評伝シャア・アズナブル の商品レビュー
本書は、皆川ゆかという名の歴史家が、宇宙世紀にかつて存在したシャア・アズナブルという男の軌跡を、おおむね時系列にまとめたものである。 歴史家ならではの細微な手つき、さらに一人の男を貫いた人生観とはどういうものだったのかを総合的に解釈する際のいわば「慎重な飛躍」、どちらの筆致も美麗...
本書は、皆川ゆかという名の歴史家が、宇宙世紀にかつて存在したシャア・アズナブルという男の軌跡を、おおむね時系列にまとめたものである。 歴史家ならではの細微な手つき、さらに一人の男を貫いた人生観とはどういうものだったのかを総合的に解釈する際のいわば「慎重な飛躍」、どちらの筆致も美麗と感じるほどだ。 シャアという男に関しては、幸いなことに映像資料が多く残されているので、後世彼のイメージを蒐集し耽溺することは容易だが、総合的解釈を下すのは容易なことではなかった。 映像資料はあまりにも断片的にすぎるため、行動は見えど真意は測り難いためだ。 皆川ゆかという歴史家の記述を杖に、再度シャアに関する映像資料を振り返るのは有意義なことであろう。 唐突に「サボテンが、花をつけている……」と発言したことは、ひとつの謎として残ったため、いわゆる「迷言」と見做されることがあるが、 歴史家の手つきで6ページにわたって真意が解きほぐされる。 ここが本書随一の見所だと感じた。 ちなみに「ファースト」に関しては劇場版を正史、テレビ版を異説、 「Z」に関してはテレビ版を正史、劇場版を異説、と見做す。 「逆襲のシャア」はもちろん正史である。 また「THE ORIGIN」などの異説も、切り捨てることなく「一説には~」と盛り込んでいる点も、興味深い。
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ガンダムの宇宙世紀を実際の過去の歴史とみなして、そこに「実在」していたシャア・アズナブルを分析した本。遊び心もここまでくると立派。 ガンダムはファースト・ガンダムしか見たことがなかったが、この本をちゃんと読むためにZガンダムのDVDを購入した私。さすがに逆襲のシャアまでは入手で...
ガンダムの宇宙世紀を実際の過去の歴史とみなして、そこに「実在」していたシャア・アズナブルを分析した本。遊び心もここまでくると立派。 ガンダムはファースト・ガンダムしか見たことがなかったが、この本をちゃんと読むためにZガンダムのDVDを購入した私。さすがに逆襲のシャアまでは入手できていない。
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“赤い彗星”シャア・アズナブルの宇宙世紀における歴史を辿る歴史書のような本。 主役以外の視点を追いかけることで、これだけ深い話になるあたり、シャアという存在の大きさを再認識させられました。一流の存在という認識を持っていましたが、それだけではないからこそ、歴史に大きく名前を刻んだと...
“赤い彗星”シャア・アズナブルの宇宙世紀における歴史を辿る歴史書のような本。 主役以外の視点を追いかけることで、これだけ深い話になるあたり、シャアという存在の大きさを再認識させられました。一流の存在という認識を持っていましたが、それだけではないからこそ、歴史に大きく名前を刻んだという解釈はとてもおもしろく、読み応えがありました。 理由のない出来事は存在しないのだ。背景を理解するということはすなわち、歴史に「必然」を見出す作業といえる。(P70)
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2014年12月31日読了。一年戦争からグリプス戦役、ネオジオン戦争の中心にあった人物シャア・アズナブル。その生涯を、ガンダム公式百科事典の編著者が評伝としてまとめた本。宇宙世紀の歴史を現実の歴史のように扱う、という試みは今では珍しくないと思うが、「シャア」という劇中の一人物に焦...
2014年12月31日読了。一年戦争からグリプス戦役、ネオジオン戦争の中心にあった人物シャア・アズナブル。その生涯を、ガンダム公式百科事典の編著者が評伝としてまとめた本。宇宙世紀の歴史を現実の歴史のように扱う、という試みは今では珍しくないと思うが、「シャア」という劇中の一人物に焦点を当て、しかも「その人物を読みとく」という企画は面白い。他の人物ならいざ知らず、シャア=キャスバル=クワトロという人物には、それだけの魅力と語られるべき要素があるということだ。「一流の見識、二流の才能」という表現が本書中では繰り返されるが、誰よりも戦局とニュータイプの価値、人類の未来が見えていながら、アムロやララァ、ハマーンらにニュータイプとして勝つことができなかったこと、ダイクン家の遺児という重い出自を背負わざるを得なかったことなどが「優秀な凡人」として生きることを彼に許さなかったのだなあ・・・。読み応えのある本だった。
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「これでは道化だよ」というシャアの声が聞こえてきそうなほどに、シャア・アズナブルという存在が実在の人物扱いされている本でした。あくまで著者個人の考察なので重力に魂を引かれた人(ガチガチのガンダムファン)にしてみれば「認めたくないものだな」とか「よくもずけずけと人の中にはいる。恥を...
「これでは道化だよ」というシャアの声が聞こえてきそうなほどに、シャア・アズナブルという存在が実在の人物扱いされている本でした。あくまで著者個人の考察なので重力に魂を引かれた人(ガチガチのガンダムファン)にしてみれば「認めたくないものだな」とか「よくもずけずけと人の中にはいる。恥を知れ、俗物!」なんて言いたいところもあるのかな? とは思いますが、シャアから見た宇宙世紀というか、シャア視点のガンダムシリーズのあらすじとして読んだので、映像だけでは良くわからなかった点を解説してもらったようでとても楽しめました。
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いつか、「ナポレオン」や「リンカーン」の隣に並ぶ日が来るかもしれません。(笑) ブクログのフォロワーさんが読んでおり、“すごく気になってるけど、図書館には無い。買う価値あるのか?”と悩んでました。 アマゾンにて中古本を450円送料無料で購入。利益あるのか・・・ いい歳して...
いつか、「ナポレオン」や「リンカーン」の隣に並ぶ日が来るかもしれません。(笑) ブクログのフォロワーさんが読んでおり、“すごく気になってるけど、図書館には無い。買う価値あるのか?”と悩んでました。 アマゾンにて中古本を450円送料無料で購入。利益あるのか・・・ いい歳してガンダムですが、恐ろしいほど内容が濃くて驚きました。シャアとアムロの「ガンダム」については、おおよそ知っている積りでしたが、まだまだ知らない事が多い。解説本的な物をを読んだほうが良いかも。と今さら思いました。 改めて「ガンダム」と言うSF小説の深さに、感慨ひとしおです。 本書内で「ラプラスの箱」について、少しだだけ触れられていましたが、現在楽しみ中の「UC」についてネタバレは書かれていません。良かった。 ともあれ、「アムロFAN」より圧倒的に「シャアFAN」が多いのは周知の事実。 スターウォーズが実は「ダースベーダーの生涯の記録」だったように、ガンダムも「シャアの生涯の記録」なのかもしれません。 とりあえず、猛烈に“Z”が観たい所です。
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一年戦争からグリプス戦役、そして第2次ネオ・ジオン戦争まで、 ガンダムでのシャアの軌跡を追った一冊、、妙にロジカルに。 - 自分が二流であることを自覚しながら、一流の目標のために動かねばならぬ人間は不幸だ この言葉にすべてが込められている、そんな気がします。 久々に、TV版...
一年戦争からグリプス戦役、そして第2次ネオ・ジオン戦争まで、 ガンダムでのシャアの軌跡を追った一冊、、妙にロジカルに。 - 自分が二流であることを自覚しながら、一流の目標のために動かねばならぬ人間は不幸だ この言葉にすべてが込められている、そんな気がします。 久々に、TV版のZを見返したくなってきたなぁ、なんて。
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ボリュームのある内容でシャアの生き様が描かれた評伝。 アニメでファースト・ガンダムしか見ていないが、続編のZガンダムを 是非見てみたいという衝動に駆られた傑作です。
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いわゆるガノタw じゃないです。というか全然詳しくもない。 これ、以前に上下巻で出てた時には買いそびれたので、1冊になった現在、作家買いでどうしようか迷い中。 でも、架空世界の歴史小説(もしくは伝記?)と考えると十分に読み応えがあるのですよね。正史(本編?)と異説(派生もの)とを...
いわゆるガノタw じゃないです。というか全然詳しくもない。 これ、以前に上下巻で出てた時には買いそびれたので、1冊になった現在、作家買いでどうしようか迷い中。 でも、架空世界の歴史小説(もしくは伝記?)と考えると十分に読み応えがあるのですよね。正史(本編?)と異説(派生もの)とを比較検証して歴史の観点から論じられているけれど、そこから流れを作るのは作者になりますし。論は流れを整えた瞬間に物語られるものになるので、その意味で小説としての楽しみ方も発生するのかな、と。 作家買いと言いつつ、さすがにGUNDAM OFFICIALSは興味の範疇的にも値段的にも買わないけれども(某所で2ページ分だけ抜粋した凡例もらって、ついていけないことを悟ったので(笑) これなら買えるなぁという意味で、やっぱり迷い中。 しかし、ゆかさん筆名変えたけど、これは単なる文庫化なので旧名使用? てのがちょこっと謎。
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実はまだ読んでる途中だが。 読み応えありで大満足。(ガンダムオタ限定) 時系列的な流れなので、忘れていた出来事も思い出さしてくれます。 脚注も微に入り細に入りでいいなと。 文庫版ながら永久保存版決定ですな。 ガンダムに全く興味の無い方はスルーの方向でお願いします。
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