この世の全部を敵に回して の商品レビュー
タイトルに惹かれて買ったけど、今の自分には難しかった 「愛とは何か特別の価値があるものではない。無意味に生かされている完全に無力な私たちにできる、それはたった一つの能動的行為なのだ。」
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死というものに対しての、新しい考え方だなと思った。 魂の修行に生まれてくるという事はよく聞くけど、確かに成功していて良い人って、あまりいない気がするな。 良い人すぎると、偉くなるのは難しい。
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人間はなぜこの世に生まれるのか。そして最期には死を迎えその後はどうなるのか。宗教の教えに疑問を投げかけつつも、抗うことができない何かに人は翻弄されていると語るK氏。ものの哀れをずっと人間は感じ続けているのに、それを直視するのを避けているのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
内容はタイトルの通りとがってて、この世の中なんて全部無意味だ、生きてることに意味なんてない、人生に何か意味を見出そうとしても、人はどうせ死ぬのだ、私は妻も子どもも愛してなどいない・・・云々かんぬん・・・と、 くどくどくどくど、繰り返される、「ある人の手記」という形を取っている。 でも、“手記を書いている人物”がいくら「この世界は無意味だ」と訴えても、何か微妙に矛盾があり、ひっかかる。 読者が、その微妙な矛盾をなんとか受け入れて読み進めるために、最初に「これは小説家である私のもとに、亡くなったK氏の奥さんから託された手記です。多少おかしなところがあるけれども、そのまま載せる。」という設定をしてあるように思う。 さて、「手記」では、この世は悪意に満ちていて、暴力も犯罪も戦争も殺人もいっこうになくならない、こんな世の中なくなればいい、みたいなことを訴え続けているのだけど、一方で、自分が幼い時飼っていた猫のこと、家族でその猫に惜しみない愛を注いだことについての思い出が語られて、すごく対照的だ。 この世の全部を敵に回しても価値あるものを…実は訴えているのかも知れない。 それはすごく、すごくすごくシンプルなものだ。 家から一歩も出ることなく、ただ毎日、食べて寝て、家族に愛嬌をふりまいて撫でられて、死んでいった猫が、家族に与えたものと同じように。
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この世の全部を敵に回して この一冊は僕が「白石一文」という作家を好きになったきっかけの一冊です。 以後、彼の著作を読むほどに好きになり、共感を覚えることも多くあったように思います。私は映画や本に対しては比較的、新しいもの好きなので繰り返し同じ本を読むとかって、あまりしません… 未...
この世の全部を敵に回して この一冊は僕が「白石一文」という作家を好きになったきっかけの一冊です。 以後、彼の著作を読むほどに好きになり、共感を覚えることも多くあったように思います。私は映画や本に対しては比較的、新しいもの好きなので繰り返し同じ本を読むとかって、あまりしません… 未見未読のモノから得られる初体験未経験を好むからか…と自分では考えています。 それでもそんな中にも幾つかの再読再鑑賞などを繰り返しているモノもあります。この本はそんな一つだと思います。 生きるとか幸福とか愛だとか、幾ら求めても解答のない存在命題を考える上での大きな指針になる意見だと思います。 150頁に満たない一冊ですが、ここに書かれている内容は一読の価値があると強く思います。オススメの一冊です。 もし本書を読んで初めて作家「白石一文」に触れた方に対して、一つだけ注意して頂きたいのは白石先生の作品は沢山ありますのでこの一冊だけで評価しないで頂けると幸甚です。「私という運命について」「火口の2人」「一億円のさようなら」など映画化されているものもありますのでそちらから入ってみるほうがいいかもしれません…笑笑 白石先生の作品殆どの読みましたが、素晴らしいもの沢山ありますよ笑笑
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極論ではないか、と思うけど、例えば折り合いが上手く付けられないひとに対して、「愛」の正体を偏執に言葉で解剖した本。愛とか人間って大したことなくて、だから誰の中にでもあって、、。作者の考えかどうかは分からないけどかなり潔癖な理論展開です。好き。
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だが、そうした自分本位の心を誰もが抱えて生きている人間という存在が、今度は自分が悲劇に見舞われたとき、たとえば我が子に先立たれたりしたとき、ほんとうにそのことを心底哀しめるのだろうかと私は強く疑うのである。私は思う。他人の悲劇に無関心でいられる人間は、最も身近な他人に対しても本...
だが、そうした自分本位の心を誰もが抱えて生きている人間という存在が、今度は自分が悲劇に見舞われたとき、たとえば我が子に先立たれたりしたとき、ほんとうにそのことを心底哀しめるのだろうかと私は強く疑うのである。私は思う。他人の悲劇に無関心でいられる人間は、最も身近な他人に対しても本気で心を寄せたりはできないに違いないと。 私が私であるのは、私が私でなくてはならないと規定されたこの世界に身を置いているからにすぎず、なぜ私が私なのだろうかと幾ら疑問に感じたとしても、それはそういう世界だからという以外の答えがないのだ。 同時に、私は私である必要のない世界からこの世界にやって来たにすぎず、いずれ寿命が尽きたあかつきには、また私が私である必要のない世界に戻っていくだけなのであろう。 おそらくこの世界では完全なる正義、完全なる善意、完全なる調和といったものは成立してはならないのだろう。犯罪がなくならないのも、拷問や虐殺、戦争、圧政、狂信といったものが決して消滅せず、いつの時代にも種類や形を変えてはびこりつづけるのも、この世界がそういう世界として仕組まれたものだからなのである。 私たちにとって「死」は唯一の絶対である。「生」は決して死を凌ぐものではない。生はかりそめのものである。死んでいない状態を「生」と呼びならわすだけだ。死がなければ生もない。 この人生の意味も目的も知らず生きていく自分、同様に生きている他の人々や動物たち。存在する意味も目的も持たない相手(自分自身も含む)に対して私たちができることは二つしかない。一つは黙殺すること。そしてもう一つはただ愛することだ。私たちはそれ以外に彼らと対峙する方法を持たない。彼らが何をしたいのか、何をしようとしているのか、そのことにどのような意味があるのか、なぜ彼らが存在しているのか、そうしたことの大本が私たちには皆目分からない。自分自身もまた同じ存在でしかない。そういう対象(自分を含む)と向き合ったとき、私たちにできることは、私たち家族がハチに対してそうだったように愛することだけではないのか。 愛とは何か特別の価値があるものではない。無意味に生かされている完全に無力な私たちにできる、それはたった一つの能動的行為なのだ。 ** あまりにも哲学的で難解で、自分の中でうまく咀嚼できないので引用文を羅列しておく。言ってることはとてもよくわかる。ただそれを自分の中でどう取り扱っていいのかうまく分からない。 「夜と霧」をはやく読もうと思った。
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12/4/12 吉田 尚子 本日の収穫。「みないふりをしてきたものと真正面から向き合う」という今日の自分のテーマとがっちりシンクロしてる(と思われる、まだ読んでないので断言はできないけど)本と偶然出会ってしまう、というところに「もっとがっつりいけー」といわれてる気がする・・・単...
12/4/12 吉田 尚子 本日の収穫。「みないふりをしてきたものと真正面から向き合う」という今日の自分のテーマとがっちりシンクロしてる(と思われる、まだ読んでないので断言はできないけど)本と偶然出会ってしまう、というところに「もっとがっつりいけー」といわれてる気がする・・・単に自分で自分の背中を押してるだけかもしれないけれども。 しかし、「ドロドロに腐りきっている。もう逃げるしか自分の身を守れない」と感じていた場が、今日勇気をだしてひさしぶりに飛び込んでみたら、なんともいえないあったかいエネルギーに満ちていたんだよね。またここからつくっていけるかもしれない、そういう希望がみえるような。どうなるかはわからないけれども、もうとことんつきあおうと思う。次の展開がみえるまで
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救いようのない人類について、情け容赦のない分析でぐいぐい引き込まれたが、結論があまりにも月並みで拍子抜けした。かなり後味が悪い小説になったかもしれないが、最後まで徹底的にこの世を敵に回してほしかった
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賛同できる部分もあったし、できないところもたくさんありました。 子供のころから、死が怖いなんて思ったことはなかったですし、命あるものは、みな死ぬんだってことを自然に受け入れていました。この世に生まれたものはすべて、生きて死ぬだけ。死んでしまえばそれでおしまい。あとはなんにもありま...
賛同できる部分もあったし、できないところもたくさんありました。 子供のころから、死が怖いなんて思ったことはなかったですし、命あるものは、みな死ぬんだってことを自然に受け入れていました。この世に生まれたものはすべて、生きて死ぬだけ。死んでしまえばそれでおしまい。あとはなんにもありません。それだけのことです。 人間だって、そもそもが醜いものです。期待するからいけないのです。 すべての命は、生まれた瞬間から、死に向かって時をきざみ始めます。たかがこれくらいのことで、わざわざこの世の全部を敵に回す必要なんてないのになぁって思いました。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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