんとも言えない。それでも、「小説家として名を馳せたい」という強烈な想いを胸に、筆者が生きてくれて、書き続けてくれて良かったと、一読者として思う。芥川賞おめでとうございます、西村先生!

Posted byブクログ

2024/12/09

過去課題本。2年ほど前に追悼企画として読書会があった。芥川賞受賞の表題作と実質その続編となる短編をおさめたもの。最初の数行で嫌な予感があり、参加を見送っていた。改めて全体を読んでも印象は変わらず。全く楽しめなかった。終始下品な内容の文章に辟易した。

Posted byブクログ

2024/12/06

育った環境の不条理さや劣等感、恵まれた環境で育った周りの人間への怒り。この私小説では主人公の感情が痛いほど刺さる。 西村先生の書く独特な文章も含め素晴らしい作品。

Posted byブクログ

2024/11/15

貧困の中でそれに抗いもしない若者の私小説。文体が古く一文が長いので読みにくいようで引き込まれる文章。心情や情景の表現力がそれまで読んだ本と違った。

Posted byブクログ

2024/10/03

2011年第144回芥川龍之介賞 2012年 映画化 公開時のキャッチは      「友ナシ、金ナシ、女ナシ      この愛すべき、ろくでナシ」 そして西村賢太さんは、2022年2月心停止、54歳で亡くなりました 主人公の名前は、北町貫多 西村賢太のもじりだとも 私小説部分...

2011年第144回芥川龍之介賞 2012年 映画化 公開時のキャッチは      「友ナシ、金ナシ、女ナシ      この愛すべき、ろくでナシ」 そして西村賢太さんは、2022年2月心停止、54歳で亡くなりました 主人公の名前は、北町貫多 西村賢太のもじりだとも 私小説部分が多いらしい 父親の性犯罪により 両親は離婚 引越しを繰り返しながら 中学卒業と同時に 家を飛び出し 東京の片隅で苦役のその日暮らし 酒と女が大好きで 仕事は金が底をついたら仕方なく 卑屈であさましく、自分の現状に怒りを持ちながら 自堕落 プライドは 山のごとく 劣等感は 海のごとく 読みながらダメっぷりに辟易しながら 自虐的滑稽譚とも思える 文章は明確で クラシックの感じもする 自堕落の太宰治が 死を目指していそうなら こちらは 底辺で死ぬまでは生きそうなのだ ただ この小説が西村氏の私小説でなければ 興味を持てるかというと不確か 「落ちぶれて袖の涙のふりかかる」 ギックリ腰の文学化 あるいは 純文的ギックリ腰 “落ちぶれて”を引用しているけど 川端康成賞にノミネートされ文学の仕事も そろそろ充実し始めている頃 あー西村さんも 文学賞欲しいんだなってところに哀愁さえありました この作品の中で 孤独死からの腐敗を心配しているくだりがありました 現実ではタクシーの中で意識を失ったそうです なんとも

Posted byブクログ