人は老いて死に、肉体は亡びても、魂は存在するのか? の商品レビュー
ある人が自分の心の求めに応じて、悩み苦しみながら得た信仰告白として読みました。賛成できない部分もあるけれど、人の信仰にケチをつけるなんて野暮ですよね。日本人のこういう本って、各宗教、哲学や自然科学にも公平で好きです。
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渡部先生の言う「魂」「死後の世界」は「記憶」の言い換えかと思っていたら、この世と地続きのようなイメージらしい。だとすれば、大変な信仰告白の書だ。また、奇跡を認めるのがカトリック、奇跡を認めない(が故に、よりキリスト個人への崇拝に傾く)のがプロテスタントという説明も納得できた。
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パスカルの幾何学的精神と繊細なる精神の記述が興味深い。死後の世界や魂が存在しないと考えている人、存在すると考えている人、立場は違うと思いますが、一読の価値はあります。
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死後の世界や霊界を証明するにはいろいろな方法があります。イアン・スチーブンソン博士の「前世を記憶する子どもたち」の研究や、キュブラー・ロスの「死ぬ瞬間」つまり「臨死体験」の研究、それから最近では催眠状態で前世を体験する「前世療法」の研究もあります。しかし、渡部昇一氏はそれら、やや...
死後の世界や霊界を証明するにはいろいろな方法があります。イアン・スチーブンソン博士の「前世を記憶する子どもたち」の研究や、キュブラー・ロスの「死ぬ瞬間」つまり「臨死体験」の研究、それから最近では催眠状態で前世を体験する「前世療法」の研究もあります。しかし、渡部昇一氏はそれら、ややオカルト的とも揶揄されがちな方法によらずして、正統なる哲学という観点から、魂の実在を確信して生きるほうが、人生が豊かになることをすっきりとわかるように説いておられます。死の恐怖と戦う癌の患者さんや身近な人を亡くした悲しみを抱える人にこそ、この本は役立つものとなるでしょう。
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霊魂や死後の世界は存在するのかという問いについて論じた思索の書である。 筆者はそれらは存在すると確固として信じており、様々なことをその根拠として上げているが、正直これで説得されることは少ないだろうし、きっと筆者もそれを期待してはいないのだろう。 重要なのは、霊魂や死後の世界が...
霊魂や死後の世界は存在するのかという問いについて論じた思索の書である。 筆者はそれらは存在すると確固として信じており、様々なことをその根拠として上げているが、正直これで説得されることは少ないだろうし、きっと筆者もそれを期待してはいないのだろう。 重要なのは、霊魂や死後の世界があると信じることで、心安らかな日々を送ること。 筆者はパスカルの言葉を引用し、死後の世界が無いと信じて消滅の不安におびえるよりも、有ると信じた方が確実に充実した日々を送れると説いているが、それは確かにその通りだと思う。 そう心から信じきった状態というのを少し想像すると、うらやましくも思えるが、明日から死後の世界を信じきることは絶対にできない。 本書ではルルドの奇跡を目の当たりにして神父になった医学者の話などが出てくるが、そういう強烈な体験をするか、筆者のように深い思索の果てに確信に至るしか方法はないように思える。 「悟り」というのはその確信に至った境地なのかもしれない。
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トルストイの「人生論」に通じるものを感じた。 筆者の姿は、「人生論」の解説を著した山折哲雄の言葉を借りれば、「言葉を尽くし、理屈をこね、とうとうと弁じたててはいるのだが、どこか十字街頭に一人立つ、寂し気な預言者」のような雰囲気を漂わせている。 しかし、「哲学する」者は、そのような...
トルストイの「人生論」に通じるものを感じた。 筆者の姿は、「人生論」の解説を著した山折哲雄の言葉を借りれば、「言葉を尽くし、理屈をこね、とうとうと弁じたててはいるのだが、どこか十字街頭に一人立つ、寂し気な預言者」のような雰囲気を漂わせている。 しかし、「哲学する」者は、そのような孤独な姿を常にまとわせているのではないか。 常識を疑い、己の研ぎ澄まされた理性だけをよすがに現象を再び記述するためには、孤独にならねばならない。
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