あたたかい水の出るところ の商品レビュー

木地雅映子【著】

2022/05/24

軽めの本が読みたくて、図書館で借りました。

温泉好きの女の子の気楽なお話かと思ったら、意外に重いテーマで、少しファンタジーが混じっていて、求めていた感じの本ではなかったです。でも後半はなかなか面白く、目次通りのシンデレラストーリーも悪くなかったです。

2021/01/26

気軽な銭湯好きの女の子の話かと思ったら、家庭環境がヘビー。
それを当たり前に淡々と受け入れている主人公にハラハラ大丈夫かと心配しながら読んだ。

銭湯や温泉の気持ちよさと、急に入るファンタジー。
最後に温泉旅館にお嫁さんになれてほっとした。

2020/08/31

強ばった筋肉が徐々に解れていくような気持ちの良さがあった。
少し強引なところもあるけれど元気が出たからオールオッケー。

2018/05/25

木地さん流シンデレラストーリー。
温泉好きのほんわか女子高生・柚子ちゃん。
軽いタッチだけど置かれている家庭環境は著しくヘビー。
３姉妹だけど、柚子ちゃんだけ養子なの？ってぐらいひどい。
ワーキングマザーからはいろいろ家事を押し付けられるわ、妹からは罵声を浴びせられるわ、姉からは金をせびられるわ…。でもそんな状況にも悲嘆するでもなくマイペースにやり過ごす術を身につけてる柚子ちゃん。
そんな中、癒しの場所である銭湯で王子さまと出会うのでありました。
あ、ちなみに父親は助け舟なんて出さないし、そもそもいつも家にいないし、たまーに深夜のリビングの床に転がってます。サイテー。

うん、真正面から向き合ってくれない家族とは、こちらもまともに受け入れる必要はないと思います。
これからは自分と大切な人のために生きていってほしいな。

昔読んだ木地さんの「氷の海のガレオン」でも思ったけど、テーマ・環境・文体がちぐはぐなのにこの不思議なバランスが胸を打つのかな。

無性に温泉に行きたくなるし、アレッポの石鹸買っちゃったし、手ぬぐいも欲しい。
ただ、アレッポの石鹸のみで髪を洗うのはちょっと真似できないかな…。キシキシしそう。

2017/09/02

主人公の家庭環境は決して明るいものではないのに、ふわっとした雰囲気が全体に漂っていて読んでて楽しかったし、人と関わろうという気持ちになれました。表紙が抜群にかわいい！

2017/04/09

2018.4.9 読了

完全に 表紙借り！
けど、予想外に よかった!!
なんか 心がポカーと 温かくなった。
一気に読みました！

三人姉妹の 真ん中 柚子。
高3で、進路をどうするか、な状況。

姉は コンパに明け暮れ、
妹は アタマがよく 小学校の頃から
母親の期待を一心に背負って勉強一筋。
けど、最近は 勉強が伸び悩み
部屋にこもりきりで ちょっと心配。

母親は 仕事、仕事で忙しく
父親も ほとんど家にいない状態。

いろいろあるけど、現実を直視せず
言いたいことも 呑み込んで 毎日
ヘラヘラと生きる毎日。

唯一の楽しみは、近所の銭湯。
ゆーっくり お湯につかる、洗う、またつかる。。。

いろんなことが 起こってるのに
ひたすら 掃除したり、
ヘラヘラしてるとこは なんか泣けそうになる。。。

がんばれ、柚子！て。

ラストも ちよちょぎれた。。。

この人の他のも 読んでみたい。

2016/11/24

飄々としてる主人公の姿は自分を守る為。
辛い現実から、それと、妹に全ての責任を負わせている自分の醜さから。
でも自分が悪いわけじゃない。妹が悪くないわけでもない。親はもちろん悪い。
その切り捨てが必要なのかもしれない。家族の絆は、永遠ではない。どんな関係も、心地よくある為には相互の努力が必要だし、相手から得られないなら、諦める事も必要なんだろう。

面白いし可愛いし、まさにお風呂のようにじんわりと温まる良い話なんだけど、主人公が家族以外には愛されまくってるのが、ちょっと醒める。
素敵な王子様が都合よく現れるのはいいけれど、王子様とのエピソードが少なすぎて、いつの間にお互いそんなに好きになってたの？と思ったら入り込めなくて、ラストの温泉旅館辺りから流し読み。

2016/11/04

自分の親や姉妹兄弟が“フツー”ではないかもと思いながら生き続けることは、ほんとにしんどいこと。
フクイチを好きになるきっかけの部分がぶっ飛びすぎて理解できず…

2015/06/08

初めての作家さんの作品。

ほのぼの癒し系かと思ったらそのキャラクター性は痛々しい程の鎧。病的な家庭の歪み。でもなんだかんだと恋愛ストーリー。
話の展開に少し無理矢理感はあるものの、なんだなんだ面白いじゃないのと一人興奮しながら深夜2時に読了。
読後感は良く主人公と一緒に自分自身も折り合いがついたようなそんな心持ちになれる。
「生きるために会いたい」の言葉に涙してしまいました。
映像化したらわかりやすく面白いかも。

日にちが経ちレビューを記載。
オチを覚えていると再読はないかもなあ。
すっかり忘れた頃に読み返したい１冊。

2012/4/20 光文社　
装画：corina corina
装幀：鈴木久美子

2014/11/02

なんというか、不思議な作品でした。
タイトルと可愛らしい表紙に惹かれて手にとったものでしたが、読み始めて「あれ？ちょっと失敗したかな〜」と思ってました。

銭湯が大好きで、ぽわ〜んと抜けたお気楽な性格の高校３年生の女の子、大島柚子。
軽い文体だし、柚子の間抜けな行動や発言から、一体何を伝えたい物語なんだろう？ただマンガの様に、楽しく読ませたいだけなのかな？と、読むページがなかなか先に進みませんでした。

急にグイッと引き込まれてきたのは半分を過ぎた頃。軽い文体は相変わらずなんだけど、けっこう重いテーマが語られているんですよ。
ひと言で言うと家庭崩壊。

柚子の自分がこれ以上傷つかない様に、気持ちに折り合いをつけて家族と接している姿が切なくて鼻の奥がつーんとなってしまいました。

家族のゴタゴタは解決しないままだったけど、しっかりと自分の道を切り開いていこうとしている姿は眩しくて、いい読後感でした。