20歳からの社会科 の商品レビュー
明治大学に設置された「世代間政策研究所」の研究成果を取りまとめたもので、大学の研究者に加わってライフネットの岩瀬さんも原稿を書いている。高齢化社会では、選挙で若者向けの政策が尊重されにくくなり、負担の先送りが発生しやすくなる。この点はサンデル教授も「未来からの搾取」という表現で警...
明治大学に設置された「世代間政策研究所」の研究成果を取りまとめたもので、大学の研究者に加わってライフネットの岩瀬さんも原稿を書いている。高齢化社会では、選挙で若者向けの政策が尊重されにくくなり、負担の先送りが発生しやすくなる。この点はサンデル教授も「未来からの搾取」という表現で警告しているわけだが、本論では、感情論に囚われず、冷静に数字を列挙して、ではどうすればよいかという新提案が述べられていてとても参考になる。選挙だけでなく、年金、国債、外交、安全保障、教育など、取り上げられているテーマは実に幅広く、つまり様々なことを考えなければならないと言うこと。本文冒頭で示されているドイツ連銀総裁の「選挙権を持たない為に現役世代から巨額の負担を先送りされている将来世代。彼らは自らできる唯一の選択をしている。それは生まれてこないことである。」というメッセージは、この問題の深刻さを象徴しているように感じる。
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今の20代世代として読むと、高齢者中心でなく若者に対してこそ社会保障政策をすすめて欲しいと強く思ってしまう書。最後の環境問題に関して、今の世代と将来(まだ生まれていない)世代にわたる問題であるため、簡単に経済問題として処理しきれない、というのに納得させられた。
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明治大学に世代間政策研究所というのがあるらしく、そこがまとめた提言集。 (1)年代別に投票するとか、これはちょっと高齢者で固まっている日本の国会では法律は通りそうもないなと思う。 (2)とにかく、僕ぐらいから損している年金、医療、介護については、自分ぐらいは給付金などを減...
明治大学に世代間政策研究所というのがあるらしく、そこがまとめた提言集。 (1)年代別に投票するとか、これはちょっと高齢者で固まっている日本の国会では法律は通りそうもないなと思う。 (2)とにかく、僕ぐらいから損している年金、医療、介護については、自分ぐらいは給付金などを減らしてもいいので、若い人の負担を軽減すること。社会保障をこれ以上充実するなんて正気のさたとは思えない。いくら選挙対策とはいっても、ひどすぎる。 ただし、社会保障をちゃんと持続可能にするという仕組みをつくらないでおいて、消費税だけを先行してあげるというも無責任だと思う。ここは、財務省ががんばってほしい。 (3)この本にはまったく触れていないが、日本の現在の若者自体の進取の気性は決してしてたものではない。大会社の経営幹部よりずっと既得権にとらわれずに、日本の社会を改革する力があると思う。 かれらの知恵、能力を、ファイナンスなどでカバーしつつ、口をださないで、起業を促進していくのがいいのではないか。かれらの力をもっと信頼してまかそうじゃないかと思う。
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世代、をキーワードに様々なテーマで日本の抱える課題を整理し、考えるための本。社会の構成員として、現代を生きるため、未来に向けて生きてくための基礎知識的な、基礎教養的な一冊。
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【読書その69】2011年4月に発足した明治大学世代間政策研究所の研究成果の公刊第1作という本。 本書の執筆陣は、一橋大学准教授の小黒一正やライフネット生命代表取締役副社長の岩瀬大輔氏等。年金、医療、介護、雇用など財政や社会保障関係だけではなく、政治、外交、教育、環境問題など、社...
【読書その69】2011年4月に発足した明治大学世代間政策研究所の研究成果の公刊第1作という本。 本書の執筆陣は、一橋大学准教授の小黒一正やライフネット生命代表取締役副社長の岩瀬大輔氏等。年金、医療、介護、雇用など財政や社会保障関係だけではなく、政治、外交、教育、環境問題など、社会の幅広い問題を世代間の差という視点からとらえなおしている。 第4章を執筆している岩瀬大輔氏の「年金や医療費を誰が支えるか」は、日本の財政構造から始まり、年金、高齢者医療の制度概要、問題点、そして社会保障制度全般にいたるまで、非常にわかりやすく書いてある。何度か読みなおそうと思う。 他の執筆者の論文も勉強になったが、この岩瀬氏の論文だけでも読む価値は十分あると思う。
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日本における世代間格差を政治、外交、社会保障、教育、環境などの観点から分析。「世代」について感心を持つ人はぜひ読むべき本。
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"世代間格差"について、社会保障、財政、国防、環境など、6名の著者が様々な切り口から問題を解説しています。内容も理解しやすく、多角的視点から問題を考えられてよいと思います。 政治を悪者にするのではなく、国民自身が未来を見据えて考えるようになって(特に若者が)...
"世代間格差"について、社会保障、財政、国防、環境など、6名の著者が様々な切り口から問題を解説しています。内容も理解しやすく、多角的視点から問題を考えられてよいと思います。 政治を悪者にするのではなく、国民自身が未来を見据えて考えるようになって(特に若者が)、正しい選択が進むようになればよいと思いました。
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